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TOSSランドNo: 4990382 更新:2013年01月01日

部活動での語り


「先輩の姿」を伝える

1.中体連前日の語り
 部活動は成長するための手段。「生き方」を学ぶための一つの手段。
 そう考えて、サッカー部の生徒には接してきた。
 中学生最後の大会、中体連の前日。最後に生徒に次のように語った。

 3年間で初めて見ました。
 中体連前日に、最後まで心を磨く姿を。
何も言われずとも部室を整頓し、床はデッキブラシを使い、ピカピカになっていました。
3年間で初めてでした。
1000mを100本走ってきたチームは。努力をずっと続けてきたのです。
私は自信を持って言う。
君たちが、この地域の中で一番心を磨き、一番努力をしてきました。
このチームの監督であったことを誇りに思います。
やるべきことを君たちはやってきた。
明日、最高の試合をしよう。君たちの最高の姿を見せよう。
 
 チームは奇跡の快進撃を続ける。
 決勝では敗れてしまったが、実に19年ぶりの準優勝であった。
 観戦していた保護者は涙を流していた。結果よりも、最後の最後まで走り続けた生徒の姿に感動したのだ。
試合終了後、生徒は皆、笑顔であった。表情には達成感があふれていた。

2.心を磨く姿
 チームをはじめるにあたって、部員一人一人に次の問いを投げかけた。
サッカーを通じてどんな人間になりたいか?
 部活動は成長するための、手段であることを伝えるための問いである。
 生徒は次のようなものを書いた。


・心を成長させる
・きついことがあってもあきらめない
・自立できる人間になりたい
・感謝の心を持つ

・周りの人に言われてからではなく、自分で考えて行動できるようになる
・苦しい時でも下を向かず、前向きに過ごす
・自立した人間
・何事にも精一杯取り組む
・感謝の気持ちを忘れない
 
 生徒にまず1年後の自分の姿をイメージさせる。そして、良い行動をしている生徒を褒め続けた。

3.努力を目に見えるように
 中体連の4ヶ月前の試合で、ふがいない試合をして負けたことがあった。
 キャプテンSは、チームをまとめることができない自分と、思うようなプレーができないことでイライラし、相手に対しラフプレーを行った。中学校で初めてのイエローカードをもらった。
 試合後のミーティングで、キャプテンにチームメイトに話をさせようとした。
 しかし、Sは涙で声にならなかった。気丈なSがそのような姿を見せるのは初めてであった。
 チームメイトの気持ちに変化が起きた。生半可な気持ちで練習していた自分たちに気づいたのだ。
 翌日から、努力を積み重なっていることを生徒にわからせるような取り組みをはじめた。
 1000mを100本走ること、だ。「100」という数字が、生徒に自信をくれると考えたのだ。
 「今日は何本目だっけ?」「○本です」のようなやりとりを毎日行った。
 最初は無理だと思っていた生徒達も、30本を越えたあたりから「ひょっとしたらやれるのではないか」と思い始めた。100本目を達成したのが、中体連前日であった。
 校長先生は、このサッカー部の姿を全校集会で大きく褒められた。

4.先輩の姿を伝える
 部活動を通して、人間的に成長していく先輩の姿。この姿を部活動では伝えたい。
 中体連の試合後、後輩の一人は次のように日記を書いてきた。

 今日僕はとても感動した。みんなが一つとなって、ベンチの人も一丸となって応援していたり、フィールド内の選手は全力でプレーしたりしていたからだ。
僕が感動したのはKくんのシュートと、Yくんが腕をいためても試合をしていたところだ。
僕も先輩達を見習ってそういうプレーをしたい。
先生はうれしくて、手に持っていたお茶とコップを投げ捨てて喜んでKくんに呼びかけていた。

「やった〜!」周りから歓声が巻き起こった。
 A中に勝ったのだ。これで準優勝か優勝は確定した。
 そして決勝戦。M中だ。みんなすごい気迫で戦っていた。だが負けてしまった。
 3年生は負けだったのに、1人も泣かずに満面の笑みをたたえていた。
 僕は、なぜみんなが笑顔だったかはわかっていた。みんな全力を尽くしてやれるだけのことはやって、悔いの残らない試合をしたからだ。
 僕はこんな人生をおくって、3年生に負けないように頑張りたい。

5.卒業式
 キャプテンSは、卒業式でスピーチを行った。その最後のフレーズは今でも忘れない。
 僕は、この学校の生徒であることを誇りに思います。
 
 自分の学校を「誇り」に思う生徒、そういう生徒を私はずっと追い求めてきた。学校のために動く先輩を見れば、後輩はそれにならって行動すると考えていたからだ。
 彼が使った「誇り」という言葉。これも3年間で初めての言葉であった。
 Sが卒業して、次の新入生代表スピーチ。その中にも「誇り」という言葉があった。
 その次の年の中体連では、全部活動が、試合前日に部室を整頓していた。
 
 「先輩の姿を伝える」
 部活動を手段として生徒を成長させる。そういう姿をつないでいくのが、教師の役割である。


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