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TOSSランドNo: 1216100 更新:2013年01月01日

授業者の主張が見える学習指導案づくり


1.パタ-ン化された学習指導案

 体育科の実践記録が多く送られてくる。
 その中に体育科の学習指導案が入っている。見るとどの指導案も同じ形式、同じ内容になっている。一部を次ペ-ジに紹介する。
 運動の特性が同じなのは分かる。しかし学習のねらいと道筋、本時の指導がほとんど同じ内容になっているのには驚く。
 私のところには、全国から実践記録が寄せられてくる。その学習指導案の内容がほとんど同じなのである。
 器械運動の場合、学習活動は次のパターンになっている。

ねらい1  できる技を練習して、組み合わせて楽しむことができる。

ねらい2  できそうな技、新しい技に挑戦することができる。

 この学習指導案は、鉄棒運動をマット運動、跳び箱運動に入れ替えても器械運動であればどの単元でも通用する内容である。
 授業者の主張が見えないのである。授業者の学級の子供の顔が浮かんでこないのである。
 学習活動が間違っているというのではない。児童の実態に合わせて、なぜ、学級独自の学習指導案が作られないかである。
 「できそうな技、新しい技に挑戦」している子供に、どのような手立てで指導していくのかが書かれていないのである。
 5年生の鉄棒運動でなにを指導し、どんな子供にしたいのかが明確に書かれていないのである。
 パタ-ン化された学習指導案の形式と内容で書かれている。
 授業者の血のにじむような教材研究の跡が見える学習指導案であって欲しい。
 授業者の指導の創意・工夫が表現されている学習指導案の形式、内容であって欲しい。
 この学習指導案の形式と内容は、鉄棒運動であれば、4年生でも5年生でも6年生でもほとんんど変わらない。
 それでよい授業ができれば問題はない。しかし、現実には出来ていないという声をあちこちから聞く。
 学習指導案に自己の主張がないからである。
 授業の明確なイメージがなく、借り物の形式と内容で書かれているからである。
 自己の主張があれば子供は変わり、授業は良くなる。

2.授業者の主張が見える学習指導案

 どんな学習指導案がよいのであろうか。私は次のように考えている。

 1.授業者の主張(授業観・教材観・指導観)が明示されている。
 2.追試のできる形式、内容(発問・指示)が明示されている。
 3.指導の内容と方法(テクニカルポイント・場作り)が明示されている。

 例1に示した指導案に欠けているのは、どんな観点で授業を行うのかという主張がないことである。
 学習指導案は単に学習の手順が示されていれば良いのではない。
 授業者の授業観、教材観、指導観がにじみ出てくる形式、内容にしていくべきである。
 運動の特性を示すのもいい。しかし、それだけでよい授業はできない。
 授業者の主張を示すべきである。そのために、私は次の学習指導案を作成した。

1.単元名
2.目標
3.単元について
4.指導の構想
  ① どのように指導するか
  ② どんな指導法で
   ① 場作り
   ② 発問・指示
   ③ テクニカルポイント
5.指導計画
6.本時の指導
  ① 目標
  ② 展開

 授業観、教材観、指導観を「単元について」と「指導の構想」の中で示した。どのように考え授業するのかが明確に示されている。
 詳しくは、根本正雄著『法則化楽しい体育の指導技術』小学1~6年、明治図書、1990年を参照していただきたい。
 次に私が優れていると考えている学習指導案は、追試ができることである。
 授業を見て、同じような指導をしたいと思った時に、追試ができる学習指導案になっていれば役に立つ。
 追試ができるためには、どのような発問・指示で学習活動を促すのかが示されていないとできない。
 学習指導案を読んだ時に、そのまま出来れるように表現されていれば、誰でも指導することができる。
 次ページに私の学習指導案が示してあるので参考にしていただきたい。
 次に必要なのは、指導の内容と方法が明示されていることである。
 例1に示した学習指導案の指導の内容と方法は、一般的なのである。
 この単元で鉄棒運動の何を学習させるのかが、どこにも示されていない。
 「できる技を練習し、組み合わせて楽しむことができる」とあるが、5年生としてどんな技ができていれば良いのか。
 あるいは、新しい技としてはどんな技が出来るようになれば良いのかが、学級の実態と合わせて示して欲しいのである。
 学年の発達に合わせて、どの子供にも経験し、身につけさせたい技があるはずである。
 今、できる技だけでしか楽しめない子供にどんな新しい技を挑戦させていくのか。
 それが学習内容として出てこないから、学習指導案が一般的で具体的にならないのである。
 教師の願いや教材の方向が見えていればこの学年のこの学級には、新しい技として全員に回転系の技を体験させ、出来るようにさせたいなどの考えが出てくるはずである。
 具体的には、「後方支持回転を中心とした組み合わせ技」が出来るようにするという内容が出てくる。
 内容がはっきりすれば方法も具体的に記述出来る。
 ねらい2の「自分のめあてにそって練習する」の指導上の留意点には、「それぞれの練習の場で取り組ませる」とある。
 「それぞれの練習の場」とあるが、どんな場を設定しておくのかが示してない。
 また、どんなめあてが出そうなのかも書かれていないので、追試をしたいと思っても見通しが立てにくい。
 練習の場が示してなければ、追試はできない。どんなめあての子供に、どんな練習の場を用意するのかが教材研究である。
 授業者の腕の見せ所なのである。一般的な表現ではなく、子供の実態に応じた場を示すことが大事なのである。
 次に、「補助の仕方、用具の取り扱いがはじめての児童がいたら説明し、やり方を理解させる」とある。
 しかし、どんな補助の仕方、用具の扱い方があるのか示されていない。
 参観者が見たいのは、具体的な補助の仕方、用具の扱い方である。それが学習指導案に書かれていれば、授業を見る時にも役に立つ。
 人の真似でもいい。追試でもいい。具体的な方法を示すことが、主張のある学習指導案につながるのである。
 さらに「挑戦意欲を高めるための指示、助言を多く与える」とある。
 どんな指示、助言をするのかが書かれていれば、すぐに追試ができる。授業の中でその指示、助言が有効であったかが検証出来、授業がよかったかの一つの評価ができる。
 私の指導案の中には、次の発問・指導が示されている。

発問1:

跳び越す時、目はどこを見たらよいですか。

 具体的な指導は次のように行うようになっている。

 ○ 子供からは、次の考えが出される。
  A 着手した場所
  B マットの先(3~4m)
  C 正面
 ○ 自分の体験や友達の跳ぶ姿を見て、A、B、Cのどこがよいのか選択できる。
 ○ 理由が発表できる

 授業の流れが発問という形で示され、しかも指導の手立ても具体的になっている。
 一般的な表現ではなく、授業の場面に応じて具体的に書かれているので、誰でも追試ができるのである。
 授業者の主張が明確に示されている学習指導案にしていくべきである。
 主張が明確になって、授業も良くなる。何をどのように書いたらよいのかを、常に検討していくべきである。


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