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TOSSランドNo: 1214223 更新:2013年01月01日

全力で走った障害走リレー


1999.3.5

 1999年2月27日(土)、第5回熊本体育フェステバルが熊本県菊池郡旭志小学校で開かれた。今回は徳島大学の山本貞美氏も講師として参加された。
 第1時は旭志小学校の稲田尚誠氏が5年生で障害走の授業をされた。インフルインザの風邪のために前日まで欠席者が多く、そのため事前の指導が十分に出来なかったという。 授業の流れは、最初に低く跳ぶための練習をいろいろな場を工夫して行った。ハ-ドルの両側に人が立ってゴムを持ち、ハ-ドルとゴムの間を跳んでいた。
 この練習はよく見かけるが、頭だけを下げてしまうために低い跳び方にはならない。逆に恐怖心が出てスピ-ドが落ちてしまう。
 別のグル-プは両端に画用紙を張り、その間に足を振り上げて抜き足を横に向けて跳び越す練習をしていた。まっすぐ振り上げる練習にはよいが、抜き足を横にする練習は難しかった。
 子供が何のために練習しているのかの目的意識が薄く、主体的な活動にはなっていなかった。子供の必要感に基づいた練習ではなかったためである。
 次に4秒間障害走を行った。天気がよければ8秒間障害走であったが、雨が降っていたので体育館で行ったために4秒間になったのである。
 ここで面白かったのは教具の工夫である。普通8秒間走はスタ-ト位置を変えてゴ-ルを揃える。稲田氏はこれを逆にして、スタ-ト位置を揃えてゴ-ルの位置を変えた。そのために、ゴ-ル位置に自動車の足下に置くゴムマットを使用した。
 ゴ-ルでゴムマットを踏めば誰にでも分かる。特に走った子供本人が自己評価できる。移動もしやすいので走る子供にあわせて位置を変えることが出来る。
 目標が明確になったので子供の活動は良くなった。4秒間でマットを踏めば合格である。ただハ-ドルの高さが低いために遠くから踏み切ることは出来ていなかった。
 最後に障害走リレ-が行われた。この活動が一番子供の意欲を引き出した。それは競争に勝ちたいという子供の欲求と教材が一致したからである。
 子供は寒い中、障害走に熱中していた。特に子供が熱中したのは、障害走リレ-である。障害走リレ-は私も実践したことがある。私の実践したのは行くときはハ-ドルを跳び越し、帰りは直線を走ってくるものである。

122-1

 このような障害走リレ-では、純粋な障害走だけのリレ-にならない。なぜなら、帰りのコ-スは直線走になるからである。障害走の速い遅いで勝敗がきまるのではなく、直線走での差で勝敗が決まることがある。
 障害走だけのリレ-は出来ないものかと長年考えていた。稲田氏は見事にその課題を解決してくれた。教具の開発に成功したからである。

122-2

 稲田氏はゴール地点に自動車の足マットに使用するゴムのマットを置いた。ゴムのマットなので体育館で使用しても滑らない。ちょうど子供の足で踏むのに適した大きさである。 ゴールの地点に図のようにゴムのマットを置く。第1・3走者がゴムのマットを踏んだら第2・4走者がスタートする。これだと障害走だけのリレーが可能になる。
 障害走リレーのもう一つの課題はバトンパスである。バトンの受け渡しをしないで障害走リレーが出来ないかと考えてきた。ゴムマットのタッチをバトンパスの変わりにすることによって、この課題も解決出来た。
 授業では子供達はマットをいつ踏むのかに集中し、全員が熱中して走っていた。いつゴールし、いつスタートするのかを全員が注目している。緊張と集中が体育館いっぱいに広がっていた。
 教具の工夫によって新しい教材が開発されたのである。稲田氏の授業によって学ぶことが出来た。
 授業後の協議会で山本貞美氏の指導があった。

 1.障害走の目的は50メ-トルのフラット走に近づけることである。

 2.そのためには振り上げ足をまっすぐに上げることである。

 3.振り上げ足をまっすぐに上げるためには、遠くから踏み切らなければならない。
  「遠くから踏み切りなさい」と言わないで「振り上げ足をまっすぐに上げなさい。」
   と言えばよい。

 4.抜き足の指導はしなくてもよい。抜き足の指導をすると子供も教師も挫折感だけが残る。
   指導の成果がないからである。

昨年、私もこの研究会で障害走の授業を展開した。その時には、踏み切り位置と着地位置にお手玉を置いて計測し、遠くから踏み切り近くに着地する指導を行った。
 振り上げ足をまっすぐにする指導ではなかったが、遠くから踏み切ることによって結果としてまっすぐに上がるようにした。
 実際の授業を通して、指導法を検討することは勉強になる。山本氏の指導によって、障害走の目標がはっきりと認識できた。
 今まで私は障害走の運動特性は連続リズム走と考えてきたが、なぜ連続リズム走が大切かと言えば、フラット走のタイムに近づけるためである。
 そのための方法は振り上げ足をまっすぐに上げることである。ただ、「まっすぐに振り上げなさい」といっても子供は出来ない。そのためにどんな指導の手立てが効果的なのかを今後、検討していく必要がある。
 障害走の授業の狙いがきっきりしただけでも今回の研究会は価値がある。実践者だけでなく研究者との連携によって研究は深まっていく。
 今後も継続してこのような研究会を続けていってほしい。170名を越える参加者があったのは、そういう期待があったからである。


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