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TOSSランドNo: 2210334 更新:2013年01月01日

「国歌」を授業する


 本実践は、長崎の伴一孝先生が提案した「世界の国歌を知ろう」の修正追試である。
 伴先生は総合学習の一環として取り上げた。国際理解教育の視点に立っての提案である。
 一読し、ぜひ追試したいと思った。
 ほとんど、伴先生の提案通りに授業を行った。
 修正した点は、以下の3点である。

1,
元実践では、国歌をプリントで配付されたが、より生徒の視線を集中させたいと考え、パワーポイントでこれを提示した。音楽についても、ファイルに貼り付けた。

2,
元実践では、国歌を提示するたびに生徒を起立させ、音読させたが、これをやるとかなり慌ただしく、落ち着きがなくなるので、起立して音読させるのは、フランス・中国・アメリカの3つの国歌だけにした。

3,
元実践では、「気づいたこと・考えたこと・思ったこと」を、5箇所にわたって書かせている。しかし、これもリズムが悪くなると考え、中国とイタリアの国歌の後はカットし、簡単に流した。

 ほとんど枝葉にあたる部分であり、授業の骨格は崩さずに、伴先生の提案通りに追試した。
 外のクラスや、私の両親にも授業したが、大変好評であった。

 ゆけ、祖国の国民
 ときこそ いたれり。

 正義のわれらに
 旗は ひるがえる、
 旗は ひるがえる。

 聞かずや、野に、山に、
 敵の叫ぶを。

 悪魔のごとく、
 敵は 血に飢えたり。

 立て、国民
 いざ、ほことれ。
 進め、進め、
 あだなす敵を
 ほふらん。

 1度範読した。その後、1度1行ずつ追い読み。その際、簡単に意味を説明した。
 その後、全員起立させ、1回読んだら座らせた。

発問1:

この詩を読んで、気づいたこと・考えたこと・思ったことを、三つ以上、ノートに書いてご覧なさい。

 子供たちからは、「戦争をしている感じ」「昔っぽい」「これから争いが起こる感じ」
「国民に向かって誰かが命令している感じ」「強そうな感じがする」「なんか、恐い」
「残酷な感じがする」・・・等が出た。
 最も多かったのは、「戦争が起りそう・戦いをしている感じ」というものであった。

説明1:

この詩は、「フランスの国歌」の歌詞を、日本語に訳したものです。

その後、パワーポイントに貼り付けた「フランス国歌のmidi」をダブルクリックし、音楽を聞かせた。

続いて次の歌詞を見せる。

前進 雄々しき民族
共産党に導かれ 続け

心合わせ
明日を目ざし
祖国のために
よく戦わん

前進 前進 前進
毛沢東の
旗をかかげよ

前進 旗をかかげよ
前進 前進 前進 進

 1度範読した。その後、1度1行ずつ追い読み。その際、簡単に意味を説明した。
 その後、全員起立させ、1回読んだら座らせた。

発問2:

これも国歌を日本語に訳したものです。どこの国の国歌だと思いますか。

中国が圧倒的に多く、その他、ロシア、アメリカ、イギリス・・・そして日本等も出た。

説明2:

この詩は、「中華人民共和国の国歌」の歌詞を、日本語に訳したものです。

その後、パワーポイントに貼り付けた「中国国歌のmidi」をダブルクリックし、音楽を聞かせた

続いて次の歌詞を見せる。

赤き血 町に野に流されぬ
祖国の革命のため
尊き血は 流されぬ
この血は 英雄を生み出し
四月の十七日 革命を遂げぬ

万歳 四月の革命
アンコールの時代は終わりぬ
われらは新しき国を建てぬ
デモクラシー 平等 正義
守り行かん
恵まれしこの国 育て行かん
われらが家族の国を

万歳 民主カンボジア
豊かなる国を育てん
立てよ 赤き革命の旗
素晴らしきわが国
栄えよ 永久に永久に

 1度1行ずつ追い読みをした。
 ここでの音読はそれだけにした。くどくなると考えたからである。

発問3:

これも国歌を日本語に訳したものです。どこの国の国歌だと思いますか。

ほぼ全員の生徒が「カンボジア」と答えた。

説明3:

この詩は、「民主カンボジアの国歌」の歌詞を、日本語に訳したものです。

midiが見つからなかったため、ここでは音楽を聞かせなかった。

外国の国歌を3つ紹介した。

発問4:

3つの国歌の歌詞を読んで、どんな感じがしましたか。短くプリントに書きなさい。

 生徒は、次のように答えた。全員分を紹介する。

1 自分の国のために戦うという歌詞になっている。
2 戦争のような感じがした。
3  戦争に関係しているような感じがしていました。
4  全部の歌詞に「戦争」という感じを受けた。「血」という言葉が多く使われていた。
5  3つの国歌に血という言葉が入っていた。
6  争いが起きても、国のために戦えという感じの歌詞が入っていた。
7  戦いの歌みたいで国歌っぽくないと思いました。
8  3つとも血とかなどの言葉が出ていた。
9  3つの国歌とも、血という言葉があった。
10  3つとも、戦おうとしていることが書いてある。
11  3つとも戦争のような感じ。
12  すぐに戦争になりそうな感じ。
13  全部戦争に関係していると思った。
14  国歌はなぜ同じ言葉を何回も繰り返すのかなと思った。3つとも気が強い国歌だと思った。
15  みんな国歌の歌詞が強そうな強そうな感じだった。
16  戦争とか、戦いの歌。
17  3つとも、戦争に関係している。
18  3つの国歌は、それぞれ戦争に関係している。
19  3つとも「戦い」という感じがした。
20  戦争に関係していると思った。
21  国によって、目標があると思った。
22  3つとも戦争中に作られた歌だと思った。自分たちが全て正しいと言っているように思えた。
23  なんか聞いたことのある国歌がありました。戦う感じの国歌だった。
24  戦いの勢いが入っているような感じがした。
25  自国の戦争への意気込みを言っているのだと思った。
26  恐ろしそうな国歌。
27  戦争のことばかりで残酷です。
28  祖国のためなら死ねるという覚悟が表れているような感じがしました。
29  全部の歌詞に「血」とかが、書いてあった。

子供たちは、血なまぐささを感じたようである。

説明4:

「血を流す」「戦う」という言葉が入っています。これらの国家は革命によって作られた国なのです。

説明5:

 フランスも中国もカンボジアも、革命によって作られた国です。
 革命とは、武力を持って政権を取ることです。
 だから、「血を流す」「戦う」という言葉が入っているのでしょう。

続いて次の歌詞を見せる。

 友よ、立てよ、
 イタリア めざめぬ。
 シピオの 兜を
 頭に いただき、
 勝利は いずこぞ。
 勝利は 神に
 つねに ローマの
 手のなかに。

 つるぎを とれ、
 命 ささげん。
 命 ささげん、
 国のために。

 おう!

 1度1行ずつ追い読みをした。
 ここでも音読はそれだけにした。

発問5:

これも国歌を日本語に訳したものです。どこの国の国歌だと思いますか。

もちろん全員の生徒が「イタリア」と答えた。2行目に出てくる。

説明6:

この詩は、「イタリア」の歌詞を、日本語に訳したものです。 
イタリアの国歌の中にも「つるぎをとれ」「命 ささげん(命を捧げようという意味)」と出てきます。
イタリアは革命によってできた国ではありません。しかし、このような国歌を国民は支持し、歌っているのです。

midiが見つからなかったため、ここでも音楽を聞かせなかった。

続いて次の歌詞を見せる。

 聳ゆる白頭山
 する減るとも
 神守る国よ
 永遠に永遠に
  花咲き競う
  美しき
  わが国守らなん
  育てゆかん

 南山訪ねん
 岡の松は
 霜にもめげずに
 生い茂れり
  花咲き競う
  美しき
  わが国守らなん
  育てゆかん

 1度1行ずつ追い読みをした。
 ここでも音読はそれだけにした。

発問6:

これも国歌を日本語に訳したものです。どこの国の国歌だと思いますか。

北朝鮮や韓国、ロシアなどが出ました。

説明7:

これは、お隣の国、大韓民国の国歌を日本語に訳したものです。
大韓民国も革命によって作られた国ではありません。しかし、「国を守る」と繰り返し言っています。
「国を愛する」という点では、世界中どの国も同じなのです。

midiは貼り付けておいたが、穏やかな国歌であり、「君が代」のインパクトが弱めると考え、音楽は聴かせなかった。

続いて次の歌詞を見せる。

 われらが旗 星条旗よ
 夜明けの空 夕べのもやに
 常に見ずや きらめく旗

 弾丸降る、 いくさの庭に、
 頭上高く ひるがえる、
 堂々たる 星条旗よ。

 おお、われらが旗あるところ
 自由と勇気 ともにあり

 1度1行ずつ追い読みをした。
 その後全員起立させ、1度読んだら座らせた。

発問7:

これも国歌を日本語に訳したものです。どこの国の国歌だと思いますか。

 アメリカの国歌であることは、ほとんどの生徒がわかった。
 さすが中学2年生くらいになると、知識も豊富になる。
 星条旗がアメリカ合衆国の国旗を表すことを知っていたようである。

説明8:

これは、「アメリカ合衆国」の国歌を日本語に訳したものです。
「星条旗」とはアメリカ合衆国の国旗です。
「自由を代表する国」アメリカですら、「いくさ」の中で国を守っていくという詩を、国歌としてます。

このあと、貼り付けておいたmidiを聞かせた。ほとんどの生徒が聞いたことがあったようである。

続いて次の歌詞を見せる。

 君が代は 
 千代に八千代に
 さざれ石の
 巌となりて
 苔の むすまで

 もちろん、出した瞬間に子供達は「君が代」であることがわかった。
 そのあと、次のように意味を説明した。

説明9:

「君が代」の歌詞の意味は、

  天皇の世が、千年も万年も永遠に、小さな石が大きな岩となって苔が生えるまで続きますように

という意味で、日本のこの世が、ずっと続くように祈る和歌なのです。

 このあと、貼り付けておいたmidiを聞かせた。私が歌って聞かせた。
 生徒は、笑いながら聞いていた。(小学生だとここで一緒に歌う)

発問8:

改めて、他の国歌と比べてみてどうか、気づいたこと・考えたこと・思ったことを書きなさい。

生徒から出た感想は、次の通りである。

1 他の国歌よりも短くて、音楽も他の国とはちょっと違う。
2 歌詞が短い。ゆっくりで日本の音楽みたい。
3  短い。戦争の文字も、気配もない。
4  音楽がゆっくり出短いと思った。戦いというより、日本の平和がいつも続くように願っている感じ。
5  テンポが遅い曲だと思った。
6  「戦い」という感じがしないと思った。他の国にはなかった天皇が出てきている。
7  短いと思った。戦争というより、日本を大切にしているように思った。他の国より優しい感じがした。
8  意味がわかりやすい。
9  日本の国歌は他の国に比べて短いと思った。「君が代」は短歌に近いような気がした。
10  なんか日本って感じで、曲もなめらか。
11  ほかの国歌は前に進む感じがするけど、日本の国歌は他のところと比べて、前に進む感じがしないと思いました。
12  日本の国歌は他国と比べるとゆったりとしたリズムで、日本の文化を物語っていると思います。
13  少し短くて、他の国歌と内容が全然違って、戦争のことが書いてない。
14  天皇バンザイみたいな感じ。
15  文が少なくてすごくゆっくりだと思った。
16  短いと思った。ゆっくりした曲。戦いという感じはしなかった。
17  短くて個性的。
18  短くて、ゆっくりしたテンポの曲だと思った。「平和」という感じがした。
19  ゆっくりとした音楽だと思った。
20  他に比べると短くて「戦え」ではなく「長く続いてほしい」と言っているような感じがした。
21  短い。他の国歌と比べ、血とか残酷な詩がない。ゆっくりとしている。
22  歌詞が短い。
23  他国の国歌よりも、ゆっくりしていて、短い歌だと思う。
24  戦うと言うことが書いていない。
25  全ての国歌と違って国も小さいのに、日本の国歌は細かいしゆるやかな国歌。
26  短く、あまり戦うとか言わなかった。

 多くの生徒が短いという印象をもったようである。
 そして、戦いや血に全く関係してないことに触れていた生徒も何人かいた。

説明10:

短く簡単で、しかも平和的であり、短歌という日本の文化の形式の中で表現された、国歌が「君が代」です。
他の国々とは、やや趣が異なりますが、しかし、けっして他の国の国歌に勝るとも劣らない誇りの持てる国歌です。

「君が代」を、天皇を褒め称える歌だということで、嫌いな人も世の中にはいます。
しかし、世界的に見ると、それは決しておかしな歌詞でも、特別な歌詞でもありません。

そう言って、次の詩を紹介した。

 神の救い 我らが女王にあれ
 幸と勝利 栄光あれ
 栄えたまえ 我が女王

 神よ立ちて 敵を倒したまえや
 敵の手だて 悪をくじき
 救いたまえ われらみな

 神の恵み われらが女王にあれ
 民と共に おきて守り
 共に歌わん 幸の歌

 1度1行ずつ追い読みをした。
 その後全員起立させ、1度読んだら座らせた。

発問9:

これも国歌を日本語に訳したものです。どこの国の国歌だと思いますか。

 これもほとんどの生徒がわかった。
 「女王」という言葉からわかったようだ。

説明11:

これは、イギリスの国歌です。

イギリスの人達も、女王を讃える歌を国歌としています。デンマークもそうです。
伝統的な「王家・皇室」をもつ国だけが、こういう国歌を制定できるのです。

日本の国歌は世界に誇れるものです。

 最後に、次のように言って授業を終わりにした。

説明12:

国歌とは、「その国を代表し、公共の儀式の時に歌う歌」です。
どの国の人にとっても大切なもの。
自国の国歌も、他国の国歌も、両方大切にできる人こそが「国際人」と言えるのです。

(授業後の感想 二人分)

A:
国歌もそれぞれの国によって、いろいろ違ったり、特徴があるのでおもしろかったです。
日本の国歌には戦争という文字も気配もなかったので、誇らしい気持ちになりました。

B:
日本は平和を願う国歌だけど、他にも、戦争などに関係ある国歌があることを初めて知りました。
私は日本の国歌のように、ずっと平和であってほしいと思いました。


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