誰でもできる楽しい理科授業 東京書籍版 2001
作成者 福島アンバランス 大堀 真
【 準備物 】
1 東京書籍の指導書から、「てこを使った道具」というワークシートを印刷しておく(人数分)
※時間がないときは教科書に書き込ませても可
2 はさみ(各人)ペンチ・ピンセット・せんぬき・バール(グループに1~2)
3 あらかじめクギを打っておいた板。
発問1:
(黒板にてこの図を書き、支点を指さして)ここをなんと言いますか。(支点です)
(作用点を指さして)ここをなんと言いますか。(作用点です)
作用点とは「仕事をするところ」です。
では残ったここは何と言いますか。(力点です)
ものを楽にもちあげるためには、
支点から作用点までの距離を長くすればいいのですか、短くすればいいのですか(短くする)
では、ものを楽に持ち上げるためには支点から力点までの距離をどうすればいいのですか。(長くするといい)
指示1:
きょうは、実際の生活の中で使われている「てこをつかった道具」に、
このきまりがあてはまるか確かめてみましょう。
バールを用意させる(バールが基本形だからである)
指示2:
バール(くぎぬき)はどのように使うのですか。
クギを打った板がありますから、実際に抜いてみなさい。
※ うまく使えているか机間巡視する
発問2:
バールを使うときの支点はどこですか。
ワークシートにバールの図がありますから、支点に赤鉛筆で○をつけなさい。
バールの仕事は何をすることですか。(くぎを抜くことです)
バールの作用点はどこですか。矢印を書き入れなさい。
バールの支点と作用点を確認する(力点についてはかんたんに確かめるのみ)
バールは「力点は支点よりもなるべく遠くに、
作用点は支点からなるべく近くにすると力が少なくて済む」という
既習事項に適合していることを確認する。
発問3:
次は少し難しい。ペンチで、自分の指をそうっと挟んでみなさい。
(痛ェー!)※決して無理させてはいけない
ペンチの図を指さしなさい。ペンチの支点に赤鉛筆で○を、作用点には矢印を書きなさい。
ペンチの支点と作用点を確認する。
(力点については力点をおかずに、、、かんたんに確かめるのみ)
バールは「力点は支点よりもなるべく遠くに、
作用点は支点からなるべく近くにすると力が少なくて済む」
という既習事項に適合していることを確認する
発問4:
もう少し難しくする。
はさみの図を指さしなさい。はさみの支点はどこですか、赤鉛筆で○をつけなさい。
※中央の止めピンが支点であることを確認する。
はさみの力点はどこですか、指さしてごらんなさい。
※持つところが力点であることを確かめる。
それでは、はさみの作用点はどこですか。
図に矢印を書き込みなさい。
はさみの刃の先端に丸をつける子と、真ん中につける子と、刃の根元に矢印をつける子と分裂する。
指示3:
紙を渡します。一枚の紙を、はさみの刃の先、真ん中、根元の三カ所で切ってみなさい。
では今の紙を半分に折って、もう一度半分に折って、もう一度半分に折りなさい。
この八枚重ねの紙を、はさみの刃の先、真ん中、根元の三カ所で切ってみなさい。
発問5:
どこで切ったときが一番楽に切れましたか。(根元)
説明1:
先にやった、バールとペンチは支点と作用点が決まっていました。
ところが、はさみは使い方によって作用点が動くのです。
昔から「○○とはさみは使いよう」と言いますね。
はさみは使い方しだいで楽に切れたり、たいへんだったりするのは作用点が動くからですね。
指示4:
栓抜きで、ジュースの栓を抜いてみなさい。(もちろん空びんにもう一度王冠をして抜かせれば良い)
では、せんぬきの図を指で押さえなさい。
栓抜きの支点はどこですか。
班で話し合ってみなさい。
話し合いがついたら、栓抜きの支点を赤鉛筆で丸をつけなさい。。
これも分裂する。支点がてこのはじっこにあるタイプのてこもあるのだと言うことを教え、
このタイプのてこでも
「力点は支点よりもなるべく遠くに、作用点は支点からなるべく近くにすると力が少なくて済む」
という既習事項に適合していることを確認する。
指示5:
ピンセットの図を指で押さえなさい。
ピンセットの支点はどこですか。赤鉛筆で丸をつけなさい。
ピンセットの作用点はどこですか。矢印を書きなさい。
図で、作用点、支点を確認する。
実際に実際にピンセットをもたせてみて、力点の位置を確認する。
指示6:
ピンセットで自分の指を挟んでみなさい。(痛くない)
発問6:
ピンセットは「力点は支点よりもなるべく遠くに、
作用点は支点からなるべく近くにすると力が少なくて済む」という、
決まりに合っていますか
合っていません。
説明2:
ピンセットは何をする道具ですか。(小さいものをつかむ道具です)
そうです。ピンセットは、小さいもの壊れやすいものをつかむ道具です。
顕微鏡を見るとき使った、スライドグラスをペンチでつかんだらどうなるでしょう。
(割れる)
そうだね。ペンチは小さい力で、強くつかむための道具だ。
でも、ピンセットは逆に「弱い力でつかむ」ためのどうぐだね。
てこは、使い方によって大きな力を弱くするという逆のはたらきもできるのだね。
おもしろいね。
※ このあと時間は少し余る。
ほかの「てこを使った道具」を調べることへ発展させても良い。
私は時間の都合上、余った時間でテストをしてしまった。
現行の教科書では、てこの原理を体感したあと、道具について学習する。
よって、それぞれの道具の「支点・力点・作用点」について学習することと
「ピンセット型のてこ」「ペンチ型のてこ」「かんつぶし型のてこ」といったネーミングも大事かと思う。
それと同時に、ピラミッド作りの時代から、
人類はてこを道具として使って来たのだという話なども、いいなあと考えている。
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