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TOSSランドNo: 8930817 更新:2013年01月01日

「魔法のFD」で不登校の生徒が参加した


 「名刺」を作成する実習は3時間かけて行った。
 3時間目、作品を完成させ提出する日の授業に、最近授業を受けていないA君が突然やってきた。
 A君は中学校入学当初からいろいろと手のかかる生徒であった。特に3年生になってからは、髪を染めたり服装違反や喫煙で注意されることが多くなった。最近では昼頃に学校に来ることも多くなり、ここ数時間、技術の授業は受けていなかった。

 他の生徒は、自分のデータを開いて、続きの作業を行っている。
 提出の方法を指示(前項参照)した後、その生徒に近づいていく。
 パソコンの電源は入れているが、何をしたらいいのか分からず、ボーとしている。(当然だが)
 ポケットからフロッピーを取り出しながら、その生徒に声をかける。

指示1:

A君、これは「魔法のフロッピー」だよ。

といってパソコンのドライブにフロッピーを入れ、保存してあるファイルを開いた。
 それには、名刺のレイアウトが保存してある。住所も「兵庫県龍野市…」までは入力してある。
 自分の名前と住所の残りを入力し、背景の色を決めれば、ほぼ完成。他の生徒に追いついたことになる。

 以前は、欠席して授業に参加してなかった生徒にも、みんながやってきたことを同じようにさせてきた。つまり、最初から(白紙の状態から)作業をさせていた。
 たまたま、その日だけ休んでいた、いわゆる「できる生徒」なら、それでも、作業についてこれるかもしれない。
 しかし、ずっと学校に来ていなかった生徒や、学習が遅れ気味の生徒、特にA君のような生徒には、この方法では次のような問題点がある。

(1)その生徒にかかわっている間、他の生徒がほったらかしになっている。
(2)説明だけを延々とすることになる。説明すればするほど、生徒は分かるようにならない。
(3)時間が無くなり、最後は教師がほとんど手を出してしまう。
(4)出来なかった生徒が出来るようにはならない。そのため生徒に成就感がない。

不登校指導の研修会で「中抜き指導」というものを教えていただいた。(中抜き指導法…不登校の生徒が再登校したときに、過去の復習はとりあえずおいておいて、現在やっている単元の学習についていけるように、学校がフォローしておくこと。)
 向山型算数の指導にも「赤鉛筆指導」「九九表を渡しておく」という指導法がある。
 A君には、ローマ字変換の一覧表を一緒に渡しておいた。
 ゆっくりだが、黙々とキーボードに向かっている。
 名前を打ち込んだ頃にまた近づいていき、今度は背景色の設定方法を教える。

 机間巡視しながら、「色がきれいだね」「センスがいいね」などと個別に評価していく。
 そのとき、A君が少しでも進んでいたら、チャンスである。(周りの生徒に聞こえるように)ほめるのである。
 「おっなかなかセンスいいね」
 印刷したものを他の生徒と一緒に並べて貼った。他の生徒もA君の作品を見ている。A君は満足そうな顔でパソコン室を後にした。

この実践のポイントはこの2点である。

エラーレスの学習を心がける
(1)とりあえず授業に参加させる
(2)よいところを見つけ評価してやる


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