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TOSSランドNo: 9686758 更新:2012年11月29日

『父のようにはなりたくない』(阿部夏丸)でピナクルを検討する


単元の構成(全9時間)単元の指導計画

第1時 音読
第2時 音読・設定の確認
第3時 音読・事件分け・要約①
第4時 要約②・クライマックス①~「ピナクル」指導
第5時 クライマックス②~「ピナクル」検討
第6時 主題の検討+プロット審査
第7時~第9時 評論文執筆(3時間)
本時は、第4時後半から第5時である。

本時の前に、事件を以下のように分け、要約してある。
事件1 始め(三河湖は,実に…)~51頁上段16行目
事件2 51頁上段17行目(それから,二人は…)~53頁上段13行目
事件3 53頁上段14行目(思いついたように…)~55頁上段12行目
事件4 55頁上段13行目(三河湖からの帰り道。…)~終わり

事件1 ルアーで釣ることにこだわるサトシ。
事件2 吾郎の意外な話を聞いて驚くサトシ。
事件3 やり方を変えてニジマスを釣るサトシ。
事件4 「父のようにはなりたくない」と言ったことを否定するサトシ。
授業の展開
(【 】は本文からの引用を示す。)
サトシの心情変化に着目させるため、まずは、クライマックスを扱う。

発問1:

クライマックスはどこですか。事件1~4で答えます。

迷う生徒もいる。しかし「後で変えても良い」というルールを告げ、必ず自分の答えを決めさせる。挙手で確認したところ、事件3が多数。事件2と4が数名。

心情変化を具体的に検討するため、特にどの文とどの文の間で変わったかを探させる。
この、心情が大きく変わる文と文の間のことを「ピナクル」と言う。前年度に指導済みである。

発問2:

ピナクルはどこですか。教科書に印を付けます。

ノートに丸を付け,黒板に書かせた。9通り出た。
A 【思いついたように、吾郎が言った。】(の前。以下同様。)
B 【「じゃあ、やり方を変えよう。」】
C 【(やり方はいろいろある…。)サトシはおもしろそうだなと思いながら、吾郎の背中を見つめた。】
D 【「主流であるかないか?」】
E 【ヒュン、風を切る音がしてルアーが放たれた。】
F 【が,次の瞬間だった。】(多数)
G 【「来たっ!」リールがギリギリと音をたて、水面に突き刺さる糸が白く光った。】
H 【三河湖からの帰り道。】
I 【(自分だけのやり方…。)】

指示1:

今出ている意見を、全てノートに写します。

後に評論文を書く際、記録が残っていないのでは長く書くことは望めない。よって、逐一的だがこの段階で明確に指示しておく。時々、面倒くさがって書きたがらない生徒もいるが、「評論文を書くときに大変なことになりますよ。」と言って書かせた。

指示2:

自分の答えをどれか一つを選んで,理由も書きます。

いったん授業を終え、次の時間に発表させることを告げた。

次の時間。前回の授業で書いた答えを、全員に発表させる。どれも一通りの理由になっていたので、ほめた。

Fが多数派だったので、人数が均衡するよう、次の発問をした。

発問3:

Fだと思いますか。F以外だと思いますか。

発言することを鍛えられている教室なら、ここから討論が続くのかもしれない。
しかし、私の授業では、ここで発言が止まった。
とは言え,授業を続けるために,教師が「質問」をすることにした。多数派から問う。

質問1 Fだとしたら,サトシの何が変わったのですか。

「ニジマスが釣れなかったのが、釣れたことです。」と回答が返ってきた。
「だとすると、この話で重要なのはニジマスが釣れることなのですか。」と次の質問を投げかけると、生徒からは「厳しい~。」という笑いが起こった。多数派が不利になったことで、授業が楽しい雰囲気になる。Fだという生徒に1分程度話し合わせたが、何も出なかったので「誰も答えなければ降伏としますが、いいですか。」と告げ、次へ進んだ。

質問2 EとGも同じことです。この話で重要なのはニジマスが釣れることですか。

質問3 Dの人に質問です。この文は疑問文なのに,心情が変化したと言えますか。

質問4 AとBの人に質問です。この文は吾郎のセリフ・行動ですが,サトシが変化したと言えますか。

質問5 Cの人に質問です。【「おもしろそうだ」】とありますが,これはサトシが大きく変わったと言えますか。

質問6 Iの人に質問です。この部分は最後から2行目ですが、サトシが変わったことがどの部分から分かるのですか。

結局、「質問」という形で教師が全部反論してしまった。
もちろん、最後は解釈の問題であるから、それらの反論に生徒が答えられれば、その意見は残して良いのである。しかし、誰も答えられなかったことで、A~I全ての意見が却下された形になった。

発問4:

先生は違う所を考えました。どこでしょうか。分かったら教科書に線を引きます。

挑戦した生徒には「惜しい!」「正解!」と告げていった。結局,

【「吾郎の言葉に,サトシは小さくうなずいた。」】

を教師の解として提示した。サトシが変わったきっかけとして,直前に吾郎の言葉

【「ああ、やり方なんて腐るほどある。要は、どんなやり方を選ぶかさ。」】

があるからである。

使用教科書
東京書籍「新編 新しい国語2」


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