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TOSSランドNo: 7588345 更新:2012年12月31日

技術があるから語りあえる


 樋口雅子編集長の「編集者通信」の中に、8月号に江部常務さんの原稿が3誌に掲載されるという案内がありました。楽しみにしておりました。
 掲載されたのは、次の雑誌です。

 ○ 「技術があるから語りあえる」 『教育研究』 (筑波大附属小)
 ○ 「編集者の知的生産活動とは」 『教室ツーウェイ』 No,5
 ○ 「全生研草創期の運動と生活指導復刻版の意義」(座談会) 『生活指導』 No,358

 「教育研究」は筑波大附属小から出ているものです。有田和正先生が編集長をされています。
 「風紋」という随筆欄に江部常務さんの「技術があるから語りあえる」の文章がありました。
 次の一文に心が打たれました。

「技術」の一般化、普遍化を共同の目標に据えたからこそ、実践者と編集者は、共同の仕事として取り組めるのである。

 法則化の仲間が合宿に集まり、語り合えるのは「技術」を身に付け、すぐれた実践を行うという志があるからです。
 技術を正面から取り上げたのは、法則化運動がはじめてではないでしょうか。
 長い編集者の御経験から、教育に技術が必要であると述べられていることに重みを感じます。
 合宿や講座で話題に上がるのは、「さか上がり」や「開脚とびの指導」です。共通の技術があるからこそ、語り合えるのです。

 「編集者の知的生産活動とは」は『教室ツーウェイ』の「私の知的生産技術」という特集に載りました。
 これには、樋口編集長も書かれています。大変面白く、役に立つ内容ばかりでした。
 「編集者の知的生産活動とは」を読んで感じたのは、編集者の在り方です。編集者がどのようにして編集しているのか、どんな心構えで編集しているのかが分かりました。編集者の生き様を見ました。
 次の様な文章が心ひかれました。

 ○編集者はたんに読者代表として対するのではなく、著者の胸をかりて自分の構想力を表わすぐらいの気概が必要である。
 ○企画と原稿読みは、編集者の一番根本的な知的作業である。「原稿が読めない」編集者は、「編集者」とはいえないのである。
 ○企画と原稿読みのために、編集者は寸暇を惜しんで本を読む。…略…企画やプランづくりは、どうしても自宅でということになる。本好きでなければできない仕事である。
 ○編集者の生きがいに、すぐれた著者を発見するという喜びがある。
 ○すぐれた著者を見ぬく目は、編集者の「感覚」に左右される。鋭い感覚は生まれつきのものではない。感覚を磨くための知的トレーニングを必要とする。

 そして、私が一番、感銘したのは、最後の文章です。

しかし、問題は知的トレーニングの意欲である。意欲のモトは、「志」である。「志」がすべての原動力になる。知的トレーニングの習慣化も、結局は「志」がモトになるわけである。

 この文章を読み。江部常務さんの編集者としての原点を発見しました。
 江部常務さんが、波多野完治氏、興水氏、西郷竹彦氏、そして、向山洋一氏に出会われたのは、高い「志」があったからです。
 何とかして、すぐれた教育実践を作り出したいという編集者の「志」があったからです。
 「志」の高低によって、企画も著者も発見できるのでしょう。
 江部常務さんから、原稿の一行を読んで、その原稿がいいか悪いかが分かるというお話を聞きました。
 「一行読んでわかるのですか。」
 「一行読んでわからなければ、編集者は務まりませんよ。」
 プロの編集者のすごさを感じました。
 「編集者の知的生産活動」と樋口雅子編集長の「『追試』のできる知的生産術」は、編集者の書かれたものとして、貴重な内容です。
 私たちも大いに参考にしていきたいです。

 『生活指導』(明治図書)の座談会での御発言の中、次の様なところがあります。(p.55~p.57)

ですから雑誌の話があったときに、亡くなった社長が、江部君どうするかねと、組織がないところでやっても売れないんじゃないか。ことわろうかという話だったんですね。
 いや、そうじゃないと。この問題に取り組むことによって明治図書のイメージチェンジもはかれるのではないか。
 なぜならば、青年教師は進歩的名運動に参加していない人ではだめではないか。
 そういう青年教師に明治図書の本を読んでもらうには、『生活指導』をやるべきだと主張した記憶があるんです。
 …略…
 主体的に自分自身が運動に参加するなかで出版活動をやるのがいちばん正しいのではないかと思っていたんです。ですから、ちょうどよい機会だと。

 この座談会は、全生研草創期のころの話が中心です。そして、「生活指導」という雑誌を作り出す様子が語られています。
 これを読みながら、私は法則化運動と照らし合わせながら考えておりました。そして、江部常務さんの「志」、「生き方」が30年前と現在とで同じだということを発見しました。

主体的に自分自身が運動に参加するなかで出版活動をやるのがいちばん正しいんではないかと思っていたんです。

 法則化運動との関わりを見ておりますと、まさにその通りです。
 ただ本を出版するということではなく、すぐれた教育を生み出すために主体的に参加し、出版活動をなさっているのです。
 一つの運動がどのようにして生まれてきたのかを知る貴重な資料です。

 江部常務さんに、ぜひ書いておいていただきたいのは、教育において「技術」が大切であると考えられるようになった経緯です。
 多くの教育者、学者、実践者とのふれ合いの中で、なぜ、「技術」をメインにして出版されるようになったのかが知りたいです。
 なぜ理論ではいけないのか。
 それが30年以上も編集者をされてきた体験から出てきたことでしょうから。
 その辺を書いてくださると、私たちも「技術」に対する理解が深まると思います。
 8月号はそういう意味で、編集者の在り方、一つの運動の生まれ方について学ぶことができました。
 法則化運動に生かしていきたいです。


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