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TOSSランドNo: 1211140 更新:2012年12月31日

「TOSS体育授業研究会」


1.経過

 TOSS体育授業研究会は、教育技術の法則化運動の中で生まれた。
 教育技術の法則化運動は、すぐれた教育技術を分かち伝えていこうというものである。
 その原点になったのが、跳び箱の指導法である。跳び箱の跳べない子供が、向山式A・Bの方法によって跳べるようになった。
 体育のすぐれた教育技術を跳び箱の指導法のように発掘し、多くの教師に役立てていきたいというのが、TOSS体育授業研究会設立の趣旨である。
 昭和62年2月法則化体育授業研究会(代表・根本正雄)が発足した。
 「法則化体育」は、この研究会の略称である。誰もができる体育の授業研究を行っていく。

2.TOSS体育授業研究会の主張

 TOSS体育授業研究会のねらいは、次の三点である。

 1.楽しい体育の授業を組み立てるための指導法を確立する
 2.技術を習得させるための指導法を確立する
 3.「追試」による研究法を確立する

 第一の目的は、楽しい体育の授業を組み立てるための指導法を確立することである。
 一時間の授業をどのように組み立てるのか、一単元の授業をどのように構成していくのかについて実践を通して明らかにしていく。
 一つの方向として、次の内容から授業を組み立てていけば、誰でもできる楽しい体育が可能であると考えている。

 1.場づくり
 2.発問・指示
 3.テクニカルポイント

 すぐれた授業に共通しているのは場づくりが良いということである。
 子供の興味関心をひき、一人ひとりの能力に応じて場を選択できるように工夫されている。
 自己のめあてに向かって自主的に活動できるように教材を工夫し、場の構成を行っている。
 どんな場づくりにしたら子供が動き、楽しい授業になっていくのかを研究していく。
 次に発問・指示の研究をしていく発問・指示の役割は、二つある。

 A 授業を組み立てる
 B 動きを引き出す

 一つは授業全体の組立てを行う。もう一つは、発問によって動きを引き出していく。
 三番目には、テクニカルポイントを示すことである。
 運動ができるためには、その運動に一番大切なポイントがある。開脚跳びであれば、「腕を支点とした体重移動」である。
 運動のポイントを明らかにし、できるための具体的な方法を開発していく。
 第二の目的は、技術を習得させるための指導法を確立することである。
 これまでの研究は、対象が広く、方法がはっきりしなかった。そのために、どの方法でどれだけやるとどのくらいできるかが示せなかった。
 TOSS体育授業研究会は、一つ一つの教材に即して、できるようにする指導技術を開発していく。
 第三の目的は、「追試」による研究法の確立である。
 教育技術の法則化運動の骨格は、追試である。これまで、多くのすぐれた実践がなされてきた。それにもかかわらず、指導技術として残されてこなかった。
 授業の名人と呼ばれる方は、多く存在した。その授業の通りやったら同じようになったという声をあまり聞かない。
 「名人だからできる」というのである。名人でなければ、すぐれた授業はできないのであろうか。TOSS体育授業研究会の原点は、ここにある。
 名人でなくても、指導技術を使えば誰でも一定の授業ができる。そういう授業づくりの方法を追試によって確立することがねらいである。

3.法則化体育授業研究会の活動

 TOSS体育授業研究会には、どなたでも入会できる。
 原則として、TOSS体育サークルを作り、そこで実践を持ちより研究会を行う。
 全体としては、次のような活動を行っている。

 1.機関誌「楽しい体育の授業」(明治図書)の発刊
 2.法則化体育通信の発行
 3.法則化体育合宿の開催
 4.法則化体育上達講座の開催
 5.法則化体育連続講座の開催
 6.サークル通信の発行

 「楽しい体育の授業」誌は、すぐ役立つ実践をもとに編集されている。
 サ-クルの論文、投稿論文を積極的に掲載し、読者とのツーウェイを図っている。
 合宿、上達講座、連続講座ではすぐれた指導者を招き、指導技術を学べるようにしている。
 各サークルでは活動の様子を通信にまとめ、お互いに情報交換をして学びあっている。
 以上のような活動を通して、全国のすぐれた体育の指導技術を集め、まとめたいと考えている。

4.授業の考え方

 TOSS体育授業研究会では、追試のできる授業づくりをめざしている。
 体育の授業において、「教材や教師の指導技術というものをどの地域のどの学校のどの教師でも有効に利用できる」と考え、実践をしている。
 体育授業の法則化である。体育授業の法則化の条件として、次の四点を考えている。

 1.授業を成立させる片々の指導技術
 2.出来るようにさせる指導技術
 3.授業を組み立てる指導技術
 4.子供の反応に応じる対応の指導技術

 授業を成立させる片〃の指導技術というのは、体育の授業でいうと次のようなものがある。

 1.整列の仕方
 2.集合の仕方
 3.器具・用具の出し入れの仕方
 4.師範の仕方
 5.発問・指示・説明の仕方
 6.準備運動の仕方

 体育の授業だから運動ができればいいだろう、楽しくできればいいだろうと言う人がいそれは、間違いである。決められた時間の中で、効率よく指導していかなかったら、できる喜びも伸びる楽しさも味わわせることができない。
 器具・用具の準備に20分かかったとしよう。授業の半分が使われ、主運動が十分にできなくなってしまう。
 集合に時間がかかり、しかも教師の話し方が悪かったとする。教師にすぐれた指導技術があっても、子供には伝わっていかない。
 筑波大学の高橋健夫氏は、授業のマネージメントと呼んでいる。授業を成立させる指導技術がなければ、飛び入りの授業は不可能である。
 2番目に、出来るようにさせる指導技術があることである。閉脚跳びであれば、跳べない子供を跳ばせる指導技術である。授業の法則化では、これが一番必要とされる。
 初めてのクラスにいって、跳べない子供の90%をできるようにさせるには、跳ばせる技術を持っていなければ指導できない。
 閉脚跳びで私が行っている方法は、次の二つである。

 1.うさぎ跳びをできるようにさせる。
 2.かかえ込みの体感をさせるために、補助をして跳ばせる。

 うさぎ跳びは、逆さ感覚、腕支持感覚を身につけるのに最も適した運動である。うさぎ跳びができていれば、閉脚跳びは容易にできる。
 うさぎ跳びができていて跳べない子供には、補助をしていく。補助で、跳べない子供の80%はできるようになる。
 それでも跳べない子供が残る。跳び越すことに恐怖心を持っている子である。
 跳び箱の先に安全マットを置いて、次の指示をする。

指示1:

マットに手を着いて、うさぎ跳びをしなさい。

 マットに着手するために、有効着手角度が大きくなり、跳び越せるのである。
 この方法によって、跳びこせなかった子供が次々に跳べるようになっていく。
 跳ばせる指導技術を身につけていることが、体育授業の法則化では必要なのである。
 3番目には、授業を組み立てる指導技術である。
 TOSS体育は、追試のできる授業づくりを目指している。そのために、発問・指示を明示するようにしている。

 授業の組立てが明確になっているために、どこに行っても同じ授業ができるのである。
 4番目は、子供の反応に応じる対応の指導技術である。
 これが一番難しい。なぜなら、子供がどんな反応をするか事前に考え、それに対応できる指導技術がないとできないからである。
 例えば、マットの準備で、子供たちがマットを引きずって運んでいたとする。
 そうした時に、すぐに指導の手立てを講じなければならない。私ならすぐに止めさせ、もう一度やり直しをさせる。
 できない子供がいたとする。すぐにできるようにさせる方法がなければ、対応することができない。

 TOSS体育授業研究会では、以上のような指導技術を開発し、誰でも楽しい授業ができるようにしたいと研究している。
 その成果は、兵庫・若鮎の会著「立ち会い授業で腕を上げる」(明治図書)にまとめられている。
 四つの指導技術があれば、初めてて行った学級でもできない子供をできるようにさせ、楽しい授業ができるのである。


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