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TOSSランドNo: 1216076 更新:2012年12月31日

背浮き、背泳ぎにはワンタッチヘルパー


1.背浮きからの指導の重視

 朝日新聞の天声人語(1991.5.27)に、着衣の水泳指導をしようという記事が載っていた。

 考えてみれば、いくら水泳の練習をしても、それが水の中での自分の安全を確保することに結び付かなければ、意味がない。
 水泳というと、とかく寸秒を争う競泳を考えがちだ。
 水中での身の処し方という基本を考え直すことが大切である。

 私は帰国子女学級の担任をしたことがある。外国の水泳では、服を着て泳いだという話を子供から聞いたことがある。
 天声人語に紹介されていた「暮らしの手帳」(1991.6,7月号)を読んでみた。
 本来、水泳は安全のために始まったものである。水着では泳げても、服を着ていると泳げなくなるという。
 特にクロールではほとんんど泳げない。平泳ぎも苦しいという。一番泳ぎやすいのは、平泳ぎを仰向けにしたような泳ぎであると主張している。
 「暮らしの手帳」の中で紹介されている泳ぎは、エレメンタリ-・バックストロークという泳ぎである。

 服のままでも水着でも、いかに体力を消耗せずに救助を待つか、その方法を覚えることです。
 その点で適しているのが<エレメンタリ-・バックストロ-ク>という泳ぎ方です。
 これは、ちょうど平泳ぎをあおむけにしたような泳ぎで、いつも顔が水面から出ているから、息がラクにできるし、声も出せます。
 それに手も足も水中でゆっくりと小さく動かすだけでいいから、どんな服装でも、動かしやすく疲れにくいのです。

 服を着て泳ぐには、身体が浮き、呼吸がしやすい背浮きが適しているのである。
 ところが新学習指導要領では、この背浮きから入る系統の指導が落ちている。背浮き、背浮ぎの内容の例示がどの学年にも入っていない。
 身の安全を守るために一番適している泳ぎの系統が欠落しているのである。なぜそうなっているかというと、競泳型の指導系統になっているからである。

2.背浮き、背泳ぎにはワンタッチヘルパ-

 長年、水泳指導をしてきたが、水が恐い子供、水慣れしていない子供、顔が水に付けられない子供、泳げない子供にとって最も入りやすい泳ぎは、背浮きから入る方法である。

 ○ 呼吸ができる
 ○ 目が開けられる

 顔が水に付けられない子供は、呼吸ができない、水中で目があけられないために恐いのである。
 だから、呼吸ができ、目が開けられる状態からの指導をしていけばいいのである。
 その方法として、背浮きからはいる方法は優れている。呼吸もでき、目も開けられるからである。
 オリンピックで金メダルをとった鈴木大地選手も、最初は水が恐く背泳ぎから入ったという。
 背浮き、背泳ぎから入る指導法が良いと分かりながら、なぜか現場ではクロール、平泳ぎから入る指導法が行われてきた。
 伏し浮き、面かぶりクロ-ル、クロールという系統が重視されている。水慣れのしていない子供にとっては、難しい流れである。
 こういう子供は、たいてい理由を見つけて見学している。水に入ろうとしない。
 なぜ入らないのかの理由が分かれば、対処もできる。
 長年、水泳指導をしてきた経験から泳げない子供への指導は、背浮き、背泳ぎが適しているといえる。
 鈴木智光氏は、実践から次の指導系統を提唱している。

背浮き→背泳ぎ→ちょうちょ背泳ぎ→呼吸→平泳ぎ→クロール

 背浮き、背泳ぎからはいる方法が 泳げない子供の実態にあっているのである。
 問題は、一人でどのように背浮き、背泳ぎができるようにしていくかである。
 「背浮きをしてごらん。」というとほとんどの子供は沈んでしまう。
 そこで効果のあるのがヘルパ-である。ヘルパーをおなかにつけ、背浮きができるようにしていく。
 低学年の子供は、ヘルパーを結ぶことができない。できても、きっちりと結べず、揺るんでしまう。
 そういう欠点を改良したのが鈴木智光氏のワンタッチヘルパーである。
 鈴木氏がワンタッチで装着できるヘルパーのアイデアを思いついたのは、ヘルメットのあごひも装着具を見てからであるという。
 ヘルメットについている装着具は、ワンタッチでできる。それをヘルパーに応用したのである。
 ワンタッチでできれば低学年の子供でも簡単にできる。

Heru1

 準備するものは、次のものである。

 ○ ヘルパー
 ○ ヘルメット用あごひも(85~10cm)
 ○ 装着具
 ○ ホッチキス(1号針)
 ○ ライター

 ヘルパーは、すぐに手にはいる。学校にもあるし、スポーツ店でも購入できる。
 ヘルメット用あごひもと装着具は、日用雑貨店に行けば手にはいる。

Heru2
3.優れた器具の効果

 実際にワンタッチヘルパーを使って実践したが、効果は抜群であった。
 普通のヘルパ-で3年生に指導した。すると、ひもが結べない。
 「先生、結べません。結んでください」といってくる。
 結べてもゆるく、体に密着していない。いちいち、教師が見てあげないと使用できない。
 ところが、ワンタッチヘルパ-を使用すると次の様な効果がある。

1.短い時間で腰に付けることができる。
2.水にぬれたひもはほどきにくいが装着具だと簡単に取り外しができる。
3.ヘルパ-が体に密着するように、ひもを強く締めることができる。

 そのために、指導に時間をかけることができる。
 ヘルパ-2個で背浮きができたら、ヘルパーを1個にする。
 背浮きができたらちょうちょ背泳ぎができるようにする。
 ちょうちょ背泳ぎができたら、背泳ぎができるようにする。
 このようなステップで指導していくと、泳げない子供でも5日間で25Mが泳げるようになる。
 5年生の子供にT君がいた。T君は、水が恐く顔を付けられなかった。
 ワンタッチヘルパ-をつけ、抱いてあげながら背浮きの指導をしていった。初めは腰が沈み、うまくいかなかったがヘルパーを2個付けていく中で、一人で受けるようになった。
 呼吸ができ、目が開けられるので安心してできたのである。
 浮く体感ができるとあとは簡単である。水への恐怖心がなくなり、自分からプ-ルに入るようになった。
 5日間で背泳ぎができるようになってしまった。
 伏し浮き、面かぶりクロール、クロールの指導ですぐにできるようになる子供もいるが、T君のように背浮きから入ったほうが伸びる子供もいるのである。
 しかも、水難から身を守るということを考えると背浮き、背泳ぎの系統も小学生から指導していく必要がある。
 そのためには、ワンタッチヘルパーが欠かせない器具である。ぜひ、使って効果を確かめて欲しい。


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