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TOSSランドNo: 1144015 更新:2012年11月30日

日本神話の読み聞かせシリーズ9「山幸彦」


 燃える火の中で誕生した御子達は成長し、たくましい若者になりました。火照命は海で魚を捕るのが得意で海幸彦、弟の火遠理命は山で猟をするのが得意で山幸彦と呼ばれていました。
 ある日、山幸彦が海幸彦にいいました。
「兄さん、一度、私の弓矢と兄さんの釣り針を取りかえっこしませんか」
「いやだ」
 三度たのんでも賛成してくれません。そのうち、とうとう取り替えてくれました。
 山幸彦はさっそく海へ出かけ釣りを始めました。ところが魚は一匹も釣れません。それどころか、兄さんの大切な釣り針を魚にとられてしまいました。探しても探しても見つかりません。一方、海幸彦もなれない猟をしてもちっとも獲物は捕れません。
 家に帰ると海幸彦は、
「慣れたものがいい。さあ、道具を元に戻そう」
と言いました。
「兄さん、大変なことになったのです。あの釣り針を海に無くしてしまったのです」
「おまえがあんなにしつっこく言うから、嫌々取り替えたんだぞ。必ず探し出してくれ」
 山幸彦は仕方なく自分の剣をつぶして500本の釣り針を作りそれを渡しました。しかし、海幸彦は受け取ってくれません1000本の釣り針を作って差し出しましたがそれでも受け取ってくれません。
「ほかの釣り針が何本あってもだめなんだ。貸した釣り針を返せ。」
と言い張るのです。       
 山幸彦はどうしていいか分からず,泣きながら海辺に立っていました。
 そこに、白いひげを生やした塩椎神が現れました。
「どうして泣いておられるのですか」
 山幸彦は訳を話しました。
「それはお困りですね。でも、安心して下さい。私がよいようにはからいましょう」
 そう言うと、塩椎神は竹かごを編むようにして小さな船を作りました。
「さあ、お乗りなさい。これで海の中へ行くのです。しばらく潮の流れに乗っていくと光り輝く宮殿が見えます。竜宮城です。宮殿の門のそばに井戸があります。その上の桂の木にのぼってお待ちなさい。海の神の娘があなたを見つけてうまくはからってくれますよ」 
 山幸彦は、教えられたとおり船に乗って竜宮城へ行き、桂の木の上で待ちました。すると水をくみに来た使いの女が山幸彦を見つけました。その知らせを受けた海の神の娘 豊玉姫は、門の所に行ってみました。そこには、父の綿津見神にもまさる気高い方が居るのに気が付きました。綿津見神も表に出てきて、一目見るなり、
「ああ、あの方は、邇邇藝命の御子でいらっしゃる」
と、御殿に迎え入れました。
 山幸彦は豊玉姫と一緒に暮らし、いつの間にか三年が経ちました。 
 ある日、山幸彦は釣り針のことを思いだしふぅーとため息を漏らしました。綿津見神は訳を尋ねました。命は、兄の釣り針を無くしたこと、どうしてもその釣り針をかえさないといけないことを話しました。
 綿津見神は大きな魚、小さな魚を全部集めて言いました。
「この中に、命の釣り針を盗ったものはいないか」
 魚達は口々に言いました。
「そう言えば赤鯛がのどに何か引っかかって食べられないとこぼしておりました」
 赤鯛を読んでのどを調べてみるとそこにはあの釣り針が刺さっていたのです。
 こうして山幸彦は兄の釣り針を見つけることができ、竜宮海を後にして元の浜に帰ってきました。                       

 ある日、竜宮海に残しておいた豊玉姫が山幸彦を尋ねてやってきました。
「私は御子を宿して生む日が近づいてきました。天津神の御子を海の中で生むことはよくないと思い、遙々やってきました」
 海辺で、鵜の羽で屋根を葺いて産屋を作りかけたのですが、産屋が葺き合えぬ間に、生まれそうになりました。
 豊玉姫はお産の時には元の世界の姿にもどります。それで、山幸彦には産屋をのぞいてはいけないことを話しておいたのです。ところが、山幸彦が、そっとのぞいてみると姫はワニの姿になって這ってねりくねりしていたのです。姿を見られた姫は恥ずかしく思い、御子を生み置いて海へ帰っていきました。
 こうして生まれた御子の名を鵜葺草葺不合命といいました。


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