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TOSSランドNo: 2310233 更新:2012年11月29日

「学級担任が1番」という権威をうち立てる  ~やんちゃな生徒との闘い方~


やんちゃな生徒は、自分が1番だと思っている。学級の全員が自分に従うと思っている。学級担任さえも、自分に従うと思っている。その意識を変えることが、やんちゃな生徒と闘うための極意であると私は考えている。

着任式の終了後、向山氏は校庭のはじっこに連れて行ってしゃがませた。
2人の子どもが、近くの丸太に腰かけた。明らかに向山氏が出した指示とは違う行動であった。2人の子は、3月まで学級担任の指示に従っていなかったのであろう。そこを向山氏は見逃さなかった。向山氏は毅然とした口調で「先生の言った通りにしゃがみなさい」と言った。2人の子どもは、素直に丸太から降りた。
一瞬のできごとであるが、向山氏がやんちゃな子との闘いに勝った瞬間である。教師の指示に従わせることで、やんちゃな子の「自分が1番」という意識を変えることに成功した。さらに、学級全体には「あの子が、新しい先生の指示に素直に従った」という事実を見せ、「学級担任が1番」という権威を打ち立てることができた。学級を居心地の良い場所にするための基礎を築いたのである。

「春子が超ミニスカートで学校に向かっています」と学級担任が教えてくれた。すでに、登校時間は過ぎていた。
入学当初から多くの問題を起こした春子も、3月までは担任の指導には従っていた。その担任が3月に転勤をした。誰が春子を担任するかが、学級編成の最重要課題となった。結局、若い教師が担任し、私は学年主任として春子を側面から指導することとなった。
春子は「やっと自由にできる!」と思って始業式を迎えたのであろう。前日から、「明日はミニスカートで来る」と断言していたという。明らかに、アドバルーンである。この事態を見逃しては、第二、第三の春子が誕生してしまう。毅然とした態度で闘わなければならない。
私は学級担任と2人で校門の前で春子を待った。
私の横を通り過ぎようとした春子と目があった瞬間、私から「先生から話があります」と切り出した。春子は警戒の目で私を見つめながらも、素直に立ち止まった。
私は声のトーンを抑え、ゆっくりと語り始めた。もちろん、私の目は春子の目を見続けた。私の強い視線に絶えられず、春子は目を伏せた。私は「勝てる!」と直感した。
藤田先生(仮名)が転勤する際、「春子のことをお願いします」と私に頭を下げました。私は「立派に卒業させます」と約束しました。その服装では、藤田先生との約束を守ることはできません。春子さんも、その服装を見て藤田先生なら何と言うか考えなさい。
春子は俯いたまま考え込んだ。春子も藤田先生の名前が私の口から出てくるとは思ってもいなかったのであろう。明らかに、動揺していた。「今がチャンス!」と思い、次のように行動を求めた。
藤田先生との約束を、2年生の初日から破るわけにはいきません。これから着替えに帰ります。先生の車に乗りますね。
私は毅然とした態度で春子に伝えた。俯いたままの春子を見ていて、素直に従うという手応えを感じた。そこで、最後は「車に乗りますか。」ではなく、「車に乗りますね。」とした。
「~か。」という疑問形では、その後の行動はやんちゃな子が決定権を持つことになる。ここで「いやです!」と断られては、教師の権威を確立することはできない。せっかく、教師の指示に素直に従う場面をつくっても、これでは意味がない。ここでは、頷くだけで教師が勝てるように仕組まなければならない。そのための「~ね。」である。春子は素直に頷いて、私の車に乗った。

車中はずっと無言であった。担任が話しかけたが、何も答えなかった。目には涙がいっぱいにたまっていた。着替えて車に戻った際、春子が「おねがいします」と頭を下げた。それまでの重苦しい車内の空気が一変した。私は笑顔で「はい、どうぞ!」と答えた。
学級では「春子が着替えに戻った」ことが話題になっていた。「あの春子が着替えたのだから…」という声が、教室のあちらこちらから聞こえてきたという。
やんちゃな生徒を教師の指示に従わせることは、学年全体へ教師の権威を打ち立てることでもあることを、改めて実感した。

向山氏は言う。

子供たちは「クラスの中が規則正しい」という状態を嫌っているのだろうか。そんなことはない。誰よりも、子供たちがそれを望んでいるのだ。「規則正しい」方が、ずっと精神的に安定感があり居心地が良いからである。
                                  (『向山流・子供とのつきあい方』明治図書 32ページ)

やんちゃな生徒との闘いは、学級を居心地良い場所にするための闘いでもある。
だからこそ、その闘いに勝ったとき、どの生徒も素直に教師の指示に従うようになるのである。


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