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TOSSランドNo: 8120238 更新:2012年12月31日

いじめの授業「わたしのいもうと」


「わたしのいもうと」松谷みよ子(偕成社)の絵本を読み聞かせながら進める。

◇いもうとが給食をわけると受け取ってくれないというところまでを教師が読む。

発問1:

この後,いもうとはどうなったと思いますか。

・学校へ行かなくなる
・いじめが解決する

◇後半部分を読む。ただし、いもうとの手紙は読まない。

指示1:

いもうとがなくなったあと,手紙が見つかりました。それには,こう書いてありました。
  わたしをいじめたひとたちは,もうわたしのことはわすれてしまったでしょうね。 
  (                                )
  ( )のところには,どう書いてあったのでしょう。予想して書きなさい。

◇書いたことを発表させる。

説明1:

 「あそびたかったのに,べんきょうしたかったのに」と書いてありました。

いじめられていた妹は恨んでいたに違いないという子どもたちの予想をくつがえす部分である。

発問2:

この話は,つくった話だと思いますか,本当の話だと思いますか。

◇ あとがきの部分を読んで聞かせ,本当の話だったことを話す。

発問3:

いもうとがなくなったのは同級生が高校生になってからです。おそらく7年間ぐらいたっているはずです。この本には何も書いてありませんが,亡くなった理由はなんだったと思いますか。

説明2:

いもうとがどうして亡くなったのかは,わかりません。ただ,心の傷は簡単には治らないことがわかっています。東北大名誉教授松沢大樹先生は,脳の研究者ですが,いじめにあった子の脳を調べた結果,そこに傷がついているのを見つけました。それをもとに次のように言っています。「いじめは、脳を壊す。だから、いじめは犯罪行為、れっきとした傷害罪なんです」

心の傷は簡単には治らないことを強調しておく。

指示2:

みなさんが,このいもうとの学級にいたとします。いじめにも加わっていません。みなさんは, いもうとのためにどんなことがしてあげられますか。3つ書きなさい。

◇考えを聞き取り,板書する。

発問4:

これらの中で,自分にもできると思うところで手をあげてください。

発問5:

 「いじめをとめる」というところには全員手があがりませんでした。どうしてですか。

・自分もいじめられるのがこわい

自分も巻き込まれるのは怖いと思うのは当然の感情である。教師としても共感を示しておく。

説明3:

自分がいじめられるのが怖いと思うのは当然です。でも,こうした人たちにもできることがあります。しかも,いじめを確実に止めることができます。それは,「先生に伝えることです」「先生に伝えることは,告げ口ではありません。困っている人を助けることです。」

この説明の部分は、極めて重要である。いじめがありながら見て見ぬふりをする傍観者をなくすためにも力説しておきたい。

解説
 日本ではいじめを心の問題としてとらえてきた。一方,欧米では犯罪としてとらえてきた。私は,この差が,日本のいじめ指導の弱さだと考えてきた。いじめの「むごさ」を伝える教材が少ないのも,心の問題としてとらえてきたからではないかと考えている。自殺という結果さえ招いてしまういじめに対しては,毅然とした指導が必要であり,道徳の授業にもそれが反映されるべきである。
 「わたしのいもうと」は,実話に基づいたものであり,いじめられた被害者の死も扱っている。
 いじめは,教師から見えにくい,また,いじめの当事者同士による解決も難しい。したがって,いじめを防ぐには,教室内にいる傍観者をなくすことが必要である。彼らが,いじめにたいして「NO」の態度を取れば,いじめがひどくなる可能性は低くなる。ただし,「傍観者になってはだめだ」といくら説いても効果は薄い。傍観者にならないためには何ができるのかという行為まで踏み込んで指導する必要がある。私は,次のことをずっと指導してきた。

 いじめで困っている友だちのことを先生に伝えることは告げ口ではない。困っている人を助けることである。

 いじめっ子側は,自分たちの行為を隠そうとする。だから「チクるな」「告げ口するな」と口を封じようとする。
 また,巷には「教師に言うともっとひどい目にあう」という風評も流れている。しかし,いじめの多くを解決してきたのも教師である。
 この事実を伝えなくてはならない。

参考文献 「いじめられている子のことを伝えるのは困っている人を助けることです」という指導は、「いじめの構造を破壊せよ」向山洋一 明治図書を参考にしている。是非、お読みいただきたい。 


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