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TOSSランドNo: 1216072 更新:2012年12月31日

運動の中のテクニカルポイント<水泳>


 3年生の水泳指導をする。6月20日、第1時で実態調査を行う。3年生130名中、全く泳げない子どもは25名(19.2%)である。

 全く泳げないというのは、水に浮くことができず、「泳ぎなさい」と言われても歩くことしかできない状態である。
 この子どもたちを10時間で25メートル泳げるようにする。
 指導のステップを次のように考えた。

1.背浮き(仰向けで浮く)
2.背浮きで進む
3.ちょうちょう背泳ぎ
4.伏し浮きの呼吸法
5.平泳ぎ
6.クロール

 3年生では、ちょうちょう背泳ぎで25メートル泳げるようにすることが目標である。
 歩くことしかできない子どもを、水に浮き、呼吸しながら泳ぐ体感をさせてあげたい。
 10時間で何人泳げるか楽しみである。80%泳げれば、成功である。

【第二時(6月26日)】

 準備運動の後、水中を歩く。2人1組で片手をつなぎ、プールの横を歩いた。水に慣れた後、両手をつなぎ、もぐりっこをした。
 「どちらが長く水に入っていられるか競争です。用意、始め。」
 顔をつけられない子どももいる。1人では不安であるが、2人で手をつないでいるので安心できる。殆どの子どもが顔をつけている。
 全員をプールサイドに上げて、ヘルパーを持ってこさせた。最初なので、ヘルパーは2個つけさせることにした。
 ところが、1人では結べない。半分以上の子どもが私のところに来た。
 「先生、結んで下さい。」
 ようやく着けられたところで、2人1組のバディーを作らせ、腰を下ろさせた。
 「これから、背浮きというのをします。1人が補助をしてあげます。」
 子どもを水に入れて、私がやって見せた。
 「ヘルパーが2つありますから、大丈夫です。力を抜いて、ゆうれいになります。」
 1人が頭を持ち、浮く練習を始めた。
 すぐできる子どももいる。できないで立ってしまう子どももいた。できない子どもは、私が直接補助をしてあげた。力を抜いて、楽に浮くように指導した。
 約30分で全員浮けるようになった。
 「今度は、1人で浮く練習をします。最初は補助してもらっていいですが、少し経ったら補助をやめて、1人で浮きます。」
 私が要領を見せた。最初は少ししかできなかったが、慣れると大分できるようになってきた。
 「10数えるまでできると合格です。1人が浮いて、もう1人が数えてあげます。いくつできるか挑戦してみましょう。」
 初めはなかなかできなかったが、練習しているうちに段々できるようになった。ヘルパー2個で全員が10秒以上できた。

【第三、四時(6月28日)】

 前回と同じように、準備運動をしてから水慣れし、ヘルパーを2個着けて浮く練習をした。
 「ヘルパー2個で浮くのは、大変上手になりました。今日は、ヘルパーを1個にします。1個で浮けるようにします。」
 「そんなのできないよ。」
 「沈んでしまうよ。」
 「大丈夫です。1個でできれば、簡単にできます。2人1組で交替して練習していきます。」
 最初は、こわごわであったが、段々慣れてくると浮けるようになっていった。
 1人で浮く練習をしたり、バディーを組んで背浮きの移動を練習した。

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 耳の後ろを両手で持って移動していく。
 「頭のてっぺんが水の中に入るようにします。補助してあげる人は、しっかりと持ってあげます。」
 水を恐がる子どもは、頭を水の中に入れることができない。首が上がっているが、初めてなので無理に入れさせないようにした。
 1人背浮きのできる子は、すぐにできるようになった。
 15分位練習した後、ヘルパー1個で背浮きのテストを行った。全員、プールサイドに上がって1人ずつ背浮きをする。
 「いくつできるかみんなで数えてあげます。頑張ってやりましょう。10以上できたら合格です。」
 みんなで数えていくとことがコツである。それと、1人ずつ行うことである。
 結果は、下の表のようである。

Suieihyou
【第五次(7月3日)】

 7月3日、第5時である。ヘルパー1個で浮く体感ができたら、次はちょうちょう背泳ぎに挑戦である。
 準備運動・水慣れが終わったところで、ちょうちょう背浮きについて説明した。

 ① 背浮きで静かに浮きます。
 ② 手を肩のあたりまでゆっくり上げます。キックは入れません。足の力を抜いた方が姿勢が崩れません。
 ③ スナップをきかせ、水をお尻の下にかき入れるようにします。ちょうちょうや鳥が羽ばたくように腰を動かすのです。

 参考文献 鈴木智光著『イラストでわかる体育指導のコツ③水泳指導のコツ』(明治図書)

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 私が実際にやって見せた後、次の発問をした。

発問1:

 背浮きでどこを見たら呼吸がしやすいですか。
  ア 正面  イ 真上  ウ 斜め後ろ

 プールサイドに仰向けになって、正面、真上、斜め後ろの姿勢を示した後、どれがいいかを訊いてみた。
 ア 正面…3人  イ 真上…13人  ウ 斜め後ろ…1人

 ほとんどの子どもは、真上が一番泳ぎやすいという。さすがにあごを引いて、正面を見るというのは少なかった。
 「どうして正面だと、やりにくいのですか。」
 「正面を見ていると、段々沈んで行ってしまうので呼吸できなくなってしまいます。」
 今までの経験から考えたのであろう。問題は、正面か斜め後ろかである。
 正面と考えるのが普通である。

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指示1:

どれが一番泳ぎやすいか、2人1組で確かめなさい。

 バディーを組ませて、背浮きの移動を何回かさせて確かめていった。
 正面は頭が上がってしまい長続きしないことが分かった。真上か斜め後ろかは、上手な子どもは真上でも泳ぎやすいという。
 上手でない子どもは、すぐに正面を見て起き上がってしまう。斜め後ろにすると頭が水の中に沈むので、安定して浮くことに気付かせた。

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説明1:

 背浮きで呼吸をするには、真上よりも、斜め後ろを見た方がしやすいです。
 苦しくなったら、正面を見ないで頭の後ろを見るようにして下さい。

 バディーを組ませ、頭の後ろを両手で持たせて背浮きの移動をさせた。水を恐がる子どもはどうしても正面を見ようとして、立ってしまう。
 そういう子どもには、次の指示をした。

指示2:

正面を見ないで、後ろの人を見るようにしなさい。あごを突き出すようにするんです。

 真上では不十分である。ぐっと、あごを出して後ろの人を睨み付けるようにする。頭が沈めば、浮力が付くのである。腰がまっすぐになり、背浮きが楽になる。
 泳ぐ前に、この浮く体感を十分させておく必要がある。全員できた後、次の発問を行った。

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発問2:

 ちょうちょう背泳ぎをします。手と足どちらの練習から始めると泳ぎやすいですか。
   ア 手  イ 足  ウ 両方同時

 ア 手……………9人
 イ 足……………6人
 ウ 両方同時……4人

 手から始めるというのが一番多い。これも実際にやってみることにした。

指示3:

どれが一番泳ぎやすいか、2人1組で確かめなさい。

 いきなり1人ではできないので、これも最初は補助付きで行った。手と足、同時に動かすと腰が曲がり、沈んで行く。
 足だけだと上手な子どもは浮いているが、上手でない子どもは沈んでいく。一番いいのは手から始める動きである。足は動かさないで、手だけ少し動かしていく。
 動きの原理として、手から始めた方が動きが作りやすいのである。

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説明2:

ちょうちょう背泳ぎをする時には、手から練習していきます。その後、足を入れて練習します。手と足両方だと難しいです。

 2人1組で練習をさせた。補助付きで全員ができるようになった。Hさんは、とても上手だったので、補助なしでやってもらうことにした。
 「Hさん、もう、1人でできるからやってごらん。」
 ヘルパーを1個着けて、Hさんはちょうちょう背泳ぎに挑戦した。見事に身体が浮いてちょうちょ背泳ぎで6メートル泳げた。
 一斉に拍手が起こった。この次の時間は、1人でちょうちょう背泳ぎに挑戦することにして終わった。
 結果は次のようである。泳いだ子どもは全員、ちょうちょう背泳ぎができるようになった。
 手から動かすか、足から動かすという問題は、初心者の子どもにとっては、大変大事な問題である。
 順番が違うと、動きが変わってしまうからである。
 安定した動きを作るには、身体に近い部分から動かすという原則がある。

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参考文献 鈴木智光著『体育指導のコツ③水泳指導のコツ』明治図書


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