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TOSSランドNo: 5616374 更新:2012年11月25日

東日本大震災の教訓  仮設トイレでも快適に過ごす


東日本大震災からの教訓〜上下水道が復旧しない中、仮設トイレでも快適に過ごす

震災後、2ヶ月たっても、ライフラインが復旧しない。
トイレは使用不可のため、仮設トイレを使うことになった。
子どもも教師も快適に過ごすための、「準備物」「マニュアル作り」「子どもへの指導内容」「実際にあった問題点」を紹介する。

※福島県南相馬市で大震災にあいました。今後の教訓として、これを記します。

1 ライフラインが復旧しない

震災後、2ヶ月近くたってもライフラインが完全復旧しなかった。
福島県、海辺の学校。
勤務校の校舎を使うことができなくなり、
別の学校に一時的に引っ越し、間借りすることとなる。
電気はつく。
水道管の復旧工事は、始業式に間に合った。(諸般の事情により、4月22日実施)
下水道はまだだった。
下水処理施設が津波被害を受けたのだ。

市や、学校としての対応策である。

(1) おしぼり、水筒を持参させる。
(2) 仮設トイレを設置する。

2 準備物をそろえる

(1) 仮設トイレ(校庭に並べる)
(2) 水タンク(流すための水。トイレ裏に設置。ポリタンク使用)
(3) 園芸ホース(水道からタンクまで、水をひく)
(4) 消毒剤(水タンクに入れておく。濃い青の液剤)
(5) 使い捨てゴム手袋 (消毒剤投入の際使う。手への着色、手荒れを防ぐ)
(6) すのこ (昇降口から、トイレ入り口まで。)
(7) テント(雨対策)
(8) 虫スプレー
(9) 掲示板(男子トイレ・女子トイレ、など)

社会機能が低下した状況が続いており
いつもなら、簡単に手にはいるものも、手に入りにくかった。
特に、ポリタンクは、震災後、品薄になった。
消毒剤は、支援物資として届けられた。
すのこは、大工さんが作ってくれた。

3 マニュアルとマップをつくる

仮設トイレのマニュアルなど、学校にはない。
そんな中、トイレのメンテナンスの当番が、教師たちに割り当てられる。

メンテナンスの方法

(1) トイレの掃除 (ほうきとブラシで)
(2) 備品の補充
(3) 放課後、消毒液をタンクに入れる。
(4) ポリタンクに水を補給する。

メンテナンスは、さほどむずかしいことはない。
それにもかかわらず、円滑に進めることができない。

用具、備品の置き場所が、分からない。

よその学校を間借りしている。
用具・トイレットペーパーなどの備品がどこにあるのか分からない。
ようやく、情報を手に入れ、
「トイレットペーパーは、階段の下です」
「消毒液は、倉庫室にあります」ときいても、
慣れない校舎の、何階のどこにあるか、すぐには分からない。
さらに、校舎内には、引っ越しの荷物や、支援物資の段ボール箱がたくさんある。
探し出すのに、時間がかかるものもある。

用具、備品を一カ所に集められれば、作業効率は上がるのだが、
他の学校と共用のものもあり、勝手に場所をうつすことはできなかった。

必要なものは、メンテナンスのマニュアルと置き場所マップ。

マニュアルやマップがないために、
「そうじは、どうするの」「消毒剤ってどこにあるの」と
教師同士が口頭で確認しあうことが、あちこちで繰り返され、
大切な時間を費やしてしまった。
手書きなど、簡単なものでよい。
「マニュアルとマップが必要だ」と気づいた時点で作成すべきであった。反省である。

4 子どもへの指導内容

(1) トイレの流し方

流すためには、足元のボタンを踏む。
ボタンがきつく、流れづらいトイレもある。
低学年は実演してみせた。
1度経験させれば、ほとんどの子はできるようになった。

(2) 上履き、下履き、スリッパの使用

仮設トイレは、昇降口から10メートル程先のところにあった。
すのこをしき、上履きでトイレまで行く方法をとった。
結果として、トイレが泥でよごれずにすんだ。

(3) 割りあて(男子・女子)

割り当てを決め、子どもに知らせた。
トイレのドアに、「男の子」「女の子」と掲示も貼った。
混乱はなかった。

5 実際にあった問題点

1年生は、1人でトイレに行けない。

1年生は、1人で仮設トイレまで行けない子の方が多かった。
教室から、トイレまでの道順がよく分かっていないらしい。
たった1人で教室を離れるのが、不安らしい。
また、足ふみレバーのかたいトイレがあるため、流せなくて、困っていたり、
入ったトイレにペーパーがないと、どうしたらよいのか分からなくなっている子もいた。

テントから、水が降ってくる。

テントに雨水がたまり、突然バシャッと落ちてきた。
下にいた子は、びしょぬれになった。 
その後は、教師が、雨水がたまったのを発見したら、下に落としておくようにした。

すのこは、滑る。

すのこの上を走っていて、滑って転んだ子がいた。(大きなけがはなし)
また、段差があるところにすのこをひいていたため、すのこが割れた。

ハチが入ってしまう。

トイレに、ハチがいることが何度かあった。
5月。福島県はまだ風が冷たい。トイレの中は、あたたかい。
どうしても逃げない場合は、虫スプレー使用。

落とし物の主が分からない。

トイレ付近に、ハンカチ、ティッシュの落とし物。
数校が一緒のため、落とし主を見つけるのが大変。
必要に応じ、持ち物には、氏名だけでなく、学校名も書かせた。

6 うまくいった実践

雨の日は、見回りを強化

雨の日は、
汚れやすい。
テントに水がたまる。
すのこが湿ってすべる、などの問題がおきた。

教師の目があれば、未然に防ぐことができる。

とにかく、1人でもいいから、教師がついているようにする。

1年生だけでなく
高学年でさえ、トイレで困っている子がいた。
教師が、そばにいれば、すぐに助けることができる。

また、トイレの異常を察知しやすくなる。
「ペーパーがない」「虫がいる」など、子どもからもすぐに情報が入る。
子どもたちをトイレに引率し、用が終わるのを待つ間に、
トイレを点検したり、タンクに水を足したり、ペーパーを補充したりした。

勤務校では、当番でなくても、率先してトイレの見回りを行う教師が何人もいたため、
トイレは、良好な状態が保たれていた。
仮設トイレの使用に際して、大きな混乱はなく、不便さに文句を言う子もほとんどいなかった。
(5月末、学校のトイレがようやく使えるようになった)


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