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TOSSランドNo: 2904061 更新:2012年12月29日

大地震直撃 最悪の場合を想定して行動せよ 削りに削った言葉で指示せよ


最悪の場合とは、どんなことか。
ニュージーランドの大地震が頭をよぎった。
このまま校舎が崩れるか?そこまではいかないか?
どうやったら、子どもを救えるのか。
余計な事を言えば言うほど、混乱するだけだ。
短い指示かつ的確な指示が必要だ。

それは5校時終了寸前だった。

理科の電磁石のおもちゃを作っていた。
うまくいかない子が、あと一人になり、最後の手伝いをしていた。
一週間の終りのほっとした時間だった。

 「ゆれる」

この校舎の3階は、震度3でも「4」に感じる。
2年後の耐震化工事が予定されている校舎は、グラグラ揺れる。

すぐに机の下にもぐるよう指示した。
教室前方の棚の上にある、入ったばかりの薄型テレビを押さえる。
これが倒れたら、机の下の子どもがけがすると思ったからだ。
だが、たった1m先のその場所まで行くのにも、なかなかたどり着けないくらい揺れていた。

揺れが続く。

「こわいよー、こわいよー、こわいよー、こわいよー」
子どもたちが叫ぶ。女の子も男の子もだ。
「あああああああ」と叫んでいる。
「大丈夫だ」と殊更、落ち着いた声で話す。
テレビはよく見ると頑丈にボルトで留まっていた。
揺れが続く。
もう止まるだろうと思ってから、さらに大きな揺れが来る。

「これは大変だ」

小学生のときに体験した「宮城県沖地震」と同じだ、と思った。
あのときの恐怖がよみがえる。
半端な地震じゃない。
ブロック塀がばたばた倒れた、あのときを超えるかもしれない。

「モード」を切り替えた。これは、緊急事態だ。非常事態だ。

すぐに窓を開けた。
地震の時は「窓をあける」(窓から離れろ、もある)。
ただし、吹雪だから、一箇所にした。
1分近くにたつのに、揺れは更に大きくなる。
泣き叫ぶ子に「大丈夫だ」と頭をなでてやる。
教頭の放送が入った。
「地震です、地震です、机の下にもぐりなさい」
この放送が何度も繰り返し続く。
非常扉が自動でしまっていった。

「バーン、バーン」

その音で、恐怖は倍増する。
幸い窓は割れなかったが、いつわれてもおかしくないと思った。

非常事態モードで私は次のように考えた。

最悪の場合を想定しろ!

最悪をイメージし、そこから逆算して自分の行動を取ることを、揺れの中で決断した。

ようやく揺れが収まる。
校長が階段を走ってくる。
「校庭に避難だ」
「はい」
子どもに指示。
(この「指示」が極めて重要であることを、体験することになる)

指示 ジャンパーを着て
    校庭に避難
    避難はじめ
    走らないで

本当にこれしか言わなかった。
いろいろ言うのは、何も言わないのと同じだ。
最悪の状況を想定して、言葉を削りに削った。
まず、しばらく校庭に止まる可能性がある。
吹雪だ。
ジャンパーが要る。

次、目的地を言うだけでいい。
ほかは全て余計なことだ。
「行っていいんですか」なんていう質問が出ないとも限らない。
だから「避難はじめ」を入れた。
質問を受け付けている場合ではない。
さらに、「階段でこけたら」を想定し、「走らないで」を入れた。

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