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TOSSランドNo: 1484625 更新:2012年12月29日

「『かむ』ことの力」(光村4年上)の教材研究と実践


1 全体の指導計画

要約指導にあてた時間は、3時間である。事前に「桃太郎」の要約は経験済みである。
毎時間漢字スキルを授業の始めに行っている。

第1時

音読の練習をする。(範読を聞く→音読練習)思ったこと、気付いたこと分かったことをノートに書く。

第2時

音読の練習をする。形式段落に番号をつける。問いの段落を確かめる。

(問いの段落を選び、選んだ理由をノートに書く。)

第3時

音読の練習をする。答えの段落を確かめる。

第4時

第2段落の要約をする。

第5時

第3段落、第4段落の要約をする。

第6時

第6段落以降を要約する。

第7時

第2段落から第8段落を2つに分ける。(意味段落の指導)

第8時

文章構成図を書く。

第9時

筆者の伝えたい事が書かれている段落をみつけ、筆者の伝えたいことを確かめる。

2 要約指導、1時間目

 桃太郎の要約指導はすでに行っている。しかし、十分といえるほど、要約の力はついていなかった。ここで、桃太郎の要約指導の方法で要約を指導していく。

教材文(第2段落)

 食べ物を一口、口の中に入れてみましょう。熱い、冷たい、かたい、やわらかい、大きい、小さいなど、食べ物にはさまざまなちがいがあります。その食べ物を上あごと下あごの歯でかむと、食べ物の様子が脳に伝わります。脳は、その知らせを受けて、「この食べ物は、このようにかみなさい。」と、よくかみくだけるように、あごを動かす筋肉に指令を出します。また、だえきを出すようにという指令も出します。そうして、かめばかむほど、食べ物は口の中でだえきとまじり、だんだん小さく、やわらかくなっていきます。こうすることで飲みやすくなった食べ物は、初めてごっくんと食道に送りこまれるのです。

要約」の意味を辞書で調べ確かめる。
第2段落の音読の後、次のように言う。(第1段落は問いの段落と確かめたので行わない)

指示1:

 第二段落を要約します。20文字以内に短く書きなさい。

指示2:

 書けたらもっていらっしゃい。

「短くですか?」「20文字ですか?」など、質問が相次ぐが、書かせる。持ってきた順に黒板に書かせる。採点は以下の通り。

子どもの要約1回目

 食べ物をよくかんでやわらかくし食堂におくりこむ(6点)
 食べ物はだえきとまじりやわらかくなっていきます。(6点)
 食べ物をかむと、脳が指令を出します。(3点)
 食べ物をかめばかむほどいい(6点)
 食べ物にはさまざまなちがいがある。(3点)
 食べ物にはさまざまなちがいがあります。(3点)
 よくかんで食道に送り込む。(3点)
 食べ物をよくかんで食べる。(6点)
 食べ物をよくかんで食道に送り込む。(6点)
 脳は上あごと下あごに指令を出している。(0点)
 初めてごっくんと食道に送り込まれる。(0点)

 ここで、桃太郎の要約を思い出させ、一番大事なキーワードを確かめる。ここは、題名に関連した「かむ」である。また、「食べ物」が何度も出てくるのでキーワードと確認した。

要約2回目 キーワードが確定し、文章がそろってきた。

指示3:

 もう一度第2段落を要約します。20字以内に書きなさい。

指示4:

 書けたら持っていらっしゃい。

子どもの要約2回目

 食べ物をやわらかくするためにかむこと。(10点…一字変えると12点)
 食べ物を上あごと下あごでよくかんでみましょう。(6点)
 食べ物をよくかむとだえきとまじり食道に送られる。(6点)
 かめばかむほど食べ物は口の中でだえきとまじる。(6点)
 食べ物をよくかんで小さくやわらかくかむこと。(3点…同じ言葉が2回出ているので減点)
 食べ物をよくかんでだえきをだしてのみこむ。(6点)
 食べ物をよくかんではじめて食道に送り込む。(6点)
 食べ物をかむとだえきとまじり食道に送る。(6点)

「かむこと」を終わりに持ってきているのを大いに褒めた。題名に関連して、「かむ」や「かんで」を「かむこと」に変換させ、「かむこと」で終わるように教えた。
 子ども達は集中して書いていた。平松氏の実践ではノーヒントで2回目に突入している。ノーヒントの方がより集中するかもしれない。
 ここでは、キーワード一つにつき3点。一番大事なキーワードで終わるように書けばプラス1点。と採点基準を説明。

3回目の要約 同じような要約文になってきた。
 10点(一字変えると12点)とした要約文がでたため、それを参考に書く子が多くなった。食べ物をどうするために「かむ」のかと問い、まとめさせた。

子どもの要約3回目

 食べ物をやわらかくするためのかむこと。(10点)
 食べ物をやわらかくするためのかむこと。(10点)
 食べ物をやわらかくかむこと。(6点…食べ物をどうするかがぬけている)
 食べ物を小さくやわらかくかむこと(6点…食べ物をどうするかがぬけている)。
 食べ物をやわらかくしてかむこと。(6点…かむ前にやわらかくなっている。)

ここで教師案を提示。食べ物を最終的にどうするのか。

説明1:

 食べ物を飲みこみやすくするためのかむこと。

3 要約2時間目

 第3段落、第4段落の要約をする。まず第3段落から。第3段落を音読したあと、次のように言う。

指示5:

第三段落を要約します。20文字以内に短く書きなさい。

指示6:

書けたらもっていらっしゃい。

※以下教材文は省略する。

1回目の要約

 歯も骨も筋肉も強くなる
 かめばかむほど、歯も骨も関節も筋肉も強くなる。(9点)
 ひとつながりの動作を「そしゃく」といいます。(0点)
 ひとつながりの動作を「そしゃく」という。(0点0
 多くの部分がたがいにうまく協力しないとできない。(0点)
 働けば働くほど強くなるためのかむこと。(7点…かむことで終わっているので+1点)
 かむほど歯も骨も関節も筋肉も強くするためのかむこと。(7点…かむが2回出ているので減点)
 ひとつながりの動作をそしゃくといいます。(0点)
 働けば働くほど関節も筋肉もつよくなる(6点)

 板書した子どもも友達の板書を見て、書き直していた。かむことで終わることに気付いている子がいた。大いにほめる。第3段落は、第2段落をまとめた1文で始まるため上のような要約が出てきている。
 何をどうするためのかむことなのかを問い、キーワードを確定した。

2回目の要約

 4つの部分を強くするためにかむこと。(7点)
 歯や骨、関節、筋肉が強くなる、かむこと。(10点)
 歯も骨も関節も筋肉も強くなるためのかむこと。(10点)
 歯も骨も関節も筋肉も強くなるためのかむこと。(10点)
 歯も骨も関節も筋肉も働くためにかむ。(7点)

 ほぼそろってきている。「4つの部分」とまとめた子がいたが、文章中の言葉とした。より広範囲の文章を要約するのには必要なことかもしれない。
同様にして、第4段落を要約させる。これは採点後すぐできた。

子どもの要約 1回目

 だえきをだし、消化を助けるためにかむこと。(4点)
 かめば歯の健康になる。(9点)
 脳は食べ物の量を調整するかむこと。(4点)
 歯の健康に大事なかむこと。(10点)
 だえきをだしてばい菌を洗い流すかむこと。(4点)
 消化を助けるかむこと。(4点)
 だえきをたくさん出してばい菌を流すためのかむこと。(4点)
 歯が健康になるかむこと。(10点)

子どもの要約 2回目 (ほぼそろってくる)

 健康な歯にするためのかむこと。(10点)
 歯の健康のためのかむこと。(10点)
 歯を健康にするかむこと。(10点)

授業後の感想である。
 きのうは要約した文がへんだったけど、今はきのうよりうまくなって○○ちゃんと同じになりました。(男児)
 要約には、キーワードが見つかるとやりやすくなりました。(男児)
 教科書に出てくる字でようやくした。(女児)
 わかるとすっきりしました。(女児)
 ようやくをしているとみんな同じになってくる。(男児)
 ようやくすることは、全体の文を短くまとめることだと分かった。(女児)

4 要約3時間目

答えの段落である9段落と5段落を除いた、6,7,8段落を要約させた。全員が全て要約する必要はない。間に合わなかった段落は、友だちの板書を写せばよい。

第6段落の要約

第6段落を音読した後次のように言う。

指示7:

第6段落を要約します。20文字以内に短く書きなさい。

ノートを持ってくると、「かむこと」で終わるように書いてきた。しかしどうも収まりが悪い。
「第6段落で一番重要な体の部分はどこですか。」と問うと「脳」と即答した。「脳」で終わるように書きなさい。」と指示した。

子どもの要約(指示の前)

脳は食べ物の量を調整するかむこと。
脳から知らせがでるのはかむことだ。

子どもの要約(指示の後)

胃や腸の具合を調整している脳。
食べ物をかむといい具合に量を調整する脳。

この指示は混乱を招いた。「かむこと」がぬけてしまった。文中の「かむことを通して」というフレーズを使わせた。

第7段落の要約

第7段落は、「ですから」に着目させて、中心文を確定し要約させた。これはすぐできた。

子どもの要約

体全体の成長や活動にとっても大切なかむこと。
体全体の成長や活動にとっても大切なかむこと。

第8段落の要約

第8段落は、1文目が中心文と分かればすぐできた。
 1時間で3段落分の要約は難しかった。第6段落の指示で混乱させたのが大きかった。中心文を押さえることが、6,7、8段落では重要であった。

5 教師の要約<教材研究>

教師が要約文を確定していないと、評定がゆらいで指導にならなくなる。
以下は教師の要約である。

第2段落 かむことで、飲みこみやすくなる食べ物。→食べ物を飲みこみやすくするかむこと。
 第3段落 かむことで強くなる歯、骨、関節、筋肉。→歯、骨、関節、筋肉を強くするかむこと。
 第4段落 かむことで健康になる歯。→歯を健康にするかむこと。
 第6段落 かむことを通して、食べ物の量を調整する脳。
 第7段落 体全体の成長や活動にとって大切なかむこと。
 第8段落 脳の働きを活発にする、かむこと。

いざ要約してみると、なかなか出来ないものである。二転三転することがあり、きっと子どももそういう状態なのだろうと思う。何度か書き出すと不思議と安定してくる。「迷ったら書け」である。


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