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TOSSランドNo: 3992888 更新:2012年12月29日

「正確な日本語」


1.向山氏の学年通信 ― 「ことば」 正確な日本語の授業

日本の言葉遣いについての向山氏の学年通信に載った以下の論を検討し、授業を組み立てる。

調布大塚小学校1979年11月5日『つうしん四年生』より

ことば
◇一昨日 NHKテレビで、言葉についての特集があった。その日に授業をしたこともあったので、興味深く見た。
例えば、「肉が食べれない」といういい方を 変だと思わない人が約半数いるというような調査である。多分これは年代の差もあると思う。ぼくは 変だと思わない年代である。しかし、ぼくは教師であるから、正確な日本語は一度はきちんと教えなくてはならない。テレビの中で、NHKのアナウンサーだけは正確であるが、あとは、かなりいいかげんだからである。

正確な日本語を教える授業は大切である。そこには、「言葉は世代によって変化する」ことと「伝統的な言葉を正確に伝えていくことが大切」ということの2つの側面がある。向山氏がこの通信を書いた時から30年以上が経ち、現在の状況での「正確な日本語」=「ことば」の授業を行う必要があると考えた。

2.日本語の乱れ

(1)「ら」抜き言葉  『つうしん四年生』より  

◇「肉が食べれない」「明日は来れない」「けがをして走れない」などは間違いである。“食べられない”“明日は来られない”“走られない”でなくてはいけない。「ら」がぬけ落ちているのである。

『続弾!問題な日本語』北原保雄(2005年発行)』に134名に聞いたアンケートがある。
これによると、「ら」抜き言葉は、年代別にみると、若い世代がよく使っていることが分かる。
特に10代が多用している。10代では、約7割が「見れる」を使うのに対して、50代では約8割が「見られる」を使うと回答している。
また、「ら」抜き言葉が使われる割合は、動詞によって異なる。「来る」「見る」「着る」「寝る」などの短い音節のものは「ら」抜きが多く使われている。反対に「信じる」「離れる」などの長い音節のものにはほとんど使われていないことが分かる。
また、人の「ら」抜きが気になるかどうかでは、10代の約6割が気にならないと回答している。反対に、20代以降から急激に気になる割合が高まっている。さらに、自分で「ら」抜きを気にするかどうかについても、10代と20代以降とで意識に差が生じている。

アンケート資料『続弾!問題な日本語』北原保雄(2005年発行)』
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(2)「い」抜き言葉

「い」抜き言葉も多く使われている。「い」抜き言葉は、「話している」という表現を「話してる」のように「い」を抜いて表現したものである。
「い」抜き言葉を使った表現は、口語では一般に使用されていて、違和感がないように感じる人が多いが、「ら」抜き言葉と同じで間違った表現である。

(3)「さ」入れ言葉

「読まさせていただく」「置かさせていただく」「歩かさせていただく」という表現は間違っている。
「さ」は不要で、「読ませていただく」「置かせていただく」「歩かせていただく」と表現するべきである。

(4)「れ」足す言葉

「行ける」を「行けれる」と表現するのが「れ」足す言葉である。構造としては、「行く」という動詞の可能動詞「行ける」に対して、さらに可能の助動詞「れる」を付与した形といえる。この言葉遣いは、西日本で使う人がいると言われている。

(5)若者言葉

若者言葉は現代に始まったことではなく、古くは清少納言の『枕草子』にも当時の若者の言葉の乱れに関する記述がある。現代の若者言葉は、テレビCMやドラマの台詞などから流行語となって日常化した物が多くみられる。

①めっちゃ(めちゃくちゃ) ②キモい(きもちわるい)③マジ(本当に)④ばっくれる(しらばっくれる)⑤ウザい(うっとうしい・面倒だ)⑥ヤバい(非常にまずい状態に陥っている)
⑦あけおめ(あけましておめでとうございます)⑧ことよろ(ことしもよろしくお願いします)

3.言葉の間違えた使い方

『つうしん四年生』より

「椅子にすわる」もまちがった使い方である。「すわる」とは、足をまげてくっつけた状態、正座やあぐらをいう。「腰がすわる」などの用法はこれから転じたものであり 重量感と安定感がある。椅子の場合は「腰掛ける」と使う。「着がえなさい」も間違いである。これほど間違いが使われている言葉も少なくない。「着かえなさい」でなくてはいけない。但し「着かえを持ってくる」などのように名詞として使う時は「着がえ」というのもよいとされている。半年位前、木村先生が「体操服に着かえなさい」というのを聞いたことがある。まれに、正確な言い方を聞いたので印象にあったのだ。

(1)「椅子に座る」と「きかえる・きがえる」について

椅子は、平安時代に身分によって用いられることがあったが、広く継続・普及しなかった。椅子文化が普及し始めたのは、明治維新以降である。文明開化によって、学校や役場などで椅子が用いられるようになったが、一般家庭に普及するには時間がかかった。和室や畳文化の生活習慣の中では、座布団が椅子の役目を担っていて、椅子を用いる必然性が低かった。その後、和室ではなく洋間が取り入れられるようになると、一般家庭でも椅子が用いられるようになった。
語源を考えると、「坐」は、土の上に人が二人であり、地面にそのまま坐ることだ。「座」は、屋根の下、つまり、家の中で「坐」することである。したがって、床にそのまま座ることだ。そこから考えると、「椅子に座る」は、間違いという事になる。
「きかえる」と「きがえる」について考える。『楽しいひなまつり』という歌の4番は「着物をきかえて 帯しめて … 」である。これが正確な言い方である。「…替える」という使い方をするときには「…かえる」と読むのが原則である。「靴を履き替(か)える」「壁の絵を掛け替(か)える」「着せ替(か)える」「マンションを建て替(か)える」「インクを詰め替(か)える」などである。「はきがえる」「かけがえる」「きせがえる」「たてがえる」「つめがえる」とは読まない。同様に「着替える」も「きかえる」と読むのが正しい。

(2)その他の間違いやすい表現(さまざまな調査より) グーグルの検索結果からの分析

①×「アボガド」47%(141,000件)   〇「アボカド」53%(162,000件)
②×「ふいんき」53%(23,300件)    〇「ふんいき」47%(20,400件)
③×「こんばんわ」59%(1,010,000件)〇「こんばんは」41%(690,000件)
④×「国敗れて山河あり」86%(4,360件) 〇「国破れて山河あり」14%(742件)
『バカにみえる日本語』誤字等日本語研究会より

有名な漢詩「春望」でさえ、漢字を間違えて検索した人が86%もいる。間違えた表現が広まっている。学校で正しく教えることが大切であると言える。(では、「依存」「河川敷」の正しい読みは?)
他にも次のような間違えた表現がある。

×「千円からお預かりします。」→〇「千円頂戴します」

預かるというのは、(人)から(もの)を預かる。そのため、千円からという表現が間違っている。
「千円から(消費税を)お預かりします」という気持ちで言っているのではないかという説もあるが、
正しくは、「千円頂戴します」「千円をいただきます」である。

×「歌わさせていただきます」→〇「歌わせていただきます」

×「すいません」→〇「すみません」

平成23年度「国語に関する世論調査」(文化庁)より

全国16歳以上の男女2000名以上のアンケート結果である。「すごく速い」のことを「すごい速い」と言い間違えるのは約半数に及ぶ。また、「腹が立つ」を「むかつく」という言い方で表現するのは半数を超えている。「むかつく」というのは普段からよく使われていることが分かる。

__

4.電話の応答

『つうしん四年生』より

◇教師というのは言葉使いが悪いそうで恐縮している。学校へ電話した時の応答はかなりひどいらしい。ぼくも注意はしているつもりだが、教師のわくからなかなかぬけられない。
―「加澤先生いらっしゃいますか」というのに対して―「加澤はただ今、出張しています。」
と、なかなか出にくい。「加澤先生は・・・」となってしまう。

人の呼び方は、内部と外部で異なる。内部(学校内・会社内)では「~先生」「~社長」でよいが、外部(保護者・社外の方)の人と話すときには、敬称を名前に付けないように表現をかえる必要がある。

5.「君」付け

『つうしん四年生』より

◇「向山君」と「君」は男言葉で、昔は女の子は使わなかった。それがいつのまにか女の子も使うようになっている。
教師なりたての頃は抵抗もあったが、今は何も感じなくなっている。

6.言葉の習得と親学

『つうしん四年生』より

<「うちのお母さんが・・・」というのは、間違えています。どう言えばいいのでしょうか?>の間に、手をあげたのは わずか2名であった。
 これは、もちろん学校でも教えるが、家でも教えていいのではないかと思う。言葉を習得する上で一番大きな影響を与えるのは両親であり、ついで家族、友人、教師であると思う。
 四年生ともなれば、その言葉の量、使い方には歴然とした差が出てくる。抽象的言語を操るには、三代の蓄積が必要であると 昔読んだことがある。そこまでいかなくても・・正確に伝え、聞くという習慣がほしいと思う。

向山氏は、昔から言っていることが一貫している。今の親学につながる内容である。2歳頃には、「ことばの爆発期」を迎える。語彙を豊かにするには、この時期に親からたくさん語りかける必要がある。6歳頃には、「ことばの第二の爆発期」を迎える。この時期の子どもは、知識欲旺盛で全てのものに疑問を持ち、聞いてくる。

7.授業の流れ

①読みます 「敬語」
②ファミコン敬語 聞いたことがある人?
③ファミレス コンビニでよく使われる敬語です。
④見てみましょう。 (映像)
「ご注文の方 以上でよろしかったでしょうか」
どの言葉が どの文字がおかしいのですか。
ノートに書きなさい。
「方」もう一つ。「よろしかった」
⑤正しくは「ご注文は以上でよろしいでしょうか」ですね。
赤です。読みます。
⑥ファミコン敬語 おかしいと思う人?おかしくないと思う人?
⑦敬語に関して「正しい敬語を伝えていくべきだ」という考えと
「自然のままに任せればよい」という考えが対立しています。
⑧聞きます。
正しい敬語を伝えていくこと
1.必要である
2.必要でない
3.分からない
⑨敬語がおかしくなってきている
根本原因は何か隣近所で相談してごらんなさい。
発表
⑩次です。読みます。「方言」
⑪方言を使う人が減ってきている。
そう思う人? そう思わない人?
⑫減ってきている
というのが学者の定説になっています。
⑬「方言は伝えていくべきだ」という考え方と「自然のままに任せれば良い」という考え方が対立しています。
⑭聞きます。
方言を伝えていくこと
1.必要である
2.必要とはいえない
3.分からない
⑮方言を伝えることはどんな意味があるのでしょうか。面白い調査があります。
「アホ」と「バカ」の境界線はどこか?の全国調査です。
⑯関西では「アホ」と言います。見てみましょう。(映像)
見たことがある人?
関東ではバカと言います。
⑰関西では「アホ」、関東は「バカ」
長野はどちらですか?「小嶋先生」「両方」
間に「タワケ」文化圏があることが分かりました。
長崎は?「久保先生」「バカ」
関西の「アホ」が関東と九州の「バカ」にはさまれているのです。
そしてここに「タワケ」です。
中国地方 ここには何があると思いますかあ?
「タワケ」があるのです。
方言周圏論と言います。
⑱京都では「バカ」という言葉が流行ります。
次に「タワケ」がはやるとバカとタワケが周辺に押しやられます。
京より遠いところに昔の言葉が残るということです。
⑲京の都で生まれた古い言葉が地方の方言に残っているのです。
方言を残すことは日本の古い言葉を生きたまま残すことになるのです。
⑳方言を伝えていくこと
1.必要である
2.必要とは言えない
3.分からない
㉑方言がおなしくなってきている根本原因は何か。相談してごらんなさい。
㉒敬語、方言がおかしくなってきている根本原因 先生は調べてみました。
戦後出された国語関係のありとあらゆる資料を調べました。
見つけました。
㉓これからの敬語
敬語は旧時代の上下関係を表すので基本的人権を尊重しない
日本人としてどう思います?
㉔新教育指針
方言は民主化をさまたげる
どう思います?
何かが見え隠れします。
㉕GHQ占領軍です。
㉖その元になったのはこの本です。「菊と刀」
ルース・ベネディクト著 親学で話題になっています。
㉗日本の伝統的な育児法
     ↓
集団主義的な人格を育てた
日本の子育てが大混乱しました。
㉘日本の伝統的な言葉
     ↓
階級主義的な日本人の人格をつくっている。
日本の国語が大混乱しました。
㉙読みます。
「占領政策によって正確な日本語が使われなくなってきている」
㉚敬語、方言を伝えていくことは
1.必要である
2.必要とはいえない
3.分からない
㉛正しい敬語 美しい日本語を子供に伝えていくために
次の時間から調べていきましょう。

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8.参考文献

①『金田一春彦 日本語セミナー五 日本語のあゆみ』金田一春彦 筑摩書房 ②『新版金田一先生の日本語〇×辞典』井上明美 学研 ③『問題な日本語』北原保雄 大修館書店 ④『続弾!問題な日本語』北原保雄 大修館書店 ⑤『朝日新聞で見つけたちょっとヘンな日本語』飯島英一 朱鳥社 ⑥『小学生のための「正しい日本語」トレーニング初級編・中級編・上級編』生越嘉治 あすなろ書房 ⑦『日本語の正しい使い方』永崎一則 PHP研究所 ⑧『正しい日本語で読み書きしていますか?』ベストセラーズ ⑨『はじめて読む日本語の歴史』沖森卓也 ベレ出版 ⑩『日本語の正しい表記と用語の辞典 第二版』講談社校閲局 ⑪『間違えると恥ずかしい日本語500』日本語倶楽部 ⑪『菊と刀』ルース・ベネディクト 教養文庫 ⑫『世界に通用する子供の育て方』中嶋嶺雄 フォレスト出版 ⑬『全国アホバカ分布考』松本 修 新潮文庫 ⑭『日本の方言地図』徳川宗賢 中公新書 ⑮『蝸牛考』柳田国男 岩波文庫 ⑯『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』中西輝政 PHP新書


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