TOSSランド

コンテンツ登録数
(2019/04/19 現在)

21596
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 6058274 更新:2012年12月28日

21世紀の教師に求めること


 21世紀の教育をどう作るかという課題がある。そのために現在の教育をどのように改革していったらよいのであろうか。
 学校の実態をみると不登校の子供が増え、いじめも相変わらず多い。不登校やいじめのない学校にするために、どのように教育を変革していったらよいのであろうか。
 向山洋一氏と梅原猛氏との対談に同席させていただく機会があった。その対談で、梅原猛氏は、心の教育、芸術教育、創造教育が大切であると述べられた。
 対談を聞いていて、共感することが出来た。21世紀の教師に求められているのは、まさしく三つの教育である。

 1.心の教育
 2.芸術教育
 3.創造教育

 これからの教育でもっとも大切なのは、心の教育である。
 不登校もいじめも根本は心の教育の不在からきている。何が大切でどのように生きていけばよいのかが不明確である。
 心の教育を具体的にどのように行っていけるかが教師の課題である。
 次は、芸術教育である。芸術教育の目的は豊かな感性を育てることである。豊かな感性がなければ、豊かな心は育たない。
 本物の芸術に接し、観賞するとともに自ら創り上げていく教育である。教師自らが豊かな感性を培っていくようにする。
 最後は創造教育である。今ある状態から新しい価値を求め、自ら生活を創造していく教育である。
 そのために教師は、「どのような内容をどのように指導していったらよいのか」という課題がある。

1.心の教育

 現在の学校教育に一番欠けているのは、心の教育である。
 何が真実で何が大切なのかの基準が明確に指導されてない。
 人間として絶対に行ってはならない行為とは何か、どのように生きていったらよいのかの基準を明確に押さえた指導が大切である。
 小学生に直接心の教育を説いても無理である。小学生には、間接的な指導が望ましい。
 心を育てる方法として、小学生には感性をみがいていくことが適切であると考える。
 年配のプロカメラマンと話す機会があった。
 「どうしたらよい写真が撮れますか」
 「写真は発見です。漫然と見ていては撮れません。洞察力、観察力が必要なのです。そのためにどんな写真が撮りたいのかのイメージを常に持って、潜在意識にまで働きかけていくのです」
 「具体的にどのようにするのですか」
 「私は高校野球の写真を撮る練習をしました。バッターがボールを打つ瞬間を撮るには、ピッチャーがボールを投げた時にシャッターを押すのです。それも右肩が動いた瞬間にシャッターを押すのです。
 ボールを捕る瞬間の場面は、ファインダーを見ません。ですから、予測能力が必要なのです。どうなるかを予測して撮るのです」
 経験に基づいた貴重な話をいろいろ聞くことが出来た。最後に次の質問をした。
 「写真で最も大事なのは何ですか」
 「感性ですね」
 一瞬、「感性とは何か」「どうしたら感性をみがくことができるのか」と考えた。

2.感性をみがく芸術教育

 現在の学校で、感性をみがく教育が行われているだろうか。
 知識・理解や技能面の指導は行われてきた。しかし、感性をみがく教育は重要視されてこなかった。
 いじめや不登校の問題がが叫ばれている。それらの問題を解決するには、理屈や論理以前に物事に対する鋭い感性が必要なのである。物事の本質を直感的にとらえる能力であるいじめをする時に理屈ではなく、感覚で「これはいけないことだ」と感じる心である。そのような教育はどのようにしたらよいのだろうか。
 前述のプロカメラマンに、「どうしたら感性をみがくことができるでしょうか」とたずねた。
 「写真を撮る時に一つのテーマを持つのです。例えば、一つの風景を決め何十年も撮るのです。あるいは、全国を歩いて黄色の物を撮って歩くのです。長く継続して見ていく中で物の多面性や本質性が見えてくるのです。
 物の多面性や本質性に触れる中で、感性がみがかれていくのです。物の善し悪しが理屈ではなく体で分かるようになるのです」
 プロカメラマンは、テーマを持って対象を撮り続け、物の多面性や本質性に触れる中で感性がみがかれると語ってくれた。
 教育も同じである。心を育てるには真・善・美に対する感性をみがくことである。
 真理とは何か、善とは何か、美とは何かという課題を持って教育していくことが大事なのである。
 現在の学校教育ではそういう視点での指導が欠けている。人間として生きていく上で、何が大切なのかを教えていないのである。
 では、どのようにしたら教育の場で感性をみがくことができるだろうか。
 感性をみがくには、本物を見せていくことが一番である。本物を見、本物に接することによって感性がみがかれていく。
 つまり、芸術教育を行っていくのである。本物による感動は、知識や理屈でなく子供の心に入っていく。
 芸術を通して心を育てていく教育のシステムを作っていくのである。
 マラソンのテレビ中継で、瀬古選手の走るのを見たことがある。瀬古選手のフォームは上下の動きがなく、視線が前方の一点を見つめ美しかった。
 美しいということは、無駄がないことであり、合理的な動きをしていることである。
 最小エルギーで最大の力を発揮している。つまり、動きの原則にのっとっているので、フォームが美しいのである。
 本物を見ていくことは、物を見る基準を作っていくことである。何が真理で何が善で何が美なのかを認識していくことである。
 芸術教育を通して本物に接し、本物を創る教育をしていくのである。

3.新たな生活をつくる創造教育

 次に大事なのは、創造教育である。
 新たな未知の課題にぶつかった時、どのように対処し、どのように新しい価値を創り出していくかである。
 創造するためには、そのベースとなる基礎がなければならない。小学校教育の最も大切な使命は、創造するために必要な基礎的・基本的な能力を付けることである。
 創造する土台が出来ていなければ、新しいものは出てこない。各教科の基礎・基本的な内容とともに、総合的な学習に示された内容である。
 特に国際理解、情報教育、環境教育、福祉・健康教育などは重要である。21世紀は今よりも国際化されているであろう。
 英語のコミュニケーション能力、コンピューターを駆使した情報活用能力などが必要になっていくであろう。
 そのために問題解決能力を付けていくのである。それには体験活動が効果的である。実際に体験させ、その中から課題を発見し、解決する力をつけていくのである。
 基礎・基本を習得させると同時に問題解決能力を体得させていくことが教師の仕事になる。
 教師一人の力では出来ない。学校全体で考え、取り組んでいく体制を作る中で可能になっていく。
 学校全体の課題として取り組んでいくのである。その中でカリキュラムが出来、評価し、修正されながら望ましい教育がなされていく。
 本物に触れていく中で心を育て、課題を解決し新たな価値を創造する教育を通して、不登校やいじめのない学校が出来ていくのである。
 21世紀の教師には、そのような教育を行ってほしい。


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド