通知表は、学校における子供の学習、行動、生活、健康などの状況を学校から家庭に知らせるためのものである。
指導要録とは異なり、学校で発行しなければならないものではない。
しかし、児童の学校生活をできるだけ広い角度から、しかもできるだけ客観的に記述して、家庭に通知していくことは大事である。
家庭と学校とが協力して、児童の望ましい成長を図っていくための資料としては必要になってくる。
新しい学力観に基づいた通知表の改善は、どのように行ったらよいのだろうか。
指導要録の改定に伴い、通知表に関わる内容も改善されていかなければならない。
まず行った改善は、低学年と中・高学年の通知表を別にしたことである。
指導要録の改定によって、低学年には、今までのような評定がなくなった。
そこで通知表でも削除した。
評定削除の変わりに、指導要録に示されている観点別評価にした。
1~2年の通知表は、観点別学習状況の評価だけにし、達成状況を評価していく。
低学年の教科の評定がなくなったのは、体験を重視することと基礎・基本の徹底という考え方があるからである。
生活科の場合、体験活動が多くなされてくる。これを今までの教科のように評定することは難しい。個々の子供に即して観点別に評価していくほうが良いと思われる。
生活科の目標に照らして評価していくのである。当然、低学年の通知表は大きく変えなければならなかった。
まとめると次の内容になる。
1.評定はつけない。
2.観点別評価をする。
A 十分満足できると判断されるもの
B おおむね満足できると判断されるもの
C 努力を要すると判断されるもの
3.観点は、指導要録の項目に準じる。
3~6年の通知表は、今までのような5段階の評定はなくなり、3段階にした。
3段階にした時の問題点は、今までのような割合がなくなることである。
達成度に応じて評定するわけであるが、その基準をどのように考えるかが問題となる。
今までは校内基準が設けられ絶対評価を加味した相対評価で評定されていた。
例えばA、B、Cの3段階であればAを20%、Bを70%Cを10%、などという校内基準が設けられ、各学級のバランスをとっていたので比較的評定しやすかった。
今回の指導要録の改定では、絶対評価が強調されている。基準に達成すれば何人でもAがつけられる。
通知表でも当然その考え方が適用されてくる。
所見には学習所見と行動所見とがある。本校では、それらを総合して一緒に書くことにした。
その時に問題になるのは、所見の内容である。今までのような長所と短所を一緒に書くのではなく、本人の良いところを中心に書いていくようにした。
書くポイントとして次の三点を示した。
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