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TOSSランドNo: 3525243 更新:2012年12月24日

「スイミー」 実践記録


教材について

 表現の要素として、次のような特徴がある。

 ・ 文末表現が常体となっていて、ひきしまった感じがする。状況、場面転換などが強く印象づけられる。
 ・ 文が短く、文体が常体で締めくくられているため、歯切れがよく、リズムを創って、子どもに印象強く受け止められる。
 ・ 比喩表現が多く用いられていて、情景を想像し、子どもたちがイメージ化することに大きく働いている。
 ・ 倒置法が多く用いられていて、緊迫感や心情の強調効果を発揮している。
 ・ 体言止めが多く用いられていて、歯切れのよさとともに、余韻を残す効果をもっていて、子どもたちに想像をうながす働きをしている。

 スイミーの主題について都留文科大学の鶴田清司氏は『「スイミー」の〈解釈〉と〈分析〉』(絶版)の中で次の三つにまとめている。

 ① 仲間がみんなで力を合わせること(協力・連帯)の大切さ
 ② 主人公が悲しい体験を乗り越えて集団のリーダーとして変化・成長したことのすばらしさ
 ③ 一人ひとりの個性や資質のちがいが仲間全体の力を高めることになること

 これらは、みんな妥当なとらえ方であるには違いないが、2年生にとってはどうであろうか。
 ①は、1年生の物語教材「おおきなかぶ」などの主題につながるものであり、比較的わかりやすい主題であろう。
 しかし、②と③はどうか。2年生が一読して、捉えるには抵抗のある主題であると考える。
 ③は自分とはどういう存在か、自分にしかできないことは何かという「アイデンティティー」・「個の確立」というテーマであり、ここまで読みとることは2年生には抵抗が大きい。
 ②について。スイミーの冒頭では、「ただ一人だけまっ黒」「だれよりもはやい」とスイミーの特徴が書かれている。
 この印象だけが先行したまま本文を読んでしまうと、スイミーの成長としての読みとりはできないが、本文を詳しく読んでいくと、スイミーは始めからヒーローなのではなく、成長していくことがわかる表現があることに気づく。
 ②の主題は、読み流してしまうと2年生では気が付かないが、本文を丁寧に読むことができれば、2年生でもとらえることのできる主題である。
 2年生にとって、②の主題を考えさせることは、適度な抵抗をもった学習課題になりうる。
 そこで、教師の発問・作業・友だちとの話し合いをもとに、主題に迫っていくよう学習計画を組み立てる。
 学習が進むに連れて、主題が明確になり、また①から②へと自分たちの考えが広がっていく。
 子どもたちにそのような向上的変容が見える授業をしていきたい。

指導の記録

【1~3時間目】

○ 「スイミー」の範読を聞き、初発の感想を書く。
 ・思ったこと
 ・考えたこと
 ・はてな

○ 本文がすらすら読めるように、音読をする。
 ・追い読み、交代読み、(2人組、班、列等)
  リレー読み、たけのこ読み、など。
 ・叙述の特性に照らし、読み方の工夫をする。

【4~5時間目】

○ スイミーの設定を確認する。
 ・登場人物について
 ・主役、対役はだれか
 ・スイミーが海で出会ったものは、何か。

【6~8時間目】

○ 子どもからの「はてな」を解決する。

 ・ スイミーの大きさは、何センチなのか。
 ・ 「こわかった。さびしかった。とてもかなしかった。」とは、それぞれ何がそうだったのか。
 ・ 「うなぎ。かおを見るころには、しっぽをわすれているほどながい。」とはどういうことなのか。
 ・ スイミーのきょうだいたちと、小さな魚のきょうだいたちの関係はなにか。
 ・ 海で一番大きな魚のふりをするのは、すぐにできたのか。

  ※「はてな」の解を本文の叙述をもとに、検討する。

【9~11時間目】

 ○ 主題に迫っていくための対比をする。

  ☆小さな赤い魚たちとまぐろを比べてみよう。

  ☆スイミーと小さな魚たちを比べてみよう。

 ○ スイミーの主題に迫るための課題を解決する。

 ☆なぜ大きな魚を追い出すことができたのですか。

 ☆スイミーはどうして目になることができたのですか。

 ◎スイミーの外見的特徴について
  ・スイミーの体の色が黒いから。
  ・大きな魚の目にぴったりの色だから。
  ・他の魚が赤いから。
  ・誰よりも速く泳ぐことができるから。

 ◎スイミーの内面について
  ・スイミーがかしこいから。
  ・スイミーが勇気があるから。
  ・みんなの先生みたいだから。

 ◎スイミーの成長に関わることについて
  ・みんなのリーダーになったから。
  ・みんながスイミーのことを認めたから。
  ・スイミーの心が成長したから。

  ※ 子どもたちの話し合いの様子をみて、①~④の発問をし、子どもの思考を活性化させた。

【子どもの思考を揺さぶる発問】

①もしも、スイミーの体が赤かったら、どうだろう。
②スイミーの仲間が全員黒い魚だったら、どうだろう。
③「目になる」というのは、どういう意味があるのだろうか。
④スイミーは始めから、賢く勇気のある魚だったのだろうか。

【12時間目】

○ スイミーを学習してのまとめの作文を書く。

 例:「スイミーの成長」

【13~14時間目】

○ レオ=レオニの本を読む。

○ 友だちに、レオ=レオニの本の紹介をする。


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