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TOSSランドNo: 8254816 更新:2012年12月21日

ボランティア精神を育てる道徳授業


阪神・淡路大震災  実践記録

発問1:

皆さんの、家族の人やクラスの友達が一人でも死んでしまったら、どう思いますか

「つらい。」「かなしい。」などの意見が出てくる。
「たった一人でも、死んでしまうということは悲しいことですね。」とすべてを認めて、

発問2:

この写真は、阪神・淡路大震災のときの写真です。
この大震災について、知っていることはありますか。

阪神大震災の写真を提示する。私は資料として、次の物を提示した。
「サンデー毎日」臨時増刊号(2月4日号、2月18日号)(毎日新聞社 発行)

説明1:

実は、この大震災では、何と6300人以上の人が死んでしまったのです。
大変な地震でした。
高速道路は倒れ、大きなビルは壊れました。
また、地震で起きた火災によって、多くの家が焼けてしまいました。

資料1を配布し、教師が範読する。

「下野新聞」平成8年1月17日をもとに作成
資料1
 神戸のなだ区にすむ向山正義(むこうやま まさよし)さんは、年老いた母と2人で暮らしていた。
 5年前までは社長として働いていたが、経営がうまくいかず、ついに会社はつぶれてしまった。
 新しい会社をおこした向山さんは、「今度こそ」と、
それこそ「がむしゃらに」という言葉がぴったりくるぐらい一生懸命働いた。
 ある時、となりに住む女の人から声をかけられた。
 小学校5年生の娘さんと一緒だった。
 「こんにちは」とあいさつをされたものの、ほとんど近所づきあいのなかった彼は、
軽く会釈をするだけだった。
 仕事人間で、近所づきあいは全くなかった。 
 1月17日の早朝、あの阪神淡路大震災が向山さんをおそった。
(阪神大震災のビデオを見せることができる場合は、以下の文は省略。)
 ものすごいゆれだった。はげしく横にゆれたかと思うと、たてにどーんとはげしくゆれ、
まるで3階から落ちたようなしょうげきを受けた。
 とだなの中に入っていたお皿などは、すべて床に落ち、今にも天井が落ちてきそうだった。
 「母さん。大丈夫かい。どこにいる。」
彼は声を張り上げて、母をさがした。
 そして、見つけた。
 このはげしいゆれで、うまく立てないようだ。
 母をかかえたまま、一目散に外で逃げた。
 その他には、何ももって逃げることはできなかった。
 2人が外へでたとたん、家が大きな音を立ててくずれてしまった。
 子どものころの思い出のいっぱいつまったアルバム、みんなで楽しく見たテレビ、
子どものころから家にあったタンス、それらのすべてががれきの下じきになってしまった。

説明2:

ここで、阪神淡路大震災のビデオを見ます。

ビデオがない場合は、資料2の冒頭の部分を読む。
ビデオは、1995年末に放映されたNHK「1995年 この1年」を利用した。
ただ気をつけたいのは、地震のビデオを長く見させてしまうと、
その衝撃があまりにも大きいため、子どもたちの印象が決定づけられてしまう。
地震の様子が分かる程度におさえる方がいい。

資料2を配布し、教師が範読する。

資料2
 生まれ育った町は、一面地獄のようながれきの山となってしまった。
 あの女の人がいた隣の家もつぶれていた。
 遠くからすすり泣きが聞こえてきた。
 だれだろう。聞き覚えのある声であった。
 がれきの中を、声を頼りに歩いていくと、あのとなりの女の人であった。
 かすれた声で、娘さんを呼んでいた。
 女の人の腕の中では、あの娘さんがいた。
 顔に生気はなく、すでに死んでいた。
 昨日まで元気に遊んでいた少女が、あっという間に死んでしまったのである。
 女の人は、もうかなり泣いたのであろう。
 声にならない声でさけんでいた。
 涙でいっぱいであった。
 その姿を見ていた向山さんは、声すらかけることがでいなかった。
 その夜、近くの公民館で一夜を過ごした彼は、
何か使えるものはないかさがしに、自宅あとに戻ってきた。
 しかし、家具類はすべてこわれてしまい、破れた写真や汚れた洋服を取り出すのが精一杯だった。
 それでも、使えるものはなんとか取り出そうと必死になっているとき、後ろの方から声をかけられた。
 「ご家族にけがはありませんか。」
その声におどろき、ふりむくと、そこには何とあのとなりの女の人が立っていた。
 「いえ、母も私も大丈夫です。」
そう答えると、
 「そうですか。それはよかったですね。何よりです。」
と言って、笑顔を見せた。そして、
「お体に気をつけてくださいね。お母さんを大切に。」
そう言い残すと、そのまま去っていった。
 彼はがく然とした。ショックを受けた。返す言葉もなかった。
 自分のお子さんが死んでしまったのに、自分のことよりも人のことを心配してくれている。
 今までの自分は、いったい何だったのだろうか。
 自分のことしか考えなかった自分を、恥ずかしいと感じていた。
 向山さんは、母とともになだ区の公園内でテント生活に入った。
その間も、あのとなりの女性の声が耳からはなれなかった。
 「何か自分にできることはないだろうか。」
 彼はいつもそう考えていた。
 「そうだ、困っている人たちのために、ボランティア活動をしよう。」
彼はそう思いついた。
 夜はとても冷え込み、明け方などマイナス5度にもなってしまうことがあった。
 テントはすきま風が入り込み、寝袋の上にふとんをくるんでもあまりの寒さで、眠れないこともあった。
 雨や雪が降ったりすると最悪であった。
 雨水はようしゃなくテントの中に入り込み、ふとんをびしゃびしゃにぬらした。
 一度ぬれてしまったふとんは、なかなかかわかず困ったが、それでもないよりはましと、ぬれたふとんを使っていた。
 それでも、彼はボランティア活動を行った。
 彼は毎朝5時に起き、届けられる食べ物や洋服などを困っている人たちに配っていた。
 洋服や食べ物などは、全国から届けられた。
 皆、うれしそうな顔をしたが、今までの生活からがらりと変わってしまった生活に、
涙する人もいた。 
 向山さんは、その他に、少しでも時間があると、公園内をそうじした。
 トイレや木の下など、すみずみまで掃除をした。 
 テント暮らしが続くと、人々は不安がいっぱいになり、ちょっとしたことでけんかになることもあった。
そんな人たちのけんかの仲直りもした。
 とにかく、地震で被害にあった人たちのために、寝るひまもおしんで一生けんめいにボランティア活動を行った。
 6月に入り、会社から
 「仕事を開始したので、すぐに戻ってきてほしい。」
という電話を受けた。
 彼は迷った。
 もう自分の仕事に戻った方がいいのではないか、そうも考えた。
 しかし、彼は仕事にもどらなかった。
 自分のことより、人のことを心配してくれた、あの女の人の言葉が耳からはなれなかったからだ。
 向山さんは、ちゅうせんで、新しく住む家があたった。
 しかし、彼はそこに住もうとはしなかった。
 年老いた母を住まわせ、自分は今もテントぐらしを続けている。
 その公園には、行くあてのない3家族が住んでいる。彼は、
 「たくわえはなくなってきたけど、最後の人がでるまでがんばる。自分はそれから仕事をさがします。」
と言っている。

発問3:

向山さんが、ボランティア活動をしようと考えたのは、どうしてだと考えますか。

女の人が、自分の子どものことよりも、他の人の心配をしてくれたから。
となりの人が、人の心配をしてくれたことを見習ったから。
女の人のように、他の人のために何かをしてあげたかったから。

資料3を配布し、教師が範読する。

ひなん所でくらしていた6年生が、地震の直後から春休みが終わるまで、
毎日、低学年のために紙芝居を上演してあげた。
 ほかの学年の中には、ひなん所のごみ拾いを自分からはじめた。
 その後も、運動会や音楽会などに、一生けんめい取り組んだ。
 この大震災を通して、物事に真剣に向き合う子が増えた。
 人への思いやりを頭でわかるのではなく、体で身に付けたようだ。

発問4:

皆さんと同じ小学生の活動を聞いて、どう感じましたか。

指示1:

今日の学習から、感じたり気付いたりしたことをノートに書きなさい。

私は、あんまり大きい地震にあったことがないから、どんなにこわいかわからなかったけど、
ビデオを見ていたら、大きい地震子どもをなくしたら、母親をなくしたりした人もいる。
 建物の下じきになった人もいるが、助けられた人もいる。
 ひがいにあった人に、何かしてあげたいと思った。 

 私は大きなじしんにあったことはないけども、もしあったら自分から進んでボランティアをしてみたいです。
 家族をうしなったことはないけれど、かなしいことはありました。
 でも、家族をうしなったことは、どんなにかなしいことかわかりました。

 じしんは、とってもこわいということがわかった。
 しんど7や8など、高いのはうけたくない。
 しんどの高いじしんがおこったら、ボランティアをしよう。

 たった何秒かの間に、6千5百人もの人が死んでしまったことは知りませんでした。
 もし、私がこうなったら、何もできないと思います。

 阪神あわじ大しん災がおこっても、人のためにはたらいたり、ごみ拾いをしたりする人がいる。
 それが、私はとてもすごいことと思った。

  反省点
・地震のビデオなどを長くしてしまうと、子どもたちはそれにばかり目がいってしまい、ボランティア内容が薄れてしまう。
・向山さんの心の内をあまり強調してしまうと、「どうしてか」ということを考えることをじゃましてしまう。


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