運動会の花形の一つが応援団である。
赤、白組のそれぞれを率い、応援を作っていくのは、とてもかっこよく、子どもたちの応援団へのまなざしも熱い。
ゆえに、応援団に熱望する子が多くいる。
やる気があっても、集団で1つの演技を作り上げていくためには、教師のサポートが必要である。
応援団担当として、1回目(団結式)にどのような指導をするのか紹介する。
応援団の子どもたちを前に、最初に次のような話をする。
説明1:
「運動会が成功するかどうかは、応援合戦の盛り上がりによって大きく左右されます。
全校のみんながまとまり、素晴らしい応援となったときには、運動会全体も盛り上がり、成功となります。
その中で、君たち応援団は、全校のみんなを引っ張る大切な役です。当然、やる気がない人には無理です。また、全校のお手本としての行動も求められます。普段の生活をだらだらしている人に、『ちゃんと声を出してください』と言われて、人は言うことを聞くと思いますか。当然、聞きません。応援団となって、みんなを引っ張るというのは、生活すべての面でもお手本となる必要があるのです。」
全員の意思を確認することが、今後の運営で極めて重要となる。
趣意説明の後、次のように話す。
説明2:
「応援団は、とてもかっこいい役であり、最後まで立派にやり遂げた後は、充実感、達成感を味わうことができます。
でも、そこに至るまでには、苦しい、大変だ、もう嫌だ、やめたい、と思うこともきっとあるでしょう。
だから、中途半端に『ただかっこいいから』なんて気持ちで来ている人には、続けることが無理です。
本当にやる気がある人だけ、どんなにつらいことがあっても、最後までやり遂げるぞという強い意志がある人だけでいいです。」
ここまで話した後、意思表示をさせる。
指示1:
「最後までやる気をもって、絶対にやり遂げるぞという人は立ちなさい。」
当然、やる気をもって集まってきたわけだけから、全員が立つ。
続けて言う。
説明3:
「周りを見てごらん。これだけのやる気がある人が集まったのだから、絶対にいい応援ができます。
先生もみんなのやる気がいい応援につながるように、全力でサポートします。
いい応援にしていきましょう。」
ここまでぐっと引き締まったいい雰囲気が出ている。
そこで、そのやる気を具現化させ、さらに鼓舞させる。
指示2:
「よし、じゃあ、みんなのやる気をみせてもらいます。
全員、体育館のステージにあがって、自己紹介をしてもらいます。最後には、なんでもいいから応援を1つしてください。『フレーフレー赤組』とか。」
いきなりこんなお題を出され、子どもたちは一瞬たじろぐ。
畳みかけるように言う。
説明4:
「みんなは全校の前でやるんだよ。こんな応援団ぐらいの人数の前でひるむようじゃあ、話になりません。」
まずは、団長(または、団長希望者)にやらせる。
教師は、体育館の後方で聞く。
団長を希望するぐらいの子であるから、堂々と1発目をやり遂げる。
その勢いが周りの子へも伝播する。
普段、教室で大人しくしている女の子も、担任からすれば信じられない!という大きな声を出す現象も起きる。
全員に自己紹介をさせた後は、子どもたちの行動をしっかりとほめる。
説明5:
「いや、すごいね。いきなりやれって言われて、なかなかあそこまでできるもんじゃあありません。
今年の運動会は、きっと大成功でしょうね。
みんなのやる気をみてて、そう確信しました。」
以上の4点を、第1回目のあつまり(団結式)で行い、応援に向けた雰囲気づくりを行うとともに、メンバーの士気を高める。
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