制作者 | 武田晃治 |
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学年 | 小5 |
カテゴリー | 国語 |
タグ | 想像力のスイッチ 想像力のスイッチを入れよう |
推薦 | TOSS横浜 |
修正追試 | 子コンテンツを検索 |
5年生最後の説明文的文章、論説文教材。
目標を
「自分の考えを明確にして読むこと」
「筆者の考えに対する自分の考えを伝え合い、自分の考えを広げたり深めたりすること」
とした。
黙読、読み聞かせをしたあとに、「考えたこと、思ったこと、疑問点」をノートに箇条書きさせた。
子どもたちからは、次のような感想が出た。
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・自分にも思い込みがあったのだと思った。
・メディアは、本当のことを言っていないのかもしれない。
・同じ出来事でも、何を大事にするかによって、発信する内容がずいぶん違ってくる。
・思い込みがテレビなどを通じて、いろんな人に伝わるのは、とても危ないことだと思った。
・事実か印象か、見分ける力が必要である。
・メディアの情報をそのまま信じるのではなく、想像したい。
・情報を伝える側も受け取る側も気を付けないといけない。
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分かりやすい文章なので、疑問点はほとんど出ない。
内容の大体はつかんでいる。
今後は、最初に記した目標の通り自分の考えを広く深くもてるようにしていく。
前時に書いた感想の発表の後、音読と難しい語句の確認を行った。
文章構成について、確認をした。
「文章全体を3つに分けてごらんなさい。」
全16段落の文章。
子どもたちは、次のように分けた。
A ①②③④⑤⑥ / ⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭ / ⑮⑯
B ①②③④⑤⑥ / ⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬ / ⑭⑮⑯
C ①②③④ / ⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭ / ⑮⑯
D ①②③④⑤⑥ / ⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮ / ⑯
E ①②③ / ④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬ / ⑭⑮⑯
F ①②③④⑤⑥ / ⑦⑧⑨⑩⑪⑫ / ⑬⑭⑮⑯
代表の子どもに黒板に書いてもらい、みんなで検討した。
「Bは違う。⑭に『この報道』とあるので、⑬で区切れない。」
「Cは違う。⑤に『例えば』とあるので、④で区切れない。」
「Dは違う。まとめは、⑯ではなく⑮から始まっている。」
「Eは違う。④に『これは』とあるので、③とは分かれない。」
「Fは違う。⑫⑬は、監督の話だから、分かれない。」
検討した結果、Aが正しいということになった。
筆者は、「想像力のスイッチを入れよう」と読者に呼びかけている。
想像力のスイッチを入れるとは、具体的にどうすることなのか。
文章中で筆者が提案している内容を、教科書に線を引きながら見付けさせた。
ここでは、グループ学習を行った。
筆者が提案している内容は、5つある。
グループで話し合い、4人が一致したら教師のところへ報告をさせた。
その後、クラス全体で筆者の考えをノートにまとめた。
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想像力のスイッチを入れるために、筆者は5つのことを提案している。
①冷静に見直す。
②一つ一つの言葉について、「事実かな、印象かな。」と考えてみる。
③「他の見方もないかな」と想像する。
④伝えていないことについても想像力を働かせる。
⑤結論を急がない。
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文章を読むことは、筆者と読者とのコミュニケーション、キャッチボールである。
筆者の考えを受けての自分の考えを、書かかせた。
指示1:
共感したことや疑問等、自分の経験をもとにして考えを書きなさい。
授業の最後に、指名なし発表で、クラス全員の考えを交流した。
以下、子どもたちの発表の一部である。
わたしは、①のことに共感した。
なぜなら、こんな経験があるからだ。
それは、テレビや新聞を見てだいたいのことは本当だと信じていたら、もう一度やったときには違うことになっていて、頭の中が混乱したことだ。そのときは、何を信じたらいいのか分からなかった。だから、あのとき、冷静に見直せばよかった。
あと、③のことにも共感した。それはニュースを見ているとき、信じたくないこと、疑問に思ったことがあったが、結局、そのニュースを信じたら、ちがったことだ。あのときも、もっと想像力を働かせたらよかったなと思った。
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メディアが伝えたことは、すべてそうだと思い込んでいた。これからは、すべて思い込むのではなく、いろいろなことを想像していこうと思った。また、結論を急がないという考えにも賛成で、結論を急いでいたら、メディアが伝えたことは思い込みになってしまうかもしれないからだ。
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ぼくは、結論を急いで失敗した事がある。それは、アイドルの解散報道だ。いろんなニュース番組で「解散」という報道があったので、信じ込んでいた。そして、学校で「解散するんでしょ」と言ってみんなで話していた。だが、解散しなかった。このことから、結論を急がないことは大切だと考えた。
また、ぼくは、伝えていないことについても想像力を働かせるということに共感したことがある。それは、ある元スポーツ選手が覚せい剤をしていたというニュースをやっているとき、何で「覚せい剤なんてやっちゃったんだろうね」とお母さんと話していたら、後日、そのとき思わなかった新しい事実が次々に分かった。お母さんもぼくも、最初に聞いたニュースを思い込んでいたと思っていた。
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わたしは、①の冷静に見直すことが大切だと考えた。
なぜなら、ニュースをみているとき、冷静に見ていなかったから、まちがった情報をお母さんい伝えてしまったことがあるからだ。
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わたしは、作者に共感した考えがある。
それは、勝手に思い込むのはよくないということだ。
わたしの経験の中でも、次のようなことがあった。
パッケージに、「○○限定」と書いてあるおかしがあった。この場所にしか売っていないと信じていたら、自分の地域のデパートに売っていた。このことからも、書いてあることは本当のことだと簡単に信じてはいけないと思った。
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①のメディアが伝えた情報について冷静に見直すということに賛成だ。
なぜなら、親からメールをもらったとき、内容を早とちりして間違ったことを信じてしまったことがあるからだ。
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わたしは、1番のメディアが伝えた情報について冷静に見直すということに共感した。なぜなら、冷静に見直せば、事実か印象かもわかるからだ。
この前、「アイドルの解散」という情報をテレビで見た。わたしは、それを見たとき、何も考えずに驚いて信じ込んでしまっていた。
しかし、そのあと結局そのアイドルは解散しなかった。この経験から、何も考えずにメディアの情報を信じるのではなく、いったん冷静に考えてからその情報について考えたいと思った。
また、5番の結論を急がないに共感した。なぜなら、結論を急ぐと間違った情報が入ってきてしまうことがあるからだ。
これから、結論を急がずに、情報を頭に入れたい。
筆者は、次のように書いている。
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思い込みを防ぐために、メディアの側も、情報を受け取る側も、それぞれに努力が必要なのである。
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文章中、「情報を受け取る側の努力」については、書かれているが、「メディアの側の努力」については、書かれていない。
「メディアの側の努力」とは何なのか。ここを考えてみた。
考えるためには、具体的な素材が必要だ。
ふと頭に浮かんだのは、「箱根の火山活動」のニュースである。
図書館に行って、当時の新聞各紙の報道を調べてみた。
新聞によって報道の仕方が違った。
教材として扱ったのは、平成27年5月7日(木)の朝日新聞夕刊と読売新聞夕刊である。
(名前が分からないように、A新聞・B新聞とした。)
発問1:
A新聞とB新聞、どちらがよい報道ですか。
「メディア側の努力」という視点で、1時間、じっくりと読んで各自、分析を行った。
宿題で、家の人の意見も聞いてくるように伝えた。
次の時間に討論を行った。
A新聞4人、B新聞25人。
B新聞を支持する子(保護者)が多かった。
主な理由は、噴火警戒レベルの説明の詳しさである。
B新聞は表を使っていて分かりやすいというものだった。
また、見出しの付け方や、誰にインタビューをしているかにも着目した子がいた。
討論後、話し合ったことをもとにして自分の意見をノートにまとめた。
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