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TOSSランドNo: 5900430 更新:2012年11月06日

算数が苦手なA君が100点を採るまでの4つのポイント


 算数がとても苦手なA君がいた。
 筆圧が弱く、字形も整いにくかった。
 1学期の最初に、前年度の学力テストをした際には、30点だった。
 その彼が2学期に、比例のテストで100点をとった。
 そこに至るまで、A君にどのように対応したのか、4つのポイントをもとに紹介する。

1 学級に写してもいい雰囲気をつくる

 子供達は、「人の考えた意見は真似してはいけない」と思う傾向が高い。
 テストではもちろんそうだろうが、その印象が全てを覆っている感がする。

 学級を4月に担任したときには、この「写すことはいけないことだ」という概念を覆すようにしている。
 写すことで文化を守り、発展させてきたという授業を仕組むのも行っている。
 また、世の中で発見、発明されたものの90%以上は誰かの考え、発見の真似であるという事実も紹介している。他にも、授業中ことあるごとに、次の趣意説明を行っている。

指示1:

「分からなければ黒板を写しなさい。写すのも大事な勉強です。分からなくても、不思議と 写してちゃんとやっていたら、算数ができるようになるのです。一番いけないのは、何もしないことです。

 大事なことなので、何度も何度も繰り返す。
 次第に学級に、「写すことは1つの学習方法である」という認識が定着していく。
 このことによってA君をはじめ、勉強が苦手な子でも周りの視線を気にすることなく堂々と写すことができるようになる。

2 答えが黒板に書いてあるようにする

 A君に、問題を解くときに「自分で考えなさい」と言っても、かなり難しかった。
 できない問題がほとんどであった。

 黒板に答えが書いてあれば、A君もそれを写すことができる。
 たとえば、練習問題が4問あったとする。
 早くできた子から黒板に書かせる。計算が速い子は、すぐにできるので、黒板にはすぐにずらっと答えが並ぶ。

 あとは、全体で丸付けをし、そして、詰めとして全員に読ませていく。
 丸付けと、言わせることは、全員のためでもあるし、A君に黒板を写す時間を保障していることになる。
 
 また、早く終わった子の空白時間を無くしていることにもなっている。もし、早く終わった子達に、A君が写し終わるまで何もさせていなかったら、騒然となることは間違いない。

3 赤鉛筆で答えをリードする

 問題を写させるといっても、黒板にずらっと答えを書かない場面もある。単元終りの練習問題、プリントなどである。
 こういうときには、赤鉛筆を活用する。机間巡視しながら、すっとA君に後ろから寄り添い、赤鉛筆で薄く書く。答えを全部書くというよりは、答えの直前までをリードするイメージだ。

 たとえば、分数÷分数の計算は、解くまでに粗く言って4つのステップがある。

(1) 分数×逆数にする
(2) 一つの式に変換する
(3) 約分する
(4) 計算して答えを出す

 詳しく言えば、さらに(3)は①見つける、②÷数を立てる、③分母と分子を割る、という3つのステップに分解される。

 A君がつまづいていたのは、(1)と(3)の①、②、③であった。分数×分数の計算と混同して、混乱していた。A君は、かけられる数を逆数にしたり、かける数を逆数にしなかったりしていた。
 また、約分に関しては全くといっていいぐらいできなかった。

 このときには、(1)のステップを口頭で指示した。「かけ算にして、ひっくり返すんだよ。」だけをノートに書くようにした。

 さらに(3)の約分では、赤鉛筆で写す約分する数に斜線を引き(①のステップ)、÷2(②のステップ)と横に書いた。こうすることで、③のステップは自力でできた。
このように、A君がつまづいている箇所を見抜き、そこだけを赤鉛筆で補助する形をとっていった。

4 励まし続ける

 A君は、教師から授業中に質問されるだけで体をびくっとさせていた。分からない問題に対して委縮している感じであった。
 それは、これまでできないことの繰り返しの結果であるように思えた。

 A君には、特に励ますことを心がけた。問題も最後になることが多く、「A君よく最後までがんばったな」、「えらいなぁ、きちんと最後までやったんだから」など声をかけ続けた。

 A君は、何度も日記に書いていた。
「ぼくは算数がとても苦手です。でも最後までがんばってやっていきたいです。」

 こうした日々の積み重ねによって10月に自力で100点をとることができた。積み重ねの大きさを改めて感じた。

 100点をとったという事実が、A君のがんばりの大きな支えとなったことは言うまでもない。さらに、周りの子のA君を見る目が少し変わった。
 
 それ以降、A君にできないところはたくさんあったが、それでも最後までがんばることを続けていくことができた。


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