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TOSSランドNo: 1145162 更新:2012年12月12日

最新環境教育・日本企業の温暖化対策を授業する(2)


1.知床を汚すペットボトル

2005年に世界自然遺産への登録が決まった知床半島。「最後の秘境」と形容される通り、手つかずの自然が残っている。
その知床の海岸に1頭のトドが打ち上げられた。数日間、悲鳴を上げ続けた後、息が途絶えた。解剖後、胃の中からペットボトルが発見された。

2.《マテリアル・リサイクル》の限界

ペットボトルは、ここ10年ぐらいで急速に普及した。それは《安全で衛生的・軽い・透明で安心・割れない》という利点があるからである。
ペットボトルの生産量は、10年で2倍に増えている。2002年度の数値で見ると、国民1人当たり20本弱(500mlのペットボトル)を使用している計算になる。
リサイクル率は、1997年以降、飛躍的に伸びている。これは、同年4月に施行された容器包装リサイクル法に基づく流れである。
リサイクルが始まった当時、ハンガーや傘、レインコート、カバンなどが開発・販売された。

発問1:

これらの商品は、売れたでしょうか。 売れなかったでしょうか。

現代は、「価値」の時代である。「リサイクル」という言葉だけで商品は売れない。
リサイクル率を上げ、採算を得るために、各企業は《ボトル to ボトル》を合言葉に技術開発を進めた。しかしながら、当時、ペットボトルは洗浄して砕いてとかす《マテリアル・リサイクル》が主流であった。これでは、ボトルのキャップや付着したゴミをすべて取り除くことはできない。政府は「人体への影響を考えたとき、直接口にする部分をリサイクル品で賄うことは許可できない」とペットボトルへのリサイクルを認めなかったからである。

3.《ボトル to ボトル》への挑戦

この難題に挑戦した企業がある。
それが、(株)帝人ファイバーである。帝人ファイバーは、使用済みペットボトルを化学的に分解し、異物を取り除かなくてもペットボトルにリサイクル技術を確立した。これを、『ケミカル・リサイクル』という。その結果、年間5万トン、500mlのボトル17億本相当の再生が可能となった。
ペットボトルがリサイクルされる流れを確認した。次のようになる。

《使用済みペットボトル→フレーク→DMT(テレフタル酸ジメチル)→TPA(テレフタル酸)→PET樹脂→ペットボトル

ここでは、実物を提示して説明した。(DMTとTPAは人体に害を与える危険性があるため授業終了後に返却した)
『ボトルtoボトル』の技術を確立したのは、世界で帝人ファイバーだけである。帝人が開発した技術によって、2003年度のリサイクル率は49%に達した。2004年は、50%を越えることが確実視されている。世界最高の数値である。しかも、石油から製造した場合に比べると、消費エネルギーは2割・CO2排出量は5割削減となる。しかも、DMTの純度は石油から精製するよりもペットボトルからリサイクルする方が高品質になる。まさに、夢のような循環型リサイクルシステムの完成である。

指示1:

帝人の技術は《向山型サイクル図》に、新しい1本の太い矢印を入れることになります。矢印を1本、書き加えなさい。

次のようになる。

Sya2004-24-1

発問2:

帝人の技術だけで、知床のトドを救うことができるでしょうか。

正解は「NO」である。
リサイクルの流れに乗らないペットボトルは分解されることなく半永久的に存在することになる。
この流れに歯止めをかけようとしている研究者がいる。三重大学の舩岡正光教授である。舩岡教授は、木材に含まれる樹脂(リグニン)からプラスチックと同じ素材をつくり出すことに成功している。もちろん、ペットボトルをつくることもできる。

発問3:

木から抽出したリグニンできたペットボトルを、土に埋めるとどうなりますか。

正解は「微生物に分解されて土に返る」である。これを『生分解性』という。
帝人ファイバーが開発した技術と舩岡教授が開発した技術。21世紀を生き抜く人々に、明るい未来を約束している。


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