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TOSSランドNo: 7259356 更新:2014年01月14日

「力のある資料」で創る低学年の道徳授業


二 すぐれた児童の作文を活かす                      石黒 修

低学年の道徳では、「正しいことは正しい」「悪いことは悪い」ということを明確に教えることが大切である。
子どもたちには「どれが正しいか」という明確な規範はない。
だから、いくら「どれが正しいのか」を考えさせても、正しい考えがでるとは限らない。
だからこそ、「正しいことは正しい」と明確に教えなくてはならないのである。

教師は、「正しいことは正しい」「悪いことは悪い」ことを長々と、それも場当たり的におしつける。
「お説教」である。
説教は長ければ長い程、焦点がずれる。
時には、何について説教しているのか、されているのかもわからなくなる。
子どもは、頭の上を説教が通りすぎるのをじっと待つ。
ついには、白け、反発する。
良かれと思ったことが、逆に作用するのである。
道徳の授業においても同様なことが行われてきた。
見え見えの「徳目」を、読ませ、話し、時にはテレビやビデオで見せ、しつこくどうすればよいかを問う。
ほとんどの子は「わかりきったこと」に口をつぐむ。
いわゆるできのよい子が、しかたなく、「徳目」を口にする。
時間だけがすぎ、それで「道徳の授業」とされ、「よい子」が育っていくとされてのである。

TOSS道徳の主張する「心から大切と思うこと」を「具体的な場面を通して」「断固として教える」(『学校の失敗』向山洋一著 扶桑社)には、次の三つが不可欠である。

①力のある資料
②力のある授業
③体験・知見に支えられた語り

しかし、③の体験・知見に支えられた語りは、そうたやすくできるわけではない。
自分の体験といっても、そう次から次へとでてくるわけではない。
だからこそ、まず①の「力のある資料」が必要であり「力のある資料」を見い出すことが、力のある授業のための最大の課題である。

力のある教材は、読むだけで教育力がある。教師が下手に、いじらなくてもいい。良い話を聞かせているうち、教師も「道徳」を理解するだろう。それでこそ、道徳の授業は可能だ。
(『学校の失敗』向山洋一)

1 心に届く「子どもの作品」でする道徳授業 ①

 次の教材で授業をした。二年生の一学期であった。

きょう、ようちえんのバスからおりて、おかあさんとかえろうとしたら、おかあさんは、きゅうにとまってしまいました。まえのほうから、おばあさんがゆっくりあるいてきました。つえをついて、すこしこしをまげています。じめんをみるようにして、123、123ってあるいていました。「ちょっとまってようね。」と、おかあさんがいいました。/わたしはおばあさんがとおりすぎるまで、おかあさんのてをギュッとにぎってまっていました。すごーくながくとまってるようにおもいました。そしておかあさんが「もうあるいてもいいわよ。」といいました。わたしは、おかあさんはやっぱりやさしいなあとおもいました。

まず、「/」までを読む。二回目は、ゆっくり読む。

発問1:

おかあさんは、どうして「ちょっととまってようね。」といったのでしょうか。

指名なしで、考えを次々に発表させる。
 教師は、どの答えにも、うなずくだけでよい。
 次のような考えがだされた。
 ①おばあさんと顔をあわせたくなかったからだ。
 ②きのう、おばあさんとけんかしたので、あいたくなかったからだ。
 ③つえにさわると、いたいからだ。
 さいごに発表されたのが、 次の考えだった。
 ④おばあさんが、ゆっくり歩いてくるので、ぶつかるとおばあさんがあぶないから、とまったのだ。
 どの考えに賛成か、挙手させる。①から④のどの考えに賛成か手をあげさせる。こんどは④が圧倒的に多くなる。
 子どもから理由がだされた。
 「『おかあさんは、すごくやさしいなあとおもいました。』と書いてあるのだから、①から③はおかしいので、④だ」
というのである。
 ①に手をあげた子も納得する。
 「そうだね。きっとせまい道だったんだね。おばあさんが通れるように、待っていてあげたんだね」と話をする。
 最後に、もう一度ゆっくり作文を読む。
 これは『別冊きらら』一四三号(平成八年一年一〇日)にのっていた、東京都練馬区みのり幼稚園 増田真理奈さん(六歳)の作品である。
 第一四回、朝日全国幼児作品コンクールで金賞を得ている。
 小学校低学年の道徳の授業には、このように読んですぐわかる作品が使いやすい。

TOSS道徳「心の教育」5心に響く「 力のある資料」で生き方を教える道徳授業(明治図書)より


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