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TOSSランドNo: 6072626 更新:2013年11月27日

「正直」に関わる格言・故事成語を知る


 野菜の無人販売所写真を数点提示して次のように問う。

「みなさんは、どちらですか?」
① 誰も見ていなくてもきちんとお金を入れる。
② 人が見ていなければ、お金を入れずに持っていく。

多くの子が「お金を入れる」に手を挙げる。でも、顔が笑っているし、迷っている様子の子もいる。
「実際は違っていても『お金を入れないで持っていく』なんて答えられないよね」とフォローする。
日本人の物を盗まない心・正直な心は、昔から評価されてきました。
 たとえば、次の資料です。 

・『魏志倭人伝』(約2000年前)
・『随書倭国伝』(約1400年前)
・ザビエルの言葉(約500年前)
・モースの言葉(約150年前)
・ エジソンの言葉(約80年前)

 みなさんにとっては次の行動は当たり前ですか?
①店をあけっぱなしにしておいても何も盗まれない。
②机の上にお金が置いてあっても盗まれない。
③クリーニングの服のポケットにお金が入っていても、ちゃんと届けてくれる。
④無人販売所でもお金が入れてある。

 明治時代に来日し、大森貝塚を発見した学者のモースは、
①の「店をあけっぱなしにして出かけてしまう主人」や
③の「クリーニングの衣服にお金が入っていたからと届けに来た店員」に感心しました。

 発明王のエジソンは
②の日本人の従業員が「テーブルの上にお金が置いてあっても手をつけることが全くなかった」
と話しています。
 日本人にとって当たり前のモラルですが、外国人の目には驚きだったのです。 ※『日本賛辞の至言三三撰』波田野毅著より
 では、日本人の支えになった格言や故事成語を見てみます。

  悪事千里を走る

 意味は、悪い事は、いくら隠しても、すぐに遠くまで知れわたってしまうこと。
 「北夢瑣言(ほくぼうさげん)」という唐末から北宋の時代の書物の言葉です。

   お天道さまが見ている

 意味は、人が見ていなくても太陽は、お見通し。だから「人がいなくてもちゃんとした振る舞いをしなさいよ」という戒め。

 3つ目は、中国の古いお話です。

 ある夜、役人にしてもらったお礼にわいろを届けた男がいました。
 「夜遅くて誰も知る人もいませんから」
とわいろのお金を出そうとする男に、楊震(ようしん)は次のように言いました。
 「誰も知るものがいないなどとんでもない。
  天が知っている。
  地が知っている。
  私が知っているし、
  君が知っているではないか」
  
 さあ、この故事にちなんだ言葉を知っている人はいますか?

 天知る 地知る 人知る 我知る

 不正や悪事は、いつかは解ってしまうものであるという意味。
 「知る」が四回続いているから「四知の教え」とも言います。約二千年前「後漢書」の言葉です。

 天網恢々疏にして漏らさず

 読めますか?
 「てんもうかいかいそにしてもらさず」・・・面白い言葉ですね。
 天の網の目はあらいけれども、決して漏らすことはないということから、悪いことをすれば、結局は天罰を受けるという意味を表します。
 紀元前五世紀頃の「老子」という書物に書かれています。

 次は、子貢(ししょ)が先生である孔子に政治のポイントを尋ねた時の話です。

 孔子は、「食生活の充実」「軍備の整備」「民の信頼を得ること」
の三つがポイントだと答えました。
 どれか一つを除くとしたら、「兵を去れ」と答えました。
 まあ、そうだろうね。
 子貢は、さらに、どちらを捨てるかを尋ねました。
 孔子は、どちらを削れと答えたでしょう。

 「食を去らん。  古よりみな死あり、  民信なくんば立たず」

 意味は分かりますか?
 孔子は「食を去らん」、つまり、食生活を削れと答えたのです。
 「古よりみな死あり」。
 食料がなければ人は死ぬが、昔から誰にでも死はある。
 「民 信なくんば立たず」。
 人民は「信」がなければ安定しない。
 つまり、人の道が信じられず、人の道がすたれるようでは、生きる価値もないというのです。
 
 これは孔子の言葉を集めた「論語」という書物に載っています。紀元前四世紀です。
 ただし、この格言とは逆のような言葉もあるんですよ。

衣食足りて礼節を知る

衣服と食糧が足らなくては、礼儀どころではない。春秋時代の管仲の言葉です。

 さて、「正直な人」っていうと、どんな人を思い浮かべますか?
 先生は、次の例を思い浮かべます。 

 ①テストを返すと、点数を下がるのにきちんと申し出る人。
  こういう人、たくさんいますね。毎回すごいことだなあと思います。

 ②「学校でお菓子を食べたことのある人は申し出なさい」と言った時、関係ある人がほとんど集まりました。
  だから、指導がすぐに終わりました。正直でいいなあと思います。

 先生が正直だなあと思う人は、自分にウソをつかない人です。
 正直な心は、日本人がお互い仲良く過ごすための古くからの知恵でもあるのです。
 正直な心=自分にウソをつかない心をいつまでも大事にしてくださいね。

 生徒の感想を紹介する。

▼日本人が正直なんて思ったことがないけど言われてみるとそうなのかもと思いました。
 私もおばあちゃんと無人販売に行ったことがあります。私がおばあちゃんに「お金を入れずにとっちゃえば」と言ったら、おばあちゃんは「そんなことをしちゃダメ」と言ったのに感心しました。
 それで今日の話を聞いて正直な人でいたいと感じました。「お天道様が見ている」「天知る地知る人知る我知る」という言葉に共感しました。私も悪事をせずに生きたいと思いました。

▼ 日本にはいい言葉がたくさんある。それにその言葉は正しいと思った。人が盗みを犯さないようにするために色々なことわざがあるんだなあと思った。

▼日本はいっさい犯罪のない国になり、日本人の心はすばらしいと思えるようになってほしいです。

※ 補足

 文部省の道徳の指導資料に「無人スタンド」という無人の野菜販売所の話がある。
 百円だけお金を入れて三百円分の野菜を持って行ってしまった少年に注意した方がよかったのかを考えさせる話である。
 私は、代金を間違えた少年に注意すべきかどうかという話題以前に、「無人販売所」にお金を入れると言うシステムそのものを投げかけたいと思った。
 
 米沢九代目藩主である上杉鷹山の改革の成果の象徴が、値段を書いた棒杭を立て、脇にざるを下げておく「棒杭の商い」だと言われている。
 人々の心が荒れている頃は「棒杭の商い」そのものが成り立たなかったが、改革が進んだ米沢藩では、決められた代金がざるの中に入るようになった。
 現在も目にする野菜の無人販売所の存在は当たり前といえば当たり前。
 しかし、考えようによっては、人間に対する「信頼」がなければ成り立たないきわめて危うい商売だ。
 そのような「無人販売所」が今なお商売として成り立つのも、「正直さ」という日本人の美徳があるからこそだ。
 だからこそ、日本古来からの「正直さ」に誇りを持たせたいと考えた。
 「正直」にまつわる格言・故事成語をシャワーのようにあびることで、生徒たちも気分がよくなる1時間である。


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