TOSSランド

コンテンツ登録数
(2017/06/26 現在)

21421
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 3401179 更新:2013年11月27日

鉄が地球を救う


森林伐採や砂漠化は、地球温暖化に少なからぬ影響を及ぼしている。
日本をはじめ、多くの国々がCO2の削減を目標としているが、排出量が
増える一方で、具体的な方策は見えてこない。そんな中で、海中の植物が
(植物プランクトンや海藻)温暖化防止の決め手になると注目されている。
海中の植物成育の決め手となる『鉄』の働きに注目してこの授業を作った。
中学生を対象としているが、幅広く授業可能である。  

<授業の実際>

説明1:

東京湾と鹿児島湾。大きさも形もよく似ています。

発問1:

あなたはどちらでとれた魚を食べたいですか?    
     (挙手で確認し、選んだ理由を聞く)

発問2:

では、どちらの方がたくさん魚がとれるでしょう? (挙手で確認)

説明2:

正解は東京湾です。鹿児島湾の30倍もとれるそうです。    
その理由はこれです。(東京湾の写真をどんどん拡大)    
実は、河が影響しています。今日はその仕組みを勉強していきます。

説明3:

魚の食物連鎖を表しています。みなさんが口にするような大きな魚を1kgと
すると、この魚は自分の10倍の小魚を食べます。

発問3:

何kgになりますか?
     ・10kg  (同様に動物プランクトンや植物プランクトンも調べていく。)

説明4:

みんな食べる1kgの魚には1tの植物プランクトンが必要です。その植物
     プランクトンの餌を運んでくるのは大きな河なんです。

説明5:

 実は、この河の働きに昔から注目していた人がいます。この人です。
(写真提示)畠山重篤さんといいます。気仙沼でカキの養殖をやっている
 漁師さんです。畠山さんが漁師になったころ、赤潮が発生するくらいに海
 は汚く、おいしいカキも取れなかったそうです。そこで畠山さんは、日本中
 いや世界中のカキの産地を歩き回って、あることに気づいたそうです。
 おいしいカキのとれる場所には、必ず大きな河があると!    
 でも、それだけではなくてその川をさかのぼっていくと、美しい森があると!
 そこで畠山さんは植林を始めたんです。最初数名の漁師さんで始めた活
動も今では多くの協力者があらわれ、もう20年以上もつづけられています。

説明6:

しかし、畠山さんはなぜ森が必要なのかはわかりませんでした。その謎を
解き明かしたのはこの人です。海洋学者のジョン・マーチンさんです。
     (写真提示)

説明7:

 植物プランクトンや海藻の養分は、窒素やリン、ケイ素です。しかし、この
 3つがたくさんあっても、プランクトンや海藻が全く増えない海があることは
 昔からの謎でした。マーチンさんはこう考えました。養分となる窒素やリン
 は、そのままでは口にすることができません。みんなが料理をするように、
 ちょっと加工してから取り込んでいくんです。その加工を助けるある物質が
 大きく関係していると考えました。みなさん、それが何か知りたいですか?

説明8:

『鉄』です!(実物を提示)    
 この鉄が少ないために、植物プランクトンや海藻が育たないのではないかと
 考えたのです。畠山さんが植林を始めたちょうど同じ年に、マーチンさんは、
海に鉄をまく実験を開始しました。それから十数回にわたってこの実験は
行われ、どの海でもたくさんのプランクトンや海藻が発生したそうです。

発問4:

海に鉄を撒くのはいいことだと思う人?(挙手で確認)

説明9:

鉄の散布によって、植物プランクトンや海藻が増えると、今地球上で大きな
問題になっていることが解決するそうです。

発問5:

どんな問題ですか?(スライドでヒントを提示)

説明10:

 地球温暖化です。マーチンさんはこのように言っています。一緒に読みます。
     『タンカー一杯分の鉄があれば地球を氷河期に戻せる』

発問6:

海に鉄を撒くのはいいことだと思う人?(挙手で確認)

説明11:

畠山さんの植林の取り組みも、実は鉄が大きく関係していました。海中には
鉄が存在しないので、プランクトンは河から流れてくる鉄を待っています。しか
し、鉄はすぐに酸素と結びついて、プランクトンが吸収できないようになってし
まいます。しかし、森林の腐葉土から出る「フルボ酸」という物質は、鉄の酸化
を防ぎプランクトンや海藻が吸収しやすいまま運んでくれるんです。

発問7:

しかし、こんな問題も起きています。ここはどこですか?
(ガラパゴス諸島の写真提示)

説明12:

世界遺産である『ガラパゴス諸島』の近くにも鉄をまいた業者がいます。
二酸化炭素の排出権でお金もうけをしようとしたんです。世界中から反対の声
が上がり、今海に鉄をまくことはできません。残念だと思う人?

説明13:

しかし、日本人の中には素晴らしい人がいて、鉄を撒くのと同じ効果のものを
発明した人がいます。それもみんなが捨ててしまっているものを利用してです。
(ペットボトル、使い捨てカイロ、ポット洗浄液、の写真提示)
それでは今からみんなで作ってみます。(単純に混ぜ合わせるだけ)    
完成したら、まず学校の池や水槽で実験してみましょう。

<参考文献・サイト>

『鉄が地球温暖化を防ぐ』 『日本<汽水>紀行』 文藝春秋 畠山重篤
『漁師さんの森づくり』 講談社 畠山重篤 
『森は海の恋人』『リアスの海辺から』 文春文庫 畠山重篤


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド