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TOSSランドNo: 1115256 更新:2013年11月27日

「つながりの工夫」ポイントは2つである


1.「つながりの工夫」指導のポイントは何か。

 今回は「接続語」に限定して考える。次の2つであると考える。

 ① 「接続語」を使うと、「文相互の関係」「段落相互の関係」「筆者の主張」が明確になることを教える。
 ② 「接続語」を使って「論理的な文章」を書かせ、その「技能」を習得させる。

 まず、原典である『小学校学習指導要領』に当たってみる。

(1・2年) 経験した事や想像した事などについて、順序が分かるように、語や文の続き方に注意して文や文章を書くことができるようにする。
                                                                                     (1 目標 (2) P.6 )
事柄の順序を考えながら、語と語や文と文との続き方に注意して書くこと。 (2 内容 B書くこと エ P.7 )

(3・4年)  段落相互の関係などを工夫して文章を書くことができるようにする。 (1 目標 (2) P.9 )
自分の考えが明確になるように、段落相互の関係を考えること。
書こうとする事の中心を明確にしながら、段落と段落との続き方に注意して書くこと。 (2 内容 B書くこと ウ、エ P.10 )
文と文との意味のつながりを考えながら、指示語や接続語を使うこと。 (言語事項 オ P.11  )

(5・6年)  考えたことなどを筋道を立てて文章に書くことができるようにする。 (1 目標 (2) P.12 )
自分の考えを明確に表現するため、文章全体の組み立ての効果を考えること。(2内容 B書くこと ウ P.13 )
文や文章にはいろいろな構成があることについて理解すること。(言語事項 オ P.14  )

 次に、『小学校学習指導要領解説 国語編』に当たってみる。

指示語や接続語は、文章の構成に関わる語で、文章の論理的な関係を把握する上で大切な役割を果たしている。 (解説 P.89)

読みの指導の中では、文相互の関係とともに、段落相互の関係を端的に示す手がかりとなるものとして指導する。(解説 P.90)

文章を書くさまざまな機会をとらえて、文脈に沿って「指示語や接続語を使うこと」指導を工夫するようにする。(解説 P.90)

 ここから、「接続語」を指導するポイントとして次の2つが考えられる。

 ① 「接続語」は、「文相互の関係」「段落相互の関係」を端的に示す手がかり、つまり「マーカー」の役割をするものとして指導する。
 ② さまざまな機会をとらえ、「接続語」を用いて「論理的な文章」を書かせる。

 次に、伴一孝氏「『向山型作文』年間指導計画(5年)」に当たってみる。

 つながりを工夫して書く①(9月)
  ①逆接(しかし)・順接(だから)の文を書く
  ②並列(そして・また)の文を書く
  ③例示(例えば)の文を書く
 【到達目標】
   接続語を使うと、文相互の関係が明確になる。
   できるだけ接続語を使って、文のつながりの分かりやすい文章を書くことができる。

 つながりを工夫して書く②(3月)
  ①言い換え(言い換えれば)の文を書く
  ②具体例(具体的に言うと)の文を書く
  ③再確認(先に述べたように)の文を書く
 【到達目標】
   接続語は、筆者の主張を詳しくしたり強調したりする。
   文のつながりを明確にして、分かりやすい文章を書くことができる。

 上記には、「接続語」の特性として次の2点が上げられている。 

① 接続語を使うと、文相互の関係が明確になる。
② 接続語は、筆者の主張を詳しくしたり強調したりする。

 ここでは「接続語」が、「文相互の関係」「筆者の主張」を明確にする目印(「マーカー」)としての役割を持つことが示されている。
 まずは、このことを指導する。基本的な「技術」は「教える」のである。

 その上で、これである。

 ① できるだけ接続語を使って、文のつながりの分かりやすい文章を書く。
 ② 文のつながりを明確にして、分かりやすい文章を書く。

 「接続語」を使って「分かりやすい文章」を書くという「技能」を習得させるのである。ここで言う「分かりやすい文章」とは、「論理的な文章」である。
  以上のことから、「接続語」指導のポイントとして次の2つが考えられる。

 ① 「接続語」を使うと、「文相互の関係」「段落相互の関係」「筆者の主張」が明確になることを教える。
 ② 「接続語」を使って「論理的な文章」を書かせ、その「技能」を習得させる。

2.「接続語」は「文と文」「段落と段落」 との関係を明確に示す「マーカー」

 日本語の文章は、分かりにくいと言われる。それは何故か。

 日本語は肯定か否定か、あるいは部分否定かというようなことが、あげて文末の処理にかかっているからである。 
                                                                  (『日本語の磨きかた』林 望 PHP新書 P.57 )より

 そのため、

 一つの文章を終わりまで読まないと、何が言いたいんだか分からない。
 内容がむずかしかったり複雑だったりすると、途中で意味が分からなくなったら、もう一回頭から読み直さなきゃならない。(『同上』P.57 )

 その煩雑さを補うのが

 接続詞(接続語)        (『同上』P.57  ※カッコ内 中原 )

 なのである。
 接続語を見れば、そのあとに続く文が肯定なのか否定なのかがよく分かる。
 文と文との関係がいかなるものであるかを示す機能を持つ語句・文を「論理関係明示子」という。
 論理関係明示子には、次のようなものがある。

 順序関係を示す       「はじめに」、「最後に」、「第一に」、「第二に」、「それから」、「ついで」、「また」、等

 理由を示す          「なぜなら」、「というのは」、「そんなわけで」等

 因果関係を示す       「原因としては」、「結果としては」、「このような条件下では」、等

 目的-手段関係を示す   「そのためには」、「目的としては」、「手段については」、等

 帰結を示す          「とすると」、「だとすれば」、「それゆえ」、「だから」、等

 文が用いられる例      「つぎにこの点の例証を挙げてみよう。」、「これより、次のように言える。」、等

    (『読み書きの技法』小河原 誠 ちくま新書 P.62~P.63)より

 例えば、「なぜなら」とくれば、前の文で起こったことの理由が後ろの文にくることが分かる。「だから」とくれば、前の文から予想がつきそうなことが後の文にくる。「しかし」とくれば、前の文とは逆のことがあとの文にくることが分かる。
 つまり、「接続語」は、文と文・段落と段落との間を明確に示す手がかり=「マーカー」となるのである。
 まずはこのことを教えるのが「接続語」指導のポイント①である。

3.「論理的な文章」を書くには「接続語」を使え

 文章を書くには技術がいる。
 多くの約束ごと(それはつまり、何千年にも及ぶ長い文化の結晶なのだが)を使いこなして作文を書くのである。
 このような技術・方法をまずしっかりと教えることが、小学校教育で大切なのである。

 と、向山洋一氏は述べられている。(向山洋一全集22『子どもの知性を引き出す作文の書かせ方』P.11~P.12より)
 「文章を書く技術」。それは「何億・何十億という人々によって作られてきた数千年の人類の文化」である。
 その文化を、技術・方法を教えないで、「思った通りに書きなさい。」では子どもに書けるはずがない。

 では、「分かりやすい文章」「論理的な文章」を書く技術・方法とは何か。

 これである。

 アウトライン・システム

 まずは型どおりに書くのである。型どおりに書くから思考がぶれない。
 型どおりに書けば、誰でも簡単に論理的な文章が書ける。
 しかも、書いてあることがそれぞれ違ったものになる。個性的なのだ。
 「型どおりに書く。」これも先人たちが生み出してくれた偉大な知恵である。
 私たちはこの偉大な知恵を、子どもたちに教えなければならない。
 ただ、「アウトライン・システム」をそのまま小学生の子どもたちに教えるのは難しい。
 そこで、「アウトライン・システム」の「文脈の在り方を示す文型・指示語・接続語」に着目して、小学生にも使える形に加工して実践をされたのが大森修氏である。(『作文技術で思考を鍛える』大森修 教育新書 P.172~P.191)
 大森氏が示したアウトラインの基本形は、これである。(『子どもが「参画」する学習活動を作る』大森修 明治図書P.41~P.83)より

 ○○である。
 なぜなら、○○だから。

  1学期の間、この基本型を使って何度も何度も繰り返し書かせる。
  国語だけではなく社会や理科などもこのアウトラインを使って書かせる。
  こうして、子どもたちはまず結論、次に理由という基本的な論理を身に付けていく。そして、2学期になって「もう一歩の踏み込み」をされる。

 「たとえば」 「しかし」 「もし」

 を、上記に示した文に続けるのである。大森氏は言う。

 「たとえば」「しかし」「もし」を使うだけで、子どもの論理は精密になる。わずかに三つである。多くは必要ない。三つでよいのである。
 三つだから、子どもは「たとえば」「しかし」「もし」と問うようになるのである。

 子どもたちはこのような型があるから文が書けるようになるのである。
 これを毎時間行っていくのである。
 やがて、子どもたちは大人顔負けの文を書くようになる。

 ○○である。
 なぜなら、○○だから。 
 たとえば、
 しかし、
 もし、

 「接続語」をアウトラインで示し、毎時間毎時間ノートに書かせて習得させる。これが「つながりの工夫」指導のポイント②である。

4.模擬授業構想

 今回は、上記で示したポイント①「『接続語』を使うと、『文相互の関係』『段落相互の関係』『筆者の主張』が明確になることを教える」授業をしようと考えた。その際、非常に参考になったのが堀井謙一氏らの研究報告である。
  (堀井謙一他「接続詞の指導における留意点について」)
 堀井氏らは研究の成果を以下のように述べている。

 多くの2・3年生の児童は、「だから」「でも」「それで」「しかし」という接続詞を使用する能力を、学校の授業で学ぶ以前に、基本的なものは自ずと獲得していると考えるべきである。
 したがって、あらためて使用能力の育成を図る必要はなく、接続詞の教育で重視すべきは、接続詞の機能を順接や逆説などに分類することによって自覚すること、つまり「接続詞についての国語学的関心をどう育てるか」の部分である。これによって、接続詞の使用能力を自覚的に強固なものにすることができると考えられる。

 そして、堀井氏らの立場による接続詞の指導として次の2点を上げている。

 ① 接続詞が2文の論理関係を把握するマーカーであることを、実際の接続詞の使用をもとに意識化すること。
 ② 先の自覚にもとづいて、よりよい言語使用者としての態度を育成すること。

 私は、上記①に焦点を当てた授業をしようと考えた。


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