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TOSSランドNo: 1114202 更新:2013年11月27日

背のびする作文


 着実に地に足をつけた授業は大切である。
 しかし、時には、背のびをさせることも必要なことである。
 子どもたちは、背のびをすることで集中し、1歩も2歩も全身する。
 私は、教科書の文学教材で授業をする時、ほとんど感想文を書かせない。
 かわりに、好きな文章を、写させるのである。
 子どもたちに、「詩」を作らせることもしない。
 かわりに、すばらしい詩を、どんどん暗唱させるのである。
 意味の通じる達意の文章を書けるようにするためにも、すばらしい文章のまねが一番である。
 「夕焼けは、なぜあんなに美しいの。」
 「それはね。・・・・・・・・・・・・・・・だから美しいのさ。」
 これは、かの有名な「アルプスの少女ハイジ」にでてくる、名文句である。
 この名文句を使って、文をつくらせたのだ。

「夕焼けは、なぜあんなに美しいの。」
「それはね。 □ だから、美しいのさ。」

指示1:

この文章をノートに写しなさい。

指示2:

おじいさんになったつもりでも、小さな子にお話するつもりでもよいから、文をいれて、夕焼けの美しいわけをかきなさい。

 すぐ、子どもから、質問がでた。
「本当のことを答えなくちゃいけないのですか」と。
そこで「本当のことでも、自分の想像でもなんでもよい」と答えておいた。
 10分間で終了した。
 次の国語の時間、短冊を配り、5分間で書かせて集めた。
 集める時、次のように、分類させた。

1 自分で「美しいなあ」と思うもの。
2 自分で「おもしろい」と思うもの。
3 「あたり前かな」もしくは「よくわからない」と思うもの。

 子どもの分類に従って、選んでみた。
 1の、自分で「美しいなあ」と思ったものには、あまり「美しいもの」がなかった。
  「夕焼けは、なぜあんなにうつくしいの。」
○「それはね、まっ赤になって、さよならしているからうつくしいのだよ。」
  (どうも原作のにおいがする。)
○「それはね、おかあさんが、あそこにいるからだよ。」
○「それはね、白い山から見あげるからだよ。」
○「それはね、飛行機の空中ばく発があったからだよ。」
  (どうも「美しい」という判断が、ちがうようだ。)
○「それはね、太陽がかかやくようにしずんで、月が登ってくるからだよ。」

 2の「おもしろい」とおもったのは、さすがに、おもしろい。子どもは、こういうパロディー風仕立ての方が、生き生きする。
  「夕焼けは、なぜあんなに美しいの。」○「それはね、お酒をのんで、よっぱらっているから美しいのだよ。」
○「それはね、おふろに入ってゆだっているように、あつくて、まっかになっているんだよ。だからあんなに美しいんだ  よ。」
○「月とけんかをして、顔まっかにしておこっているんだよ。だから美しいのだよ。」
○それはね、中におにがいるからだ。
○「それはね、太陽がしもやけで、あかくなってしまったから赤くそまってしまったからだよ。」
○「それはね、昼間のうちに、おけしょうをしたからだよ。」

 3の「あたりまえ」派は、さすがに、あたりまえの答えである。
  「夕焼けは、なぜあんなに美しいの。」
○「それはね、夕焼けだからうつくしいのだよ。」
○「それはね、オレンジ色に光っているんだから、美しいのだよ。」

 国語の授業の中で、作文指導は、子どもがいやがるものの1つである。
 原稿用紙を配り、テーマを決め「3枚以上書きなさい。」などというと、子どもたちは、なかなか書き始めない。
 ところが、今回のような例文、それも、名文句を例に文章を作らせると、短時間のうちに、サッと取り組んでくれる。
 何人かの脱落者が、作文の時間にはよくでる。
 何分待っても、1行も書けないこともある。
 ところが、ちょっと工夫して、背のびをさせると、どんどん書ける。
 パロディーでもよい。まねでもよい。有名な作家のものでもよい。
 いくつかの短文のまねから、子どもたちの作文の力は、伸びていく。
 10分間という短い時間の中でも、背のびするような工夫があれば、子どもたちは、集中して、文を書くのである。


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