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TOSSランドNo: 2944844 更新:2013年11月28日

『麦わら帽子』で相手の心を読む


 中1の国語(光村図書)に掲載された 『麦わら帽子(今江祥智)』の授業。
 関連部分は、およそ次のような内容である。

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 主人公マキは、兄の反対をおし切って1人で小島に残る。
 潮が満ちてきたが、兄の迎えが遅れたため、マキはおぼれそうになる。
 あやうく助かったものの、マキは「口をきかず」、兄たちは「口がきけず」、気まずい雰囲気になる。
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 本時は、あやうくおぼれそうになったマキが「口をきかず」、兄たちも「口がきけず」という場面の表現の違いの検討である。

 まずは辞書的な意味を確認する。

 「口をきかず」と「口がきけず」は、どう意味が違いますか?

 「口をきかず」=「口をきかない」=「話さない」・・・・自分に意志で話そうとしない
 「口がきけず」=「口がきけない」=「話せない」・・・本当は話したいが話すことができない
                              (中1では、可能動詞という用語は知らない)

 しかし辞書的な意味だけでなく、この作品の展開に則した理由を言わせたい。

 マキが「口をきかず」だった理由は何ですか。できれば2通り考えてみましょう。

 マキが「口をきかず」だった理由は、1つはすぐに出る。

(1)兄がすぐに迎えに来なかったので怒っている。

である。
 しかし、マキは兄に対して「遅いじゃないの、死ぬところだったんだよ」ぐらい言えばいい。
 マキは被害者なんだから堂々と文句を言えばいい。
 しかし、マキは文句を言わなかった。兄を責められない事情があるからだ。
 というわけで、もう1つの理由は

(2)悪いのは自分だから

である。
 島に残ると言い出したのは自分である。兄は「じきに潮がくるでいかん」と反対している。
 その兄の反対を押し切った自分には文句を言う資格がない、というわけだ。

 続いて、兄が「口がきけず」の理由を問う。

今度は、兄が「口をきけず」だった理由は何ですか。できれば2通り考えてみましょう。

 1つは、すぐに出る。

(1)自分がうっかりして迷惑をかけたからマキに申し訳ないとは思っている。
   でも、年上だから自分からすなおに謝れない。

という理由だ。
 しかし、「自分の忠告を無視したのはマキだ。マキの自業自得だ」と言い張ることもできる。
 この場面で「だからおれが『だめだ』って言っただろう」と怒らないのは

(2)マキをこれ以上責める気になれないから。

という気持ちがあるからだと言える。
 ちょっとしたケガや事故なら怒ることもできるが、あやうく死ぬところだったのだから冗談にもならない。
 しかも自分にも落ち度はあるのだから、強く文句も言えない。

 「口をきかない」と「口がきけない」の違いの検討。
 このようなちょっとした言葉の違いの検討は、言語感覚を磨くのにいい。
 そして、ちょっとした言葉の違いから相手の心の動きを知ることができるので、「思いやり」の心を育むのにもいい。


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