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TOSSランドNo: 1143229 更新:2013年11月28日

教科書による日本人の気概の授業


向山先生は言う。
教師の仕事は、「日本は悪い国だ」という観念を子どもに与え、日本への絶望を与えることではない。
 日本の悪いところがあれば、率直に認め、それを正していくことを教える。
それ以上に、日本の素晴らしさを教え、子どもたちに、未来の明るい見通しを与えることも、教師の大切な仕事である。(「学校は甦る」58ページ)
 中学校の歴史は、注意しないと日本の悪い点ばかりが浮かび上がってしまう。
 特に、明治以降敗戦までは。
 サークルで、出版の企画応募にあたり小学校6年生の教科書を検討してみた。
 小学校の教科書(6年上)には、世界史の記述が少ない。
 あるのは、
 ・ 鉄砲とキリスト教の伝来(48~49) ・ キリスト教の禁止(60)
 ・ 黒船の来航(72)          ・ 富国強兵(83)
 ・ 日本の外交(91)          ・ ノルマントン号事件(96)
  ・ 不平等条約の改正(97)
 などで2~3行で触れる程度である。
 気概ある日本人に気づき、国際的な視野で日本の近代史を語るには工夫が必要である。
 教科書を使った授業のなかから、日本人の気概に気づかせる。
 教科書の何気ないように思える記述にこだわり、発問する。
 文中の( )の数字は、大阪書籍6年上のページをさす。
内は、大阪書籍本文からの引用である。

 鉄砲の伝来 (48)

鉄砲のつくり方は、それから10年もたたないうちに各地に広まり、堺や国友などの鉄砲かじによってつくられるようになりました。※下線竹中、以下同

発問1:

・「鉄砲のつくりかた」は、誰が考えたのですか。(日本人自身)
・なぜ「10年もたたないうちに」広まったのでしょう。(技術とニーズ と情報)
・「各地」にはどのような事情があったのですか。(戦国時代、下剋上) 
・「鉄砲かじ」は、最初からあったのですか。(刀鍛治)
・「鉄砲」をなぜつくらなればならなかったのですか。(戦国大名のニーズ)

〔留意事項〕
 ためし撃ちをさせ、威力を確認し、鉄砲を購入した好奇心ある種子島時堯。
 たまたま来ていた堺の商人が持ちかえり、生産につなげようとした商魂。
 失敗を重ねながらも製造に成功した堺の刀鍛冶の職人気質。
 日本人のたくましい好奇心、商魂、職人気質。
 商人の情報ネットワークの存在。堺は、当時のシリコンバレイと言えるかも知れない。
 戦国大名のニーズを把握し、鉄砲伝来を最大限に生かした堺の商人と、職人の技術力。
 さらにこれを戦いに生かした織田信長。
 現在の工業立国日本に通じるものがある。
 ・ キリスト教の禁止 (60)
幕府は、その勢力が大きくなるのをおそれ、キリスト教の布教を禁止しました。

発問2:

・幕府はなぜ、「勢力」が大きくなるのをおそれたのですか。
・幕府はなぜ、島原・天草の一揆に12万人もの大軍をおくり、かつ、踏み絵までして禁教を徹底する必要があったのですか。
・出島での幕府の貿易は、鎖国と矛盾するのではないですか。

〔留意事項〕
後発の蘭・英の進言で植民地支配の危険性を感じ取った幕府の毅然たる行動。
 オランダとの独占貿易を実施した幕府のしたたかさ。情報独占でもある。
 朝鮮との豊かな交流(通信使)が後の植民地支配の前にあったことに触れたい。
 その後ヨーロッパは、市民革命の時代に入り、日本は一段落となる。
 この時点での植民地化の危機を乗り切ったといえる。極東という地理もよかった。

 ・ 黒船の来航 (72)
このころ、アメリカやヨーロッパの国々は、アジアで工業原料を手に入れ、それを加工した工業製品を売るために、アジア各地におしよせてきていました。

発問3:

・「おしよせて」来た結果、「アジア各地」はどうなったのでしょうか。
・ペリーが補給を依頼した「アメリカ船」は捕鯨船です。なぜ日本にまで、くる必要があったのでしょうか。

〔留意事項〕
 発問・は、教科書91ページで扱っている。「日本のまわりでも、とくに中国をめぐって、イギリスとロシアが対立していました」
 アメリカが、日本にこだわっている理由に触れておきたい。
 ヨーロッパはともかく、アメリカの対日政策については小・中とも触れられていない。
 小学校であるのは、 あえて言えば、日中戦争で「中国の抵抗はおとろえず、アメリカ・イギリスの援助を受けながら」(106)くらいである。
(同上)

国の政策について意見を聞くことなど、江戸幕府はじまって以来なかったことで、幕府の力のおとろえを示す結果となりました。

発問4:

・「意見を聞く」ことは、悪いことでしょうか。
・なぜ、「はじまって以来なかった」のでしょうか。
・このことが、なぜ「幕府の力のおとろえ」を示すのだと思いますか。

〔留意事項〕
 アジアでの太平は、ヨーロッパでの大動乱(市民革命)のおかげである。
 ペリーが突然来て、要求を押しつけたわけではない。
 「朝廷に報告するとともに、大名などの意見を聞きました」という幕府の心意気。
 幕府による情報公開は、国の存亡という危機意識があったことを示す。
 聞いた結果ペリー来航後、開国賛成にまわった藩が過半数を占めたというデータ(73)
 弱腰の幕府、とは違ったイメージからとらえる視点があってもいいのではないか。
 向山先生の「黒船の来航」の授業につなげたい。

 ・ 日本の外交 (91)
このころ、ヨーロッパの強国やアメリカは、海外に工場・鉱山・鉄道などを建設し、現地の人々を低い賃金で働かせてより多くの利益を得ようと、たがいに対立していました。日本のまわりでも、とくに中国をめぐって、イギリスとロシアが対立していました。

発問5:

・「現地の人々」とは、何人種でしょう。
・「対立していた」のは、何人種ですか。
・なぜ、中国が対立の場となったのですか。
・そのような中で、日本はどのような態度をとりましたか。

〔留意事項〕
 厳然とした人種差別。
 日本はこの人種差別のなかで、果敢に立場の向上をめざす。
 黄色人種に対する差別は、教科書では小中ともまったく扱われていない。黒人のみ。
 豊富な資源と魅力的な市場としての中国。
 ・ 不平等条約の改正 (97)
政府は、さらに、中国やロシアと戦って植民地や鉄道の権利をかくとくし、朝鮮を侵略するなど、海外へ勢力をのばして欧米諸国と同じ立場をめざしました。

発問6:

・政府はなぜ、中国やロシアと戦う必要があったのですか。
・植民地や鉄道の権利が、なぜ必要なのですか。
・なぜ、朝鮮を侵略する必要があったのですか。
・「海外に勢力をのばし」とは、どこにのばしたのですか。
・「欧米諸国と同じ立場」とは、どのような立場ですか。

〔留意事項〕
 92ページに「アジアのようす」という地図がある。これを参照する。
 インドや東南アジアがヨーロッパ各国領になっていることを示している。
 ちなみに、中国と朝鮮半島は何も記されていない。
 このようななかで、日本が独立を維持することの意義。
 「欧米諸国と同じ立場」は、同時にアジアの国々にどのようなことを意味するのか
 ・ 米そうどう (101)
日本もこの大戦に加わり、中国などに勢力をひろげようとしました。

発問7:

・日本がこの大戦に加わった理由はなんですか。
・なぜ、中国に勢力をひろげる必要があったのでしょう。
・日本が加わった戦いは、中国だけなのですか。

 〔留意事項〕
 日英同盟の存在。
 93ページに「日本は、ロシアの勢力拡大をおさえたいイギリスと同盟を結びました。
 地中海にも海軍を派遣している。イギリスの要請による。
 21ヵ条の要求で、都合の悪い国は中国なのか。
 ・ 満州事変 (105)
ただ一国だけ反対した日本は、国際連盟を脱退し、国際社会のなかで孤立することになりました。

・なぜ、日本は「ただ一国」だけで反対したのでしょう。
・それまでは、孤立していなかったのですか。
・孤立してまで、脱退する日本のこだわりはどこにあったのでしょう。

〔留意事項〕
 日本以外の加盟国を調べてみる。今の国際連合と違う。
 孤立の原因は、満州への侵略だけなのか。
 国際連盟の説明がなく、ここで突然登場する。
 連盟で人種差別撤廃を提案し、アメリカの強引な反対で挫折した日本。
考察
 今後、資料の出典を明確にし、活用できるホームページもあたってみたい。
 発問は、難しいかもしれない。
 やさしく、すっと気づくような発問を、工夫してみたい。
 日本近代史は、今も解明されていない。気概ある日本史の構築。


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