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TOSSランドNo: 1235047 更新:2012年12月12日

聞こえる(岩間芳樹作詞・新実徳英作曲)の指導法 


平成3年度NHK音楽コンクール高校の部の課題曲です。原曲は混声4部だったものが、作曲者自身によって混声3部に書き直されています。 第1節のユニゾン(斉唱)で、全員が声を揃えて歌うこと、第2節の主旋律と対旋律・二つの音楽のバランス、そして、それ以降の、いわゆる合唱としての総合的な表現力。 
構成がはっきりしているので、ポイントをしぼって、練習しましょう。

1. 3拍の休符で、みんないっしょに息を吸う。

吸う音が聞こえるくらい、たっぷりと。
必ず「あ」の口で息を吸い、そのまま「KA」を発音する。KHAと言うつもりで息を混ぜて子音をはっきりとばす。無意識に歌うと口を開きながら「KA」と言ってしまい、言葉が聞こえなくなってしまう。

2. 第1節と第2節は、なめらかにレガートで。

言葉をつないで、納豆のようにべったりくっつく感じ、とか、糸をピーンと引っ張るようにとか、緊張感を持って、というイメージで表現する。

3. 言葉を歌う。 

鐘が/鳴る 鳩が/飛び立つ ・・・群衆の/叫びが・・・歌を/ください  以下同様
子音をはっきり言うように心がける。けして、アクセントで強く言う必要はないが、ていねいにはっきりと意識していることが大切。
語尾は長めに。 「とびたつっ」「うめたっ」となってはだいなし。

4. 「叫び」SやKの子音をはっきり言うことで、叫ぶ感じを歌う。
5  「き<こ<え<るー<歌を」と歌に向かっていくかんじ。

ここは、エネルギーが外に向かっている。それに対して、次の「歌をください」は、心の中に歌う感じ。

6. ハミングは、大きくしようと頑張らないで、やわらかいハミングを。
7. 第2連、二つの旋律が絡み合って、曲が動いていくところ

作曲家は三部にする際、ここを四声のまま残した。ということは、ここでどうしても旋律に男声と女声のミックスされた声がほしいということ、そして、男女でひとつのハーモニーになると言うこと。3つのステップで練習してみる。

1.それぞれの旋律をアルトとバス、ソプラノとテナーパートで斉唱として、声をそろえ、混ぜ合わせてと歌う練習。
2.女声、男声どうしで二つの旋律がクリアにうかんでくるように、どちらもfで歌う練習。
3.どちらのパートも十分に歌えるようになったら、女声、男声別に、主旋律がうかんでくるようにすこし意識して大きく、対旋律をすこしおさえて歌う。できるようになったら。男女併せて同様に歌う。

ソプラノ、テナーパートは、控えて歌う指示がある。しかし、始めからやや弱くすると表現力が落ちるので、必ず一度は全エネルギーを表に出してfで歌う。その同じ量のエネルギーを、ギューッと凝縮してmpでうたうと、密度が濃くなる。

アルト、バスパートは、「が>->あー」と一旦弱くして「き<こ<え<る<う<め、き<が」と「が」に向かって歌う。

8. ソプラノ、バスの「空をください」、アルト、男性の「聞こえる」で一旦ボリュームを落として、「ルルル・・・」で大きく、解放していく。

accel.の指示があるので、だんだん速く。
「ル」が「リュ」に聞こえないように、口の中は広く、唇は締めて、クリアな「ル」を発音する。

9. 「歩み寄る」~三部合唱を聴かせる部分。

ここから、また曲の雰囲気が変わる。
sempre legato 絶えずレガートで(なめらかに)
 一瞬でハッと息を吸う。「あ」の口で吸うとよい。「花」「歌」なども十分に口を開けて声と共にエネルギーをぐぐっと出す感じ。
「歳月」のS、「超えて」のK、「壁越しに」のK、「歓喜」のK、「聞こえる」のKを意識してていねいに言うことで、ことばがはっきりしてくる。

「歓喜の歌が」がヤマで、そのあと、一旦mpに落として

再びクレシェンドで次につなぐ。

10.「こだまして」以降、男声がメロディー。朗々と男らしい深い響きで歌ってほしい。

「消えた」のk、「悲しい」のK、「笛が」のH(F)は、特に意識してていねいに発音する。
女声は「la」。「ra」にならないように、上の歯の裏に唇の先を当てて、歯切れよく。口も開いたままで舌で発音するつもり。

11.「森を」で一旦ヤマを作りつぎにmpに落とす。
12. 「ください」の「い」で「い<-<-<-」と強くするつもり。

「森をください」ひとつひとつにアクセントの指示がある。腹筋を使ってお腹から声を放り出す感じで。
「く<だ<さ<いー」meno mosso 少しゆっくりと。ひとうひとつ強くしていく。
「い」の><の指示。一旦小さくして、再び強くしていく。難しいけれどできれば非常に効果的。「い>いー<-<-」と言い直す感じ。

13. 「時代が」いこうテンポが上がり、曲に動きがでてくる。

新しく始まったと思って、エネルギッシュに歌っていこう。歌詞にずれがでてくる部分(「ルルル」や「問いかけて」)がはっきり意識して余裕を持って歌えるようになるまで練習する。

14. ここまでをエネルギッシュに歌って置いて、「見えている」でキュッと小さくする。

「見えている聞こえている<感じているルルルル<ルルルルールルルルー<ルルルルー<ララララ」とささやくようにから初めて段階的に大きくしていく。「ラ」まで長いので、段階を踏むことを意識していないと、途中でいっぱいになってしまって大きくできなくなる。

15. 「何もできない」は、ソプラノだけ動きが違うので、独立して練習する。アルトと男声は一緒に練習する。

その二つをあわせたときに、それぞれの動きがはっきりとわかり、歌詞のずれが余裕を持って歌えるようになるとよい。
「いらだち」以降の歌詞のずれとだんだん速くする部分は、上記14と同じで、ヤマを最後の「ラ」に持っていけるように、段階を意識しながら大きくしていくこと。例えば「いらだち<ルルル<ラララ<ラー」とか。
「ラー」はallarg. 強くしながらだんだんゆっくり。ブレーキをかける感じ。

16. 息を一瞬ですって「お」を全員で揃って歌い始める。

これ以降、3パートの縦の線がそろった、ハーモニーの厚さを聴かせる部分。朗々となめらかに歌おう。

17. 「光っている」「心」などのKの子音をていねいに歌う。

特に「心」は「KHOKHORO」というくらい子音を長く。
「ろー」でアルトの音が動くのを全パートが聴いてから次の「こ」に入る。ソプラノ、男声も「ろー>お」というかんじで、「お」を言い直すと揃う。「心」で一旦大きくしておいて、次にmfまで、少し落とす。
同様に、「いきたい」もソプラノ、男声も「い<-<-」と感じて歌う。

18. 「ラララ」以降、これまで蓄えていたエネルギーが、あふれ出す感じ。

「la」で、解放された歌声をぐぐっと押しだす。

19. 「何ができるか」で一旦fに落とす。

そこから、再び一気に頂点に持っていく。
「ください」のK、D、Sの子音もはっきり飛ばす。
「あ」で外に向かって最後のエネルギーを放出したあと、Humハミングで自分の心に問う。
sub.p (スービトピアノ)すぐに弱く。「アー」の余韻、残響のなかにハミングが入る感じと思ってもよい。

「大きくしておいて、次にボリュームを落とす」指示が何度もでてきます。聴かせどころです。
私は、この曲がコンクールで歌われた当時を知りません。(仕事に精いっぱいでした)はっきりしたことをご存知でしたら教えていただけるとうれしいです。

1連: 天安門事件  作曲者や作詞家がそのように述べておられたと教えていただきました。
2連: 湾岸戦争 
3連: ベルリンの壁崩壊
4連: 自然破壊

流れていく歴史、現代がかかえている多くの問題を生徒達なりに考えさせるとよいでしょう。もし機会があれば、混声四部合唱版および、この原曲が入っている混声合唱組曲「空に、樹に・・・」もお聞きください。 


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