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TOSSランドNo: 2102247 更新:2013年11月02日

「大人になれなかった弟たちに……」で討論&主題(2013)


1 音読・語句調べ

指示1:

いきなり読みをします。間違えたら交替です。

間違えたり詰まったりしたら交替。テンポよく進めていく。

指示2:

通して1回読みなさい。
読み終わったら、ワークの語句調べのページをやっておきます。

指示3:

ワークの語句調べが終わったら、ほかに難しい語句があればノートに書いていきなさい。
ノートに書いた語句は辞書で意味を調べておきなさい。

2 ヒロユキの死について

指名なし読み、交替読み、各自読みなどで1回通読する。

発問1:

弟が死んだのは「僕」のせいですか。
「僕」のせいだと思う人は○、「僕」のせいではないと思う人は×を書きなさい。

○と×がだいたい半々に分かれた。やや×が多い。

指示4:

理由を発表します。指名なしでどうぞ。

「僕」のせいだ
・「僕」がミルクを盗み飲みしたから弟が死んだのだ。
・「僕」は弟に対して罪悪感を感じているから。

「僕」のせいではない
・弟が栄養失調になったのは、疎開したために配給がなくなったからだ。
・「僕」がミルクを盗み飲みしてもしなくても、いずれ弟は死んでいたはずだ。

指示5:

あと5分です。今日のまとめをノートに書きなさい。

【生徒作文】
・弟が死んだのは、僕のせいではないと思う。たしかに僕がミルクを盗み飲みしなかったら、ほんの少しの希望はあったかもしれないが、弟が死んだ第一の理由は、母親のお乳が出なくなってしまったり、まわりの環境が悪かったからだ。それに、僕がミルクを盗み飲みしたのは疎開する前であり、弟が病気になったのは疎開した後だ。僕が自分を責めているような文章もない。よって私は、弟が死んだのは僕のせいではないと思う。
・弟が死んだのは僕のせいだと思います。P102は僕がヒロユキのミルクを盗み飲みしたことが書かれています。P102だけなぜか「……」が多く感じられます。しかも、L16の、普通なら「ミルクを飲んでしまいました。」のところ、P102は「ミルクを盗み飲みしてしまいました。」と書かれている。さらにL8、9では、「大切な大切な…」と2回くり返している。これにより、僕が悪いことをしたということを作者が強調しているということが分かる。よって、弟が死んだのは僕のせいであるといえる。

3 母について

103ページ4行目「あまり空襲が~」から17行目「~旅立ちました。」までを、数回音読する。

指示6:

11行目。「僕たち子供を必死で守ってくれる母の顔は、美しいです。」に線を引きなさい。

発問2:

母は「僕たち子供」を何から守ってくれるのですか。
ノートに書きなさい。

ノートチェックをして意見を把握する。
すべて丸をつけ、理由を書いておくように指示する。

指示7:

まだ理由が書けない人は起立。
友達と相談してもいいです。書いたら座りなさい。

指示8:

全員起立。
意見のみ、順番に発表します。
自分と同じ意見だったら座りなさい。

すべての意見を発表させる。
「空襲」が多数。
「戦争」が約10名。
「厳しい現状」が1名。

指示9:

理由を発表します。指名なしでどうぞ。

・疎開というのは空襲から身を守るために田舎へ引っ越すことだから「空襲」。
・空襲というのは戦争がなければ起こらない。だから「戦争」から守っている。
・空襲や食糧不足など、戦争が引き起こすすべてのもの。つまり「厳しい現状」。

説明1:

今のところ、「空襲」という意見が一番多いですが、実は「空襲」は間違いです。
この時の「母」は、「僕たち子供」を「空襲」から守っているのではありません。
その理由は、次回考えてもらいます。

4 母について

発問3:

「僕たち子供を必死で守ってくれる」というのは、「空襲」から守ってくれるということではありません。
なぜ「空襲」ではないと言えるのか。理由をグループで話し合いなさい。

しばらく時間をとってグループで考えさせる。
順番に発表させたが、正解を述べた班はなかった。

説明2:

疎開というのは、空襲を避けるために都会から田舎へ引っ越すことです。
田舎の方が都会より空襲の危険が少ないからです。
ところが、「母」は「しんせきの人」に誤解されて「うちに食べ物はない」と言われたとたん、「帰ろう」と言っています。
「帰ろう」というのは、元々住んでいた都会へ帰ろうということですね。
これは、子どもたちを空襲の危険の高い都会へ連れて帰ることになり、空襲の危険から守っているとは言えません。
もし本気で空襲の危険から子どもたちを守ろうとするなら、誤解されようがどうしようが、土下座をしてでも頼み込んで、疎開させてもらうべきです。
しかし、「母」はそうしていません。だから、子どもたちを空襲から守っているわけではないのです。

おおむねこのような説明をした。
生徒は納得していたが、説明が多くなってしまった。

発問4:

それでは、母は子どもたちを何から守っているというのですか。

「しんせきの人の心ない言葉」という意見が出た。
それを受けて、次のようにまとめた。

説明3:

「母」が意を決して頼って行くぐらいですから、「しんせきの人」というのは、かなり信頼をおいていた相手だと考えられます。
ところが、そんな「しんせきの人」でさえ、「母」や「僕」が食べ物をもらいに来たと誤解し、「うちに食べ物はない」と冷たい言葉を投げつけています。
つまり、「しんせきの人」も戦争によって、人を思いやる気持ちや温かい心をなくしてしまったのです。
「母」は、このように、戦争によってすさんでしまった人の心から「子どもたち」を守っているのだと考えられます。

5 母の悲しみについて

指示10:

106ページ4行目「ヒロユキは病気になりました。」から最後まで音読します。

発問5:

この物語で、「母」が一番悲しかったのはどの場面ですか。
教科書に線を引きなさい。

書いたら持ってこさせてチェックする。
全員書けたら発表させて意見を確認する。

A 「ヒロユキは死にました。」 2人
B 「小さな弟でしたが、棺が小さすぎて入りませんでした。」 2人
C 「母が、大きくなっていたんだね、とヒロユキのひざを曲げて棺に入れました。その時、母は初めて泣きました。」 多数

指示11:

理由を発表します。指名なしでどうぞ。

A 子どもが死んだ時だから一番悲しいはずだ。
B 棺が小さすぎて入らないということは、成長していたということに気づいた瞬間だから、そこが一番悲しい。
C 初めて泣いたのだから、ここがそれまでで一番悲しかったということだ。

しばらく自由に討論させる。

指示12:

今日のまとめを書きなさい。

【生徒作文】
・Cの「母が――」。とても悲しかったときには涙が出てくるし、初めて、ということはヒロユキが死んだのはそれほどショックだったということだと思うから。そして、「大きくなっていたんだね」と自分が気づかぬうちに成長していたことがわかって、とても悲しくなったから。Bの「小さな弟でしたが――」という所は、悲しくなるところではないと思うので、最も悲しくなるところではないと思う。
・母が一番悲しかったのは、P107L10「母が――」のところだ。理由の一つに、この物語の題名は「大人になれなかった弟たちに…」だ。それと、P107L10「母が、大きくなっていたんだね、とヒロユキのひざを曲げて棺に入れました。」を照らし合わせると、「大きくなっていたんだね」=「大人」となる。これをふまえると、母は、もっと長く生きてほしかったという願いが見えてくる。それによって、母は悲しんでいるといえる。もう一つは、P107L11「そのとき、母は初めて泣きました。」とある。一般的に考えて、大人が泣くことはめったにない。しかし、今は、息子の死を目の前にし、今まで泣いたことがなかった母が泣いている。つまり、P107L10「母が――」のところが、母が一番悲しかったところといえる。

6 主題

指示13:

最後の一文を読みなさい。

「僕はひもじかったことと、弟の死は一生忘れません。」

発問6:

僕が忘れないと言っていることは何ですか。
ノートに2つ書きなさい。

・ひもじかったこと
・弟の死

発問7:

「ひもじかったこと」とは、具体的にどういうことですか。

・食べ物がなくて空腹だったこと。
・弟のミルクを盗み飲みするほど、おなかがすいていたこと。

発問8:

「忘れません」という言い方は、「忘れられません」と比べてどう違いますか。

「忘れません」……意識的に、忘れないようにする。決意がある。
「忘れられません」……忘れたくても忘れられない。心に強く残っている。

発問9:

「大人になれなかった弟たちに……」という題名で、おかしいところはありませんか。

・弟は一人なのに「弟たち」となっている。

発問10:

作者は、なぜ「弟たち」という題名にしたのでしょうか。

・ヒロユキと同じように、幼くして亡くなった子どもはほかにもたくさんいたから。
・戦争で亡くなった人たちみんなへの思いを込めたかったから。

最後に、「作者がこの作品に込めたメッセージは何か」という発問を考えていたが、「なぜ『弟たち』という題名にしたのか」という発問と重なる部分が大きいと考えてやめた。


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