TOSSランド

コンテンツ登録数
(2018/12/18 現在)

21575
TOSS子どもランド TOSSオリジナル教材 TOSS動画ランド TOSSメディア TOSS-SNS TOSS公式(オフィシャル)サイト
TOSS子どもランド
TOSSランドアーカイブ
TOSSランドNo: 6342897 更新:2013年10月14日

【簡明の原則】輪郭がクッキリとした指示を与える


【簡明の原則】輪郭がクッキリとした指示を与える

 実際に子どもたちを目の前にする。どの子もたまらないほどに可愛い。
 「よし、この子たちを賢くしてやろう!いろんなことをできるようにしてやりたい。あれも教えよう。これも教えよう…。」

指示1:

声を大きく出しましょう。でも怒鳴ってはいけませんね。力を抜いて、そう、肩を上げないでね。口を大きく開けて、歌います。

「簡明の原則」を知っていても、気持ちばかりが先行してしまう。その結果、子どもたちは何も変わらない。
「激励の原則」をなまじかじっている私は、取り敢えず「うん、良くなってます。もう少しです。」などと言う。
だが、「本当かよ。」というしらけた子どもたちの視線が痛い。

1、指示・発問は短く限定して述べる

 上記指示は長すぎる。
 指示・発問は十数秒で与える。
 言葉を削る。

指示2:

口を大きく開けます。

 確かに短くなった。しかし、これでは何も変わらない。
 実際に指示してみれば分かる。

2、輪郭がクッキリとした指示を与える

 子どもが何も変わらない指示は無駄である。輪郭がクッキリとした意味のある指示を探すことは、無数に散在する石の中から宝石を探し出す作業に似る。本やライブで学んだ事、自身の経験などを駆使し、子どもの実態に合ったものを生み出す必要がある。経験の少ない私のような(新米以前の)教師には極めて難しい。
 以下に中学校の実習で行った授業の一部を掲載する。輪郭がクッキリとした指示を模索した。ご批判ご批正をお願いしたい。

力まずに声が大きくなる「A母音」矯正実践記録

 中学校3年生のクラス。30名。混声四部合唱曲「大地讃頌」の第2時間目の中盤である。
 音取りは一通り済ましている。各自の教科書(教育芸術社-2、3年下-p.64/65)に掲載された楽譜のブレス記号(40箇所)と歌詞の「ア母音」の言葉全て(68箇所)に赤ペンまたは蛍光ペンで色が付けさせた。
 それぞれ作業時間を「3分」と「5分」に設定した。

指示3:

では5分経ちました。(「あ母音」に印を付ける)作業を止めて下さい。
どうしても終わらない人は後で見本を見せますから、一度顔を上げてください。

指示4:

ブレスは分かるけど、「あ母音は何だよ。」って思ったでしょ?
ちょっと指をこうして耳の前の所に置いてみて下さい。

机間指導をして、指を耳の後ろの位置に置いているのを確認する。
(渡瀬冒治著「【新版】教師のための合唱指導と実践」の実践より)

指示5:

そのまま「あー。」って言って口を大きく開きます。
やると耳の手前の所がべこってへこむでしょ?

 「分かったかな?」と言いながら、出来ていない生徒のところを回る。

説明1:

その状態になってはじめて、「あ母音」で口が開いている状態といいます。

 生徒たちは、ポカンとした不思議な顔をしている。

説明2:

曲の最後、テノールに高いファ♯があります。
これ、口開かないで出すと喉やられます。
高い音を強く出すときは必ずへこませる位開きます。やってごらん。

 教師が実際に歌ってみせながら説明する。
 生徒にも声を出させ違いを実感させる。

指示6:

今から「大地讃頌」歌います。
手を耳の手前の所に置きます。

指示7:

へこませたまま歌いなさい。
「あ母音」の印を付けた箇所は特に注意します。(主要指示)

 カラピアノテープをかけて歌わせる。
 音があまり取れていない生徒の側で歌う。

説明3:

素晴らしい!!さすが!!ねっ!
「あ母音」を気をつけるだけで全体で声がこんなに出るようになりました。
この位声量が出ていれば合唱コンクールでも大丈夫です。

3、生徒の感想

 30名の感想のうち代表的な感想を掲載する。

①肯定的な感想(26名)

1.少し意識してうたったら、前とは違って、声の出方が、少し変わったと思った。あと歌がもっとよくなったと思う。
2.声が大きくでました。すごいと思った。なんかちがうなぁ~と思いました。さすが先生!!
「ア母音」の音を気お(ママ)つけることによって、声の変化や音のバランスがよくなったと思います。[V]にも気お(ママ)つけるとさらによくなりました。次はもっと考えながら更に発展できるよう、歌いたいです。
3.あ母音は大切!!ちょっと注意するだけで、全然ちがった。

②否定的な感想(4名)

1.変わったか自分ではわからなかった。
2.気分が悪くなった(ウソ)
3.この歌が好きでないのでなにもなし!
4.歌ってない。

 1の生徒は、授業が終わった後に私の所へ来て、「変わったか分かんないよ。」と言いながら、一生懸命に耳に指を当てて練習していた。このような生徒に成果を実感させてやれなかったのは残念だった。本当に申し訳ない思いでいっぱいだ。
 2の生徒は恐らく「あ母音」ではなく、その前にやった「ろうそく消し練習」のことを指して言っているのだろう。この練習はやり過ぎると頭がクラクラして気分が悪くなる。
 3の生徒のように、現在取り組んでいる曲が嫌いな子は、放っておくと合唱が苦痛になってしまう。しかし、全ての子が気に入る曲というものは殆ど無い。繰り返し達成感を味あわせて少しずつ馴れさせて行くしかない。
 4の生徒は、座り込んだままで終始授業に参加しようとしなかった。どうしたのかと思い、話しかけると普通に反応してくれるので、単に私が嫌いということではなさそうだ。専任の先生の普段の授業でもそのような態度らしい。生徒指導や学級経営上の問題も関わってくる。このような生徒にどのように関わっていくかは今後の課題である。


0回すごい!ボタンが押されました

コメント

※コメントを書き込むためには、ログインをお願いします。
New TOSSランド