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TOSSランドNo: 3117880 更新:2013年10月11日

生徒の座席を教師が決める目的を伝える語り


生徒は《自由》を求める。しかし、学級がまとまっていない段階で《自由》を認めてしまえば、それはやがて《崩壊》へ進む。教室における《弱肉強食》を破壊できるのは教師だけである。教師の統率力こそ、生徒に《安心できる教室》を提供できる。ここで生徒に押し切られてしまえば、1年間は茨の道を進むことになる。集団の運命は、初日で決まる。
私は、次のように語って生徒から支持を得る。

「どこに座るか」「誰と座るか」は、皆さんにとっては重要な問題だと思います。それだけに、座席をめぐる問題はどこのクラスでも起きます。
まだお互いを知らない段階で、座席を皆さんが決めたらどうなると思いますか?

「あの人の横は嫌だ」「あの人の隣でないと困る」といった苦情がたくさん出ます。皆さんが決めた場合、その苦情は決めた人に向けられます。話し合いで決めたとしたら、議長が悪者になってしまいます。クジで決めたとしても、今度はクジを作った人に非難が集中します。
これでは学級がまとまりません。学級にとって、プラスになることは、何もありません。

座席は出会いの場です。「この人には、こんないいところがあったんだ」「この人の長所はここだ」という発見ができる大切な場でもあります。
だから、先生が《学級の成長》を考えて決めます。先生の願いを込めて、座席を決めます。多くの人の長所を学んでほしいと考えるので、1か月に1度席替えをします。
もし、「どうして、この人の隣になったんだろう?」と疑問に思った時は、先生に聞いてください。その理由を教えます。納得できなければ、その座席は無効にします。先生なりに、じっくり考えて決めます。

先生が「学級がまとまった」「この学級はもう大丈夫だ」と判断した時は、座席の決定権を皆さんに譲ります。
先生が、そう判断する基準は次の2点です。
        ① 男子と女子の机が、常にくっ ついていること。
        ② どの授業も落ち着いて受けることができること。
先生の経験では、この域まで達するのには半年かかります。でも、皆さんの努力次第では、すぐにでも実現可能です。先生が安心して座席の決定権を皆さんに預けられるような生活を、今日から始めてください。
今までの話を聞いて、何か質問はありませんか?

質問を受けたことは1度もない。
今まで持った5学級とも、私の提案を受け入れてくれた。初日である。生徒は警戒をしている。こんな状態で、質問できる生徒はいない。「何をしたら怒られるのか」「この先生は怖いのか」そうした《探り》を必ず入れてくる。

こうした生徒の動きに対して、私は先手を取る。
これが、5月だと勝てる確率は50%程度になる。2学期になれば、まず勝てない。生徒は《自分たちで決める》という既得権を主張するからである。学級集団の力に担任が敗北してしまう。これでは、教師の統率力などゼロに等しい。荒れるのは当然である。

私は、新しい座席を学級通信で発表する。生徒は食い入るように学級通信を眺め、自分の席を探す。私に対する信用が浅い段階では、「なぜ、あの人の隣なのですか?」と聞きにくる生徒がいる。「生徒指導上注意が要する」と、前担任から引き継いだ生徒の場合が多い。私を試しているのである。このチャンスを逃す手はない。私は、次のように理解を求める。

 隣に座っている昭彦君は、自分の考えをうまく表現できないところがあります。優美さんも、小学校から同じクラスだったのでわかるよね。優美さんは、明るく活発な生徒です。そうした前向きな姿勢を、隣に座ることで、昭彦君に伝えてほしいのです。

 俊介君はみんなの人気者です。君が笑えば、学級全体が明るくなります。君を後ろの席にしたのは、その明るさを学級の後ろから全体に伝えてほしいと考えたからです。しっかり者の育子さんと協力して、学級に活気を与えてほしいという願いを込めて座席を決めました。

理由を聞きに来た生徒には、その生徒の長所を伝え、学級のためには必要な人材であることを語る。そして、長所を学級のために生かすには、その席が最も有効であることを付け加える。これだけほめられると、生徒は悪い気がしない。「納得してくれたかい?」と聞くと、生徒は必ず頷いてくれる。自分の席に納得するだけではなく、私に対する警戒心も払拭することができる。教師の統率力を示すには、最も有効な方法である。

私は、この方法で5回学級を持っているが、1度も座席に対する不満を聞いたことがない。もちろん、座席を決める時は、お互いの人間関係を考慮する。特に、女子の場合は神経を使う。しかし、やがて生徒自身が《誰と座っても同じ》《先生が決める方が公平だ》という意識が芽生えてくる。

2学期になると、約束した2点が守られ、座席の決定権を生徒に渡すことを提案する。しかし、「先生が決める方がいい」「学級通信を見るときのドキドキが何とも言えない」と、生徒は受け付けない。それでも、私は、あえて座席の決定権を生徒に預ける。《自分たちの努力によって勝ち取った権利だ》という誇りが、生徒の心に芽生えるからである。この誇りこそ、学級を集団としてまとめる力となる。

学級には、様々な子がいる。何もしなければ、混乱し、無秩序の状態になる。だからこそ、教師には統率力が必要となる。生徒がアドバルーンを上げる前に、教師が先手を打つ。私は、それを《座席は教師が決める》と宣言することから始まる。中学校では《先手を打つ》ことが有効である。


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