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TOSSランドNo: 1114032 更新:2013年10月09日

「ごんぎつね」(新美南吉)のすぐれた発問一覧


 ごんぎつねは六つの節からなる物語である。六社全社に載せられている有名な教材である。

発問1:

「ごんぎつね」は,いくつの「事件」からできていますか。「事件」を一文で書きなさい。
 (短冊に書かせる。短冊を分類して黒板に貼る)
検討して,どれを支持するか討論しましょう。(*一) 

 文章がいくつの事件より成り立っているのかを問い,おおまかにどんな話であるかをつかませる発問である。
 だが,真のねらいは,「兵十がごんを打ったのか,ごんが兵十に打たれたのか」を検討させることにある。すなわち,視点はどちらかを問うことになるのである。

発問2:

ごんが倒れて,かけよった兵十は,まずはじめに何を見たのですか。
ノートに書きなさい。 (*二) 

 兵十は,家の中を見たのである。「兵十は,何を考えたのでしょう」と問うと,「ごんがどうなったか」と答えてしまう。思いこみの答えを排除するのである。

発問3:

兵十は見るところを次,次,次とかえました。どのようにかわったのか,簡単な図にかきなさい。(*三)

 Aは家の中,Bはくり,Cはごんの順で見るのである。ここまで,文章をしっかり読ませてから,次の発問にはいる。

発問4:

兵十の考えが今までと変わったのは,A,B,Cのどの時ですか。(*三) 

 クライマックスを問う発問である。この発問で答えを引き出すために,前の二つの発問を問うている。くりを見なければ,兵十はごんがくりを持ってきたことに気づいていなかったことをはっきりさせることが大切である。私は,BとCの間を解にしたい。

発問5:

「二」の段落に出てきた色をノートに書きなさい。(*四) 

 本文中には,「おはぐろ,赤いいど,赤いきれのように,白い着物,白いかみしも,赤いさつまいも」がある。「おはぐろ」から,黒を連想する子もでるだろう。「赤」と「白」は,はずせない。

発問6:

色が「生」と「死」を表すとしたら,赤はどっちになりますか。白はどっちになりますか。(*四) 

「赤い元気のいい顔が」「ひがんばながふみ折られていました」「白い着物を着たそう列の者たち」から,「赤」は「生」,「白」が「死」が解である。色からも,対比ができる。

発問7:

赤い井戸と物置を図にかく。
兵十は,どこにいたのでしょうか。  (*五)

 「赤いいどの所」なのだが,物置側であることは間違いない。反対側なら,ごんと正面を向いてしまう。ここでは,兵十の位置を決めることがねらいである。

発問8:

ごんの位置を図で示しなさい。五分間です。(*五)

 絵の描き方で,解は変わる。しかし,井戸からは
死角になって,見えないところにいることは間違いない。すぐ隠れること,もしくはすぐ逃げることができるところが解である。

発問9:

ごんが六地蔵の陰に隠れている場面を読む。
ごんは,そう列を前から見ていますか。後ろから見ていますか。(*六) 

 解は「前から」である。「兵十が,白いかみしもをつけて,いはいをささげています」「顔が,今日はなんだかしおれていました」は前からでないと見えないはずである。
 また,「やがて」「ちらちら見え始めました」「話し声も近くなりました」から,ごんの方へそう列が近づいてくるのがわかる。やはり「前から」である。

発問10:

話者はどこにいますか。(*六) 

 地の文では,ごんとそう列の両方を語っている。それから考えると,「ごんのそば」である。
 だが,「ひがんばながふみ折られていました」は,「ごんのそば」では説明できない。そう列がすぐそばまできたら,見つかるので,場所を動いたはずである。
 したがって,「ふみ折られていました」のときは,話者は「そう列の近く」である。

発問11:

「月のいいばんのでした」の場面を読む。
ここにおしろがあります。空から見たところです。ごんは,いまここを歩いているとします。ごんの歩いてきた道を黒板に書いてください。(*六) 

「おしろの下」の解釈で解がかわる。「おしろの下」を「おしろの真下=地下」と考えても,ここだけならおかしくない。

発問12:

「だれかが来るようです」と書いてあります。「だれが」は,どのあたりにいて,どちらに向かって歩いていますか。黒板に書いてください。(*六) 

 「向こうから」から,「ごんより前」にいる。

発問13:

このあと,ごんは兵十と加助のあとをついていったとかかれています。兵十と加助,ごんの動きを,黒板に書いてください。 (*六)

 最初は両方が近づいてきて,その後,ごんが隠れ,二人の後をついていく。したがって,ごんは後戻りする事になった。

 一九八六年二月,石岡学級の子に対した向山洋一氏が発した発問が四問ある。

発問14:

六じぞうさんは,どこにあるのですか。(*七) 

 「村の墓地へ行って」とあるので,「村の墓地」にあるが解である。

発問15:

お城と村という言葉がでてきます。お城があるところと,村があるところは同じなんですか,違いますか。(*七)

 「村の近くの,中山という所に,小さなお城があって」
という文から,「違うのではないか」と判断できる。しかし,はっきり違うという記述はない。

発問16:

どこの文章に違うと書いてありますか。(*七) 

  違うという記述はない。

発問17:

村の墓地へとあります。この墓地は村にあるのでしょうか,そうじゃないのでしょうか。(*七) 

 「村の方から,カーン,カーンとかねが鳴ってきました。」から,「村にない」が解である。村にあるのなら,「村の方から」とは,書かない。

野口芳宏氏の発問が二問ある。

発問18:

ごんがくりを固めて置いたのは,なぜでしょう。 

 「兵十にわかってほしかったから」という意見が多くでるはずである。しかし,「固めておくと音がしない。音がしたら,見つかって殺されるかもしれない」という意見もあって良い。

発問19:

最後にごんは幸せでしたか。 

 意見が二つに分かれ,討論に適した問いである。
 教師の考えは最後に述べればよい。解を押しつけるべきではない。

<参考・引用文献>
(*一)国語科発問の定石化 大森修著 明治図書
(*二)国語の授業が楽しくなる 向山洋一著 明治図書
(*三)国語教育 88.7 NO.396 ごんぎつねの対比発問をこうつくる 岸祐尚 
(*四)第三期教育技術の法則化 26 ごんと兵十の位置を問う 山田一
(*五)第三期教育技術の法則化 26 「ごんぎつね」二の場面の後半の授業 松藤司
(*六)第三期教育技術の法則化 26 人物の動きを読みとる 小酒井基文       
(*七)国語教育 90.4    プロ教師の発問づくりに学ぶ観点 岸 祐尚


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