趣味で合唱をやっている先生は特別です。ごく一般の担任の先生は、歌の指導なんてできないと思っているかもしれません。
そんなことはありません。いちばんの歌唱指導は、担任の先生も、生徒といっしょに歌うことです。へたでもいいんです。生徒たちは、そんな先生が大好きです。
でも、いっしょに歌うだけじゃなくて、ちょっと先生らしい指導、専門的な指導もしたい時、ご参考になればと思います。
a. 首を回します。ぐるぐるぐる。反対ぐるぐるぐる。
b. 肩を上下に動かします。イチ、ニ、サン、シ、ゴ。
c. 「アー」で15秒、用意、はじめ。「アーーーー・・・」
d. 「アー」で20秒、用意、はじめ。「アーーーー・・・」
e. ニャオニャオギャオギャオと言いましょう。さん、ハイ。
以上慣れてくると約1分10秒
「アー」の口については後述。声の高さは、こだわらない。どんな高さでも良い。
大切なのは、わずか15秒をクラス全員で集中して声を出すこと。途中でフラフラしたり、笑ったり、しゃべったりする子が最初のうちは必ずいる。
「わずか15秒です。たったこれだけの時間でも全員が集中するというのは難しいのです。クラス全員が集中できた時、大きな力になります。」
などと話す。できたら必ずほめる。
「すごいぞ。じゃあ、20秒めざしてみよう。」
息を吸う前に全部吐いてしまうと、たっぷり吸える。また、どうしても続かない生徒には、
「息がなくなっても、知らん顔してアの顔をしておいたらいいよ。」
と言っておく。
黒板の真中少し上に○を書く、あるいは、担任が手のひらを見せて手を上げて、そこに声をあつめるように。まっすぐな息を出す。
ニャオニャオギャオギャオは、ゆっくりと。頬の筋肉(?)をしっかり伸ばして、口をいっぱいに動かしてしゃべる。腹話術みたいな口は意味がない。
a. いっしょに息を吸う。アクションをつけて、タップリ吸う。
b. くじらが魚や海水をのみこむように吸う。
c. 手や足の先まで息が届くように吸う。
d. 出だしの言葉だけ、指揮に合わせて何回も練習する。
e. 「ア行」「カ行」「は行」「ラ行」は、その口の形で息を吸う。
「明日」なら「ア」の口で、「遥かな」なら「ハ」の口で。言葉に対する意識が違ってくる。ハミングなら鼻で吸う。
f. 練習の中で、でだしが悪い時は、止めてやり直す。
g. 教師が何も言わなくても、指揮者が手を上げたらすぐ黙って注目できるようになるまで練習する。
作曲家は意図してそこにその記号をつけている。無視してはいけない。その記号を忠実に再現しようとすることで、作曲家の感性に近づくことができるのだから。
1.楽譜に書いてある記号全てを調べ、わからないところは意味を楽譜に書き込む。
2.「歌い始めはフォルテだから強く」「ここから、ピアノだ。弱くだぞ」最初はこのストレートな指示でOK。
「フォルテだから強く」ではなく、「こういう歌詞だから強く」という指示になる。
「ちいさなてのひらにそっと・・・」という歌詞ですよ。やさしく小さく歌おうね。
「遠い」「遥かな」「空の向こう」・・・窓の外、遠くを指差して、イメージをつかむ。
「小さな」「やさしい」「さみしい」・・・弱く、やわらかく、優しく、小さく。
「力を」「たくましい」「大きな」・・・文字どおり元気に大きく。 など
同じ言葉を繰り返す、あるいは途中から繰り返す時も、作曲者は意図して作っている。音楽における繰り返しの多くは「強調」または「エコー」のどちらかと考えられる。
「強調」なら2回目を強く、「エコー」なら2回目を弱く歌う。
この場合はどちらになるかを考えて工夫するだけで、くりかえしをのんべんだらりと歌うことがなくなり、曲にめりはりがでる。
1.言葉の最後をのばして次がフォルテになっている場合は、書いていなくてもクレシェンドで(だんだん強く)歌う。
「マイバラード」の♪うたおーよー の部分など
2.ずーっと強くうたっている中に、ひとつ弱く歌う単語を入れる。
「時の旅人」 ♪涙のあとにはいつも君がそばにいて生きる喜び・・・の次の「教えてくれた」だけを弱く、次の「教えてくれた」は大きく(これは上記STEP3にも通じる)
「この地球のどこかで」 2番の♪歩いてゆく道は・・・の次の「きっと違うけれど」だけを弱く。 など
しばらくお待ちください。
作曲家は、曲の最後には力を入れて作っている。など。
a. 耳の下の、あごの骨(何でしたっけ?)のところに人差し指を当てて、へっこむくらい。
b. 縦に指3本入るくらい。
c. 親指を曲げて、関節と関節の間の部分が口に入るくらい。
d. 自分の人差し指を口に入れて、歯や唇、舌に当たらないように。
e. あくびをしたかんじで。
実際は口をあけるというよりも口の奥(軟口蓋や舌根)を開くのですが、いちばんわかりやすい方法をみつけてください。
口をあけると共に、
「目をぱっちり、まゆげ3センチ上げて。」
もできると、すばらしい表情になる。 先生がまず鏡の前で練習しよう。初めて公開すると、生徒たちにウケること間違いなし。
後述のビデをも効果的。
a. 黒板にあたるように。
b. 黒板にあたって、はね返ってくるように。
c. 隣の教室に、グランドに、職員室に聞こえるように。など、バージョンは多数。
d,. 窓ガラスがビリビリするくらい。
e. 遠くに飛ばそう。ホームランだ。
f. 楽しく大声を出す体操
a. 歌えない、歌わない原因のほとんどは、覚えられていないから。
くりかえしくりかえし練習する。
5回の練習で覚えられなかったら、8回練習しよう。
それでも覚えられなかったら、10回練習しよう。
10回よりも15回、15回よりも20回練習した方が、自信をもって歌えるようになるよ。
励まし続ける。
50回、100回めざしてカウントをしていくのも効果的。
b. ある程度覚えられたら、表現を工夫しよう。
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