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TOSSランドNo: 5610095 更新:2013年09月18日

【追試実践】自衛官の殉職(小林義典氏の追試)


【追試実践】自衛官の殉職(小林義典氏の追試)

当日は、パワーポイントを使って授業した。

発問1:

(●墜落した自衛隊機の写真を提示)Mainichi INTERACTIVE photoジャーナル http://www.mainichi.co.jp/ 
何の写真でしょうか。

「飛行機事故だ」
「飛行機です」

説明1:

平成11年11月22日午後1時43分頃,埼玉県狭山市の入間川河川敷に,航空自衛隊のT-33ジェット練習機が墜落するという事故がありました。

指示1:

埼玉県狭山市を地図帳で見つけなさい。

説明2:

(●T-33ジェット練習機の写真を提示)
T-33ジェット練習機です。操縦していたのは中川尋史(なかがわ ひろふみ)さんと門屋義廣(かどや よしひろ)さんです。

発問2:

お二人はどうなったと思いますか。

 「ショックで亡くなったと思います」
 「パラシュートで逃げたと思います」
 「重傷だったと思います」

説明3:

お二人とも地面に激突されお亡くなりになりました。

説明4:

中川さんは事故当時47歳,門屋さんは48歳。みなさんのお父様の年齢に近いと思います。
お二人とも大変ベテランのパイロットでした。

発問3:

このような事故が起きたのは,何が原因でしょうか。

説明5:

ジェット機の故障が原因でした。
墜落する4分ほど前,午後1時38分,基地管制塔に「マイナートラブル発生」という連絡が入りました。
「軽い故障が発生しました」という意味です。

説明6:

ところが,その30秒後に
「変な音がして,ちょっとオイルのにおいがしますので降ります。」
という連絡が入りました。
この時の高度は760m位。次第に高度を下げていきました。

説明7:

さらに1時39分49秒,「コックピット・スモーク。リクエスト,ストレート・イン。フルストップ」という連絡が入りました。
「操縦室から煙が出ている。基地の滑走路に直接飛んで行き着陸する」
という意味です。
この時の高度は360m位。

説明8:

そして,午後1時40分14秒,「エマージェンシー!(緊急事態)」と告げられました。
その2分後にT-33ジェット練習機は地上に叩きつけられます。

発問4:

事故の話を聞いてどう思いましたか。

「墜落するとは思わなかったのでかわいそうだと思いました」
「恐いです」
「小さな故障から大きな事故が起きるなんて思わなかっただろうなぁと思いました」

発問5:

T-33ジェット練習機は古い飛行機でしたが,普通の旅客機などより安全なのです。
安全だと言えるのは,何故でしょうか。

説明9:

脱出装置が付いているです。
座席ごと空中に打ち出されてパラシュートが開き安全に地上へ降りられます。
T-33ジェット練習機にもこの脱出装置はついていました。
100mの高度があれば確実に脱出できたのです。

「エマージェンシー!(緊急事態)」とお二人が告げた時には,まだ確実に脱出できる高度にいました。

発問6:

その時に脱出しなかったのは何故でしょうか。

(●墜落現場を上空から撮影した写真を提示)Mainichi INTERACTIVE photoジャーナル  http://www.mainichi.co.jp/ 
墜落現場を上空から撮った写真です。脱出しなかったのは何故でしょうか。

「質問です。あの白いものは何ですか。」(あれは消火のための泡です。ここが墜落した場所です。)
「脱出装置を使って脱出できるんだけど,脱出するとジェット機が家とかに落ちて町を壊したりするからだと思います。」
「町の上空くらいから故障して,それで,そのまま脱出するとジェット機が町の真ん中に落ちそうだから,町の外れの所までジェット機をもっていって,墜落したんだと思います。」
「脱出するとジェット機が町に突っ込んでしまうからだと思います。」
「飛行機を捨てて自分たちばっかり脱出しても,飛行機がそのまま落ちていったら町が壊れて,何て言うかなぁ,みんな死んじゃうって言うかなぁ,全滅というか,....町が壊れるからです。」

説明10:

(この部分は,子供達の目を見ながら語る。)
緊急事態だと分かった時,お二人が脱出していたら,T-33ジェット練習機は民家や学校に激突したでしょう。
中川さんと門屋さんは,助からないことを覚悟した上でジェット練習機を操縦し続け,ぎりぎり低い高度で河川敷上空までたどり着きました。
墜落直前まで何とか機体をコントロールさせようと必死でした。
そして,他人に被害が及ばないことが確実になった段階で,万一の可能性にかけて脱出ボタンを押しました。
しかし,その時はもう遅すぎたのです。
死の瞬間,思い浮かべたのはご家族の顔でしょうか,それとも民家を事故の巻き添えにしなくてすんだという安心感でしょうか。
これは永遠に分からないことです。

発問7:

中川さんと門屋さんの行動をどう思いますか。(列指名)

「この人たちは勇敢な人たちだと思いました」
「勇気のいる行動をしたと思いました」
「自分の命をなくしても他の人の命を守るなんてすごいと思いました」
「中川さんと門屋さんは死ぬ覚悟で町の人たちの命を守ろうとするなんてすごいと思いました」

説明11:

自衛隊の皆さんは,入隊するときに次のことを約束するそうです。
『国民の生命財産を守る,その使命のためには命を懸けても自分の役目をやり遂げる』と....。
この約束をしっかり守り,他の人たちの命を守るためには自分の命を捨ててもかまわないと,このギリギリの瞬間にためらうことなく決断できた航空自衛隊の隊員が二人いたことを,私達は胸に刻んでおきたいですね。

指示2:

今日のお勉強の感想をノートに書きなさい。

【子供たちの感想】

<咄嗟の行動>
1.
自衛隊の方は人を守ると決めたら、やっぱり自分を助けるよう、などと思わず、人を助けるんだなぁと思いました。
僕も人を守れるようになりたいです。

2.
僕は、自衛隊が命をかけて、住民を守ることはすごいと思います。
ぼくには、こんなすごい勇気はありません。
自衛隊はとてもすごいと思いました。

3.
ジェット練習機が落ちるということになっても、咄嗟に住宅街を避けられるというのは、とてもすごい行動だと思いました。
たくさんの人の命を助けたことが、とても感動しました。
最後まであきらめず、多くの人を救いたいという気持ちを私も持ちたいです。

4.
今日、自衛隊の方について新しく知りました。
命をかけて人々を救うことをしているのも自衛隊の人が進んで言ったとしても難しいことだと思いました。
飛行機の事件で、自分の命は助からないけど、このまま逃げたら町の人が死んでしまうということで、そのまま飛び続けたのに驚きました。

5.
昨日の自衛隊の方々は、命をかけて、国民を守る仕事をしているんだなと思いました。
ぼくも、自衛隊に入るときは、命をかけて、国民を守りたいです。
そして、他の国々とも信頼を築きたいです。

6.
自衛隊の方はそんな契約があると思いました。
中川さんと門屋さんは、国民を助けるということを守ったわけですから、安心して亡くなることができたのだと私は思います。
いつ、何が起きるか分からないけれど、この咄嗟の行動を大事にしていきたいです。

7.
私は、中川さんと門屋さんは、すごい方だと思いました。
自衛隊の契約にならい、民家を優先したのは立派だと思います。
私は中川さんと門屋さんのように咄嗟の行動ができるようになりたいです。

8.
自衛隊の人達は、自分に家族がいても、知らない国民のために、
命がけで働いていることが分かりました。
私たちの知らないところで、国民のために、すごいがんばってくれていることも知りました。
自分の家族よりも、国民のためにやり遂げようとすると、咄嗟に考えられることが、すごいと思います。

9.
自衛隊の方は、咄嗟のときでも国民の命を優先するのは、すごいと思いました。
しかし、若いうちに亡くなってしまった2人を悼みます。
僕は咄嗟の時にそんなことはできないかも知れないけれど、最善を事をできるようになりたいということや、
自分がこういう場面等にあったら、人の命を考えてみようと思います。
いつまでも、この自衛隊の方が自分達のことを守ってくれていることを忘れないで生きていきたいとも思います。

10.
今日は、自衛隊の人が、自分の命を捨ててまで、他の人の生命、財産を守るのはすごいことだと思った。
僕は、これから命を捨てるまではいかないけど、自分のことより、他人のことを優先したい。(ことによる)

11.
僕は、中川さんと門屋さんは、脱出しようと思えば、脱出できたけど、自分の命よりも国民の命を優先したのはすごいと思いました。
僕も自分のことだけを考えないで、人のことも考えたいです。

12.
中川さんと門屋さんは、T-33ジェット機を最後の最後までコントロールさせて亡くなってしまったけれど、
その被害を最小にしたという判断はとてもすごいことだなぁと思いました。
僕も、もしものことがあったら、見習いたいです。

13.
今日の話を聞いて、T-33ジェット練習機を操縦していた2人は、住宅街に墜落して住民が死んでしまうよりも、
数百m離れた所に墜落させて死ぬ覚悟ができた上で死んでしまったのは、そのとき、2人が思った咄嗟の行動だと思いました。

14.
中川さんと門屋さんは自衛隊の契約を最後までやり遂げたのはすごいと思います。
国民を自分の命をかけて助けた中川さんと門屋さんの行動はすごいと思いました。

15.
自衛隊の人達は自分のことを考えずに、人のことを考えて、自分達が死んでいってということは、僕は絶対できないと思いました。
だけど、自衛隊の人達はすごいと思いました。

16.
自衛隊は自分の命よりも人の命を優先することがよくこのパソコンを見て分かりました。
そして、このT-33ジェット練習機に乗っていた2人の人は自分より、人のことを優先し、亡くなってしまったのだと思いました。

17.
僕は自衛隊は命がけで、がんばっていることを知りました。
他の人のことを考えてやっていると思いました。

18.
今日の授業で、何かをやり遂げる時は、最後まで、やり遂げなければいけないと思いました。
なぜなら、中川さんと門屋さんも国民のために、助からないと分かっていて、墜落になったからです。
私は、それがすごいと思いました。
もし、私なら、ジェット機に乗っている時に、周りを見ないで絶対に脱出してしまうと思ったからです。
私は最初に結審したことを、最後まであきらめてしまうことがあるので、中川さんや門屋さんのように、
やろうと思ったことは、最後までやろうと思いました。

19.
私はこのジェット機の話を聞いて、とても悲しくなりました。
中川さんと門屋さんは、家族がいるのに、自分の命を捨てたということがとても感動しました。
これからも自衛隊の人達にがんばってほしいなと思いました。

20.
自分の命より他の人の方が大事のような行動を取るのがすごいと思った。
私も自分のことより他の人のことを優先に考えて、
行動したいです。

21.
私は、今日と昨日の自衛隊の話を聞いて、自分の命を捨ててまで、人の命を守るという使命を果たせるのは、すごいと思います。
私は、自分の命を捨ててまでとは言わないけれど、他の人のために、自分のできる最大限をつくせるようになりたいです。

22.
①街とかを何とかがんばって、自分達だけの力で守るのは、本当にすごいと思いました。
②国民のためにそこまでやるなんて、自衛隊の人は立派だなと思いました。かっこいいと思いました。
③国民のために、自分が犠牲になるのは、悲しくないのかなと思いました。

23.
自衛隊の人達は、自分の命をかけて、国民の人達を助けるということを改めて知りました。
やっぱり自衛隊の人達はすごいと思いました。
T-33は、パラシュートまで付いていて、安全だったけれど、もし、あの時、自衛隊の人がパラシュートを開いていたら、
多くの人が亡くなっていたと思います。
でも、自衛隊の人はあの時、自分の命を犠牲にして人を救ったということがすごいと思いました。

24.
私は改めて自衛隊の人々はすごいと思いました。
人の命を守るために、自分の命をかけるのは、相当な勇気が必要です。
私だったらできません。
それだけ人の命は大切だと自衛隊は思っているのが本当にすごいです。
私はもっと人のことを考えたいです。

25.
咄嗟の行動なのに、とてもすごい行動だと思った。
勇気の必要なことだし、すごく危険。
でも、そういう人がいるから、事故現場のすぐ近くの住民の命があるのだと思う。

【考察】

子供達の感想を読んでいると、「命を捨てて、人を助けた」というのが多い。
しかし、きちんと調べていけば、殉職した自衛官の2人は、最後まで、自分自身も、住民も命を救おうとしていることが分かる。
決して、始めから自分の命を捨てて、人を助けようとした訳ではない。
プロフェッショナルとして、両方ともに助かろうとしているのである。
そこに本来の自衛官の凄さがあるが、どうしても、子どもたちの思考はステレオタイプに、
「命を捨てて、人助けをした。だから、すごい。」
となっている。
一度出来てしまった回路を切り崩すことのむずかしさを感想から実感する。
この思考回路を脱するには、
「プロフェッショナルとして、両方ともに助けようとしていた。」
ということを、単に言葉で説明するのではなく、エピソードを加える必要があった。
「子どもの事実」はいろいろなことを教えてくれる。

〈参考資料〉
■狭山ヶ丘高等学校 学校便り『藤棚』平成11年12月1日発行 小川義男校長先生
■12期幹部候補生のホームページ
■Sankei-itimen 
■Sankei-national 
■Mainichi INTERACTIVE photoジャーナル http://www.mainichi.co.jp/
■航空新聞社


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