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TOSSランドNo: 4705670 更新:2013年08月24日

通級学級で使える酒井式のエキス


1.きっぱり決める

 一つの題材でも、どこをどう見せるのか、どこをどう見せないのか、きっぱりと決めてかかります。        (「酒井式描画指導法入門」明治図書 p.6より)
 

 通級学級には、子どもたちは週1回、多くても2回しか教室に来ない。ふれあえる時間は限られている上に、
することはいっぱいある。何かを読ませるとき、どこに中心を置いて読ませるのか、どの部分は捨てるのか、
しっかり決めなくては進んでいかない。一緒に遊ぶとき、どの点を見るためにどの遊びをするのか、しっかり
決めておかないと、子どもにとっても、担当者にとっても時間の無駄になるだけなのである。 

 

2.できたという喜びをもたせる

 なんといっても最大のよい点は、子どもが喜ぶことです。
 「やっと腰かけてるように描けたよ!」というのが、この子の感想でした。

 「描けた!」という喜びのない授業は時間の無駄です。
 描けるようにするためには、それなりの指導と手だてが必要なのですが…(以下略・小瀬村)
                            (前掲書 p.8より)
 

 できた!という喜びを、教室の中で感じることができない子がたくさん来る。私がほめると、最初「信じられない」
という顔をした子がいた。発音に誤りのある子に音読をさせたときのことである。今まで音読をしても教室で
ほめられたことがあまりなかったのだろう。妹にまで発音の誤りを指摘されているその子にとって、「自分も読める!」
という気持ちをもてたことは自信につながったようだ。これは、その子が「読むことは楽しい」「話をするって楽しい」と
思うことにつながっていく。「できた!」「読めた!」という喜びのない指導は、時間の無駄である。

 

3.自らの意志で動く場面の創造

 ただいえることは、強い線であろうと弱い線であろうと、その線を引いた本人の神経がぴーんと通った線だということです。
 それは、その子だけのものです。これほど個性的な線はありません。
 そういう線を引かせるには、そんな線を引かねばならぬところへ子どもを追い込まなければなりません。
 子どもが自らの意志で、一本の線を引く。そのような場面を創造していかねばならないのです。                      (前掲書 p.11より)
 

 発音に誤りのある子、吃音の子が一生懸命練習し、文を読む。この様子をカセットテープに吹き込み、記録として残す。
なかなかうまくいかないが、子どもは必死である。担当は、いつでも一緒にいられるわけではない。一緒にいられるのは
週に2時間単位程度だ。さらに担当者と一緒にいるときはクラスの子どもたちはいない。個別指導が主だからである。
指導中に上手に読めたからといってなにかに役立つわけではない。実生活の中で、自分の障害と向かい合い、
上手につきあいながら、周りの人と会話を楽しむという状態が望ましいのだ。そのような場面を創造していきたい。

 

4.終点を決める

 終点の指定は、単に「終り」を知らせておくという意味だけでなく、子どもの造形意欲を強烈に刺激するものであることがわかってきたのです。
           (「シナリオ 酒井式描画指導法」明治図書 p.98より)
 

 ことばの教室に通ってくる子たちにとって、「見通しがたっている」「次にすることがわかっている」ということは
安定して活動ができるようである。これは先輩方からも何度もいわれたことである。ここまでできたら、次の活動に
はいる。ここまでできたら、こういうことが起こる。そういったことがわかっていると、緊張も少しずつ取れ、リラックス
した状態で教室に来ることができる。終点を決めるだけでなく、酒井式描画指導法では、描く順番も示されていく。
このことで安心して取り組め、さらに話を聞くこともできるようになると考えられる。これはことばの教室にとってとても
大切なことなのである。

 

5.見て、さわって、遊んで、描く

 「シナリオ 酒井式描画指導法」(明治図書)のシナリオは、まず見て、さわって、確かめて、遊んで…と、活動が
入っている。「先生の赤ちゃん」では、

 たっぷりと時間をかけて、ひとりひとり、ゆっくりとさわらせてやりましょう。
 ここまでは、別に表現活動のことは、意識しなくてもよいと思います。
                           (前掲書 p.26より)
 

となっている。ことばの教室に通ってくる子に、絵を描かせるとしたら、このこと抜きにはできない。
そこにある具体物の絵を描くのにも、自信がなく躊躇してしまう子たちである。ゆっくりと、じっくりと、見せ、さわらせ、
確かめさせ、描かせて、酒井氏のようにあたたかくほめ、認めていくことで、自信を持ち、絵を描けるようになると考えられる。

 

 私は昨年の夏のファイナルセミナーで、初めて酒井氏の模擬授業を受けるチャンスを得た。心地よい「用意。スタート」と、
壇上の子ども役の先生方をほめるときの言葉の豊富さに、絵が苦手な私も気持ちよく参加でき、「猫のロンド」を描き上げた。
新学期、すぐに追試した。子どもたちは「今日の図工は楽しかった!」と喜んでくれた。今年はなかなか追試をする機会に恵まれ
ないが、ぜひいつか機会を見つけ、通級してくる子どもたちに酒井式で絵を描かせてみたい。本を読み返し、あらためてそう思った。


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