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TOSSランドNo: 8668033 更新:2013年08月19日

【長谷川博之氏構想追試】子供たちに「利己と利他の関係」を指導する


【長谷川博之氏構想追試】子供たちに「利己と利他の関係」を指導する

長谷川博之氏の行事指導は、必ず「目的」と「目標」の違いを生徒たちに意識させてから、実践する。その実践を自分のクラスに応用して、「係活動」の事例で構想追試をした。

1.利己と利他の関係

 長谷川博之氏は、次の様に述べたことがある。

「利他」は大切なことだけれども、同時に「利己」もないと、どこかに無理が生じて破綻する。(文責:筆者)

 そこで、次の段階の命題が出てくる。

「利他」という生き方を教えた限りは、
「利己と利他の関係」について、必ず教えなければならないということである。

そうでなければ、本当の意味で「利他」を教えたことにはならない。

2.東日本大震災の「利他」を学んで陥りやすい子供たちの傾向

 東日本大震災の被災地では、子供たちに学ばせたい本当の「利他の具体的な行動」が日々、連日のように行われている。
 Youtubeにあったものをザッと調べただけでもこれだけあった。

①町を救った南三陸町の防災無線遠藤未希さん
②“高台に逃げて” 命の呼びかけ 南三陸町一万の命を救った一人の女性
③南三陸町復興音楽祭「道」EXILE&志津川中学校卒業生
④宮城気仙沼市で8人家族で1人だけ残された女子高校生
⑤被災地に泳ぐ青いこいのぼり/亡き弟のため高校生が集める
⑥復興の願いを込めたこいのぼり
⑦避難所の子どもら航空ショーに歓声/ふくしまスカイパーク
⑧気仙沼でのがれき撤去ボランティアに参加(2011/05/07) 北海道新聞

 1つ1つは素晴らしい利他であり、被災地の方々の力強い歩みに、我々は逆に勇気づけられる。子供たちも、心から感動して涙を流しながら、人の役に立ちたいと願うようになる。
 一方で、このような事例を子供たちに見せると、どうしても、感想の中に、「被災地に行って役に立つことをしたい」「本当にすごい。自分にはできないと思う。」というものばかりが目立つようになる。
 高学年になればなるほどその傾向は強い。

3.発達障がいの子供が勘違いしやすい「利他」の意味

 また、発達障がいの子供たちは、「利他」という言葉だけが一人歩きをして、はきちがえてしまう子も出てくる。たとえば、係(会社)活動は、自分が楽しいことが、他の人のためにもなる「利他」の活動であると位置づけて取り組ませている。
 ところが、係活動で、自分の好きな芸能人のネタばかりを貼り付けて、さらに、その活動にみんなが参加してくれないと不満を抱える子がいる。
 「自分が楽しいことは、他の人も楽しいはずだ」という自閉症スペクトラムの児童に典型的な勘違いである。
 しかし、その子を叱るのは間違えている。
 本当の「利他」とは、いかなることなのか、きちんと教えてやればいいのだ。

4.長谷川博之氏の「利他」の指導

 長谷川博之氏は、「夏休みに、被災地ボランティアをしたいから、部活動を休ませてください。」という生徒に対して、必ず、尋ねることがあるという。中学生で被災地へ行ってボランティアをするということは、一見立派なようだが、実は違う。
 長谷川先生が必ず尋ねることとは、次の質問である。

発問1:

あなたは、日々の掃除を一生懸命にやっていますか?

 日々の掃除も一生懸命にできていないような者が、被災地に行ってボランティアをしたって、いやいややるようになるという。
 いやいやボランティアをされた被災者の方々は、どんな気分になるだろうかと。

「利他」をするなら、まずは足元を固めろ。

ということである。
 「銀座まるかん」社長の齋藤一人氏も、著書の中でまったく同じことを述べている。

劣等感でいっぱいの人ほどボランティアをしたがる傾向がある。
しかし、劣等感でボランティアをする人は、義務感でやっているから、ものすごく辛そうにしているという特徴がある。

だったら、ボランティアなどは、やらない方がましだ。

5.「利己」と「利他」の関係の被災地での成功例

 たとえば、被災地において、以下のような取り組みがある。

①がれきに囲まれ「青空コンビニ」営業中 宮城・南三陸
②開いてよかった!がれきの街に移動コンビニ(2011/05/10) 北海道新聞

 「青空コンビニ」は、「利他の営み」である。しかし、同時に「利己の営み」でもある。コンビニは、当然、商売を再開して儲けることが仕事である。そして、そのことが同時に被災して傷ついた人たちの心をものすごくホッとさせている。多くの商店が瓦礫と化し、被災地の方々が、物を手に入れることができない状況の中でやっているから価値がある。もし、これが、コンビニ側の一方的な思い込みだけで取り組み、地元の方々が欲していないことをしていたのなら、誰も感動しない。
 両方が同時に成立しているから、多くの人が心を動かされ、従業員も動くのである。片方のどちらも欠けてはいけないのだ。面白い動画も見つけた。

被災地ボランティアをめざすみなさんへ~ある柔道整復師のホンネ~

 この動画のUP主は、柔道整復師の自分の特技を生かしたいと被災地に出かけた。しかし、被災地で求められたのは、日々のゴミ捨て、トイレ掃除であった。
 これから、被災地ボランティアに行こうとしている人に向けて、その現実をUPしている。
 自分にどんな純粋な想いがあっても、相手が欲していることと、自分の利己とを調整しなければ、「利他」にはならないということを極めてわかりやすく伝えている。

6.子供たちに紹介した「利己」と「利他」の関係

クラスの子供たちにとって、もっと身近な事例がある。被災地で話題にもなった「ファイト新聞社」という「利他」の行為だ。

避難所の子「ファイト新聞」創刊 「明るく」が編集方針

 ファイト新聞社があるのは、宮城県気仙沼市の気仙沼小学校体育館である。
 初代編集長だった吉田理紗さん(7)の編集方針は、「明るいことだけを書いて、暗い話は書かない」ということである。もし、これが、例え7歳の子供でも、自分の自己顕示欲だけで、本物のマスメディア気取りの「真実を伝える」新聞社だったら、「利他」にはなっていない。 避難所暮らしをしている人たちが欲していたのは、心がホッとするような明るいニュースだった。そのことを小学生ながら、ニーズを敏感に察知して実践したのだ。
 「利己」と「利他」のバランスが見事であったことが大きく取り上げられている一因である。
 5年生27名の子供たちと共に、3月までに成し遂げることを2学期から企画していった。
 その前にきちんと、利己と利他の関係について、明らかにして語っていった。
 その上での企画だから、大勢の人や保護者から応援される企画が誕生していった。


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