スーパーとびなわを使うと,あや跳びの腕の使い方がわかりやすくなりますが,指導のコツをふまえると効果は高まります。
指導のコツの一つ目は「始めは,腕の動きだけに限定して教える」ということです。
二つ目は「脚の協応動作を易から難の組み立てで教える」ということです。
三つ目は「上記二つの後で,交差させていた腕を戻すという動きを教える」ということです。
これらを一度に教えるのではなく,細分化してスモールステップで教えていくというわけです。
① 「ばんざーい!」を大人がやって見せる。
②「バッテン!」を大人がやって見せる。
このときに大人は「おおげさに」「ゆっくりと」動作を示してあげてください。
つくった「バッテン」は「おへその前」で大きな×の形でつくりましょう。
肘と肘が重なるくらいの大きな腕の交差を見せてあげると子どもたちにも「大きなバッテン」の意味が伝わりやすくなります。
次に「少しだけ」足の動作を加えて,「手の動きと脚の動きの協応動作」を教えましょう。
ですが,まだ「両脚を空中に浮かせて跳ぶ」という動作は難しいので,もう少し動きの小さい易しい運動を行わせます。
縄が下に来たら,つま先だけあげて,足の下に縄をはさんでごらん。
「ばんざーい!」「バッテン!」と大人が声をかけながら,これまでの一連の動きを「やってみせて」あげます。
次に,大人が声をかけながら,子どもに同じ動作をさせるようにしましょう。
大人が対面に立ち,同じ動作を子どもと同じ速度でやって見せてあげる方法もよいです。
ばんざーい!→→バッテン!かかと!
この声掛けで,何度か練習させてあげてください。
一回させるごとに,必ず大きくほめてあげましょう。
「すごいすごい!大きい×ができたね!」
「じょうず!縄がちゃんと足の裏に挟まってるよ!」
というような言葉がけです。
さあ,これが半分以上の確率でできるようになったら,次のステップです。
ばんざーい→→バッテン ピョン!(つなげて言う)
ピョンのときにジャンプをさせます。
これも大人がまずお手本を示すとよいでしょう。
つま先を上げるだけの動きより,さらに高度な「手足の協応動作」です。
ここまでにスモールステップで少しずつ動きを練習してきた成果を出すときです。
感動の「初めての一回成功!」の場面です。
と大喜びしてあげましょう!
あや跳びは,腕を交差したまま縄を跳び越した後,今度は腕を開いて通常の前跳びをするという動きの技です。
「交差跳び→普通の前跳び→交差跳び→普通の前跳び」の連続運動です。
ここが,協応動作の苦手な子にとっては,難しいところです。
ですから,ここまでは「交差とび1回まで」に限定して教えてきました。
ここからは「交差跳びから腕を戻しつつ跳ぶ」という動きを教えます。
おへその前で人差し指で8の字を描くような感じです。
「腕の交差→腕を戻す」という動きの全体イメージがつかみやすくなります。
大人が対面に立ち,同じ動きを示してあげましょう。
「ばんざーい! もどす! ばんざーい! もどす!」と声をかけながら行いましょう。
縄が切れていれば,動きを習得,修正しながら成功体験の連続を体験させることができます。
方法1と方法2を必ず行うというわけではありませんが,その子の状況に応じて指導者が活用してほしいと思います。
このような方法を試したところ,特別支援学級に在籍している運動が苦手目のお子さんが30分間の指導で見事にあや跳び連続3回まで成功させたという実例が生まれました。
1人でも多くの子に「成功体験」による「自己肯定感の高まり」を保障してあげたいと思います。
よろしければお試しください。
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