ある年の中日新聞に、ハッピーニュース入選作の紹介がありました。
「ごみ出しまかせて~富来中・奥下君が善意の“早起き”」と題した石川県の中学1年生奥下君という子の記事です。
きっかけはある雨の日に見た光景です。
近所の年配女性である川口さんが右手に傘、左手にごみ袋を持ち、足を引きずりながらゴミを出す姿を見て、奥下君はゴミ収集日の 月曜と木曜の週2回、ゴミ出しのお手伝いをすることにしました。
午前6時半に起き、顔を洗うより先に自宅から坂を上って100Mほどを走り、川口さん宅に向かいます。
奥下君の家族は最初「朝早くどこへ行くのかな」と見ていたそうです。
川口さんがゴミ出しのお礼におこづかいをあげようとしても「僕は、それが欲しくて、しとるんじゃないけん」と断っています。
川口さんはそんな奥下君が大好きで、いつも心の中で手を合わせて感謝しています。
川口さんは奥下君のために、水気を含む生ゴミをへらして軽くしようとしています。
それを聞いた奥下君は「大丈夫、大丈夫。重くても平気だから」と言います。
川口さんは、「いつか奥下君のお嫁さんが見られたら・・」と話しているそうです。
心があたたまるいい話です
道徳の副読本(愛知県版)には「ぼくの仕事は便所そうじ」という実話があります。
東山動物園に務めている西山さんの最初の仕事は動物の飼育とは関係のない園内のそうじでした。
動物園の公衆便所はどうにもならないくらいきたないもので、毎日7か所の便所そうじをするのがいやでいやでたまらなかったそうです。
そんなある日、あるおばあさんが「こんなにきれいな便所を使わせてもらって、ありがたい、ありがたい」とつぶやいていたのを聞いて西山さんは、これからもがんばろうという気持ちになりました。
各教科の勉強をしっかりやることも大切ですが、他の人の役に立つ人間になれること・他の人に感謝されるような人間になれることも、立派な大人としての1つの条件です。
給食当番や清掃活動・係活動や当番活動をきちんとできることは素晴らしい能力です。
皆さんには、自分のまかされた仕事をきちんとできる人になってもらいたい。
でも、それだけでなく、自分の周りで誰がきちんとやっているかに気を配れるような人になってもらいたい。
そしてお互いに感謝の気持ちを忘れない学年であってほしいと思っています。
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