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TOSSランドNo: 1143064 更新:2013年08月16日

庄内平野の米作り


1 庄内平野の米作りの写真で、児童の気づきから、季節を問う(1時)

 教科書(大阪書籍)の口絵「河内の整えられた庄内平野」は、庄内平野の田の写真である。
 この写真と教科書の表紙の和歌山県の棚田の写真を比較させる。
 このことによって,大きな違いがあることに気付く。
 さらに,庄内平野の写真の季節、月、背景の山を検討しつきとめる授業である。
 この授業は「米作り」の導入にし,写真の見方や資料の使い方を教えるのに最適である。
 庄内平野の田の風景写真は,教科書にあったり,資料集にあったりする。入手は比較的簡単だ。
 資料集にある場合は,場所が示してあったり,山が示してあったりして(つまり答えが示してあって),もう一つダイナミックな授業になりえないが,ここに述べた資料の扱いは教えることができる。

(1) 初夏のたな田と庄内平野の田と比べてみて、気づいたこと

指示1:

 棚田と庄内平野の田の写真を比べてみて、気づいたことをノートに書きなさい。

 約3分間ノートに書かせる。
 後ろの列から発表させる。(棚田に関する気付きは前時にしてある。)
1 田の面積が、庄内平野の方が広い。
2 家が少ない。
3 田の区切られ方が、畳のようだ。
4 田の形が長方形である。

(2) 庄内平野の田の写真の季節はいつか。

 ここで、S君が,「山に雪が積もっている」と気づきを出した。
 そこで、私は、季節を問うた。

発問1:

 庄内平野の写真の季節は、春夏秋冬のいつですか。

指示2:

 ノートに季節を書きなさい。

 (これは、教科書のどこにも書いていない)

春:::19人
夏::: 6人 
秋::: 0人
冬::: 7人

発問2:

 秋は、0人でした。なぜ、秋は違いますか。

○それは、秋だったら、稲刈りをするから、田の色は、黄色になっているのではないか。この写真の色は黄色ではないから、秋ではない。

発問3:

 では、春、夏、冬のうちで、どれが一番おかしいでしょう。

○冬です。山に雪が積もっているからといって、冬とは限らない。
○反対。山に雪が積もっているから、冬に決まっている。
○冬じゃない。高い山だったら、冬と違っても雪があるし、寒いところだと春でも夏でも雪が残っているときがある。
○冬だったら、田も雪が積もっているのと違いますか。
 以上のような「冬」なのかどうかの意見のやりとりがしばらく続いた。

(3) 他の資料で検討する

 写真を見ているだけでは、決めてがない。
 やはり、他に何か資料を見つけてこなくてはならない。
 子どもたちの手持ちの資料として、「社会科資料集」「地図帳」「教科書」がある。これらの中から、手がかりを探し出すことである。

指示3:

 今、地図帳を見ている人は、よいですね。地図帳から手がかりを探してご覧なさい。

 子どもたちは地図帳を開いて、まず庄内平野を探した。写真には山形県とかいてあるから、容易に探せる。
 『写真の山は何山でしょうね』
 鳥海山、月山・・・口口にいっている。
 それは、また今度することにして、季節である。  今問題になっていることは、この写真が「冬なのかどうか」。

説明1:

地図帳47頁を開いている子がいます。すばらしい。

 この47頁は、「わたしたちの国土ー気候のようす・自然災害」である。
 降水のようすや各地の気候区分がのっている。ここを開けさせた。

 そして、まず、庄内平野がどの気候に属するのかを知らせた。

発問4:

 みなさんは、4年生のときに、雪のよく降る地方のことを習ったでしょう。あれは、どの地方のことでしたか。

○新潟県十日町市のことでした。
『それを習ったんだね。よく覚えてたね』
『そこは、○○洋側ですか。○○海側ですか』
○日本海側。
『庄内平野はどうですか』
○日本海側
 ここまでいうと、わかり出す子がでてきた。

○庄内平野は日本海側の気候に入るので、見てみると、「冬、雪が多い」と書いてある。だから、写真を見て田には雪が積もっていないから冬じゃない。
○降水の様子とかいてあるところには、庄内平野も雪が1年で100-以上降るところと書いてある。冬だったら、田に雪が積もっている写真になると思うから、冬じゃないと思う。

 この資料でかなり決定的になった。「冬」は違うということがこの資料で裏付けられた。

(4) 写真は、何月か

説明2:

 冬ではないようですね。
 では、春か夏のうちどちらかということになります。

指示4:

 春か夏では、曖昧になるので、こんどは何月と書いてみよう。
 この写真は、何月の田でしょう。

 「えーー」と子どもたちから驚きの声があがった。
 考えている。

 ヒントをあげましょうか。教科書、10頁の表を見て、考えなさい。

Nouji

*上記のような農事暦はどの教科書,資料集にも記載されている。それを使用すればよい。

(5) 農事暦を見て、庄内平野の田の写真は、何月のものか、を考える

 子どもたちには、むずかしい問題である。

指示5:

 とにかく、何月か書いてみなさい。そして、理由も書きなさい。

 なかなかわかりにくそうにしている。待った。
 しかし,まだ書けていない子がいたので、

指示6:

 自由に立ち歩いてよろしい。情報交換をしてきなさい。

 先生、これは、稲が生えているの」とT君が尋ねにきた。
(この時間にはクラスの中の誰と相談してもよいことになっている)
『どうして?』
「田植をした後かどうか、わからないから。そうしないと、何月かわからない」
 もっともな質問だ。
『だったら、田植の前だとすると何月、田植のあとだとすると何月、と書いて置きなさい』
 このように言った。

 また、こんな質問もあった。
「耕うんってなんですか?」
 Jさんが尋ねてきた。
『じゃ、これ』
 私は、国語辞典を貸してあげた。
 その辞典には「耕うん機」しか載っていなかったが、わかったようだった。
 同じ質問を、M君も尋ねてきた。同じく辞典を貸してあげた。
(社会の時間には国語辞典も必要だ)

 また、こんなするどい質問もあった。
「耕うんって田に水を入れてからするのですか、それとも水を入れる前にするのですか」
『どっちだと思う?』
『教室に資料がないから、図書室に行くとあるかな』
 教科書9頁にも写真が載っている。『これは、何をしているところかな』 
『教科書の田植えの項よりも先に耕うんの写真が載っているのだから・・・』と言っておいた。

 以上のようなことを,自由にグループで相談していた。

指示7:

 では、そろそろ席にもどって、考えを書きましょう。相談したことを書けばよろしい。

 少し間をおいて、次の指示をした。

指示8:

 何月と、考えましたか。窓際の列の子、前に来て発表しなさい。

 4月……16人
 5月…… 7人
 7月…… 4人

 「4月」と「5月」の子たちは、次のような意見である。
○耕うんをして、水をはる。写真を見ると、水をはったように見えるから。
 「7月」の子たちは、次のような意見である。
○7月は、水の管理と書いてあるから、水をはっている写真とあうから。

 確かに水をはったように写真は見える。

(6) まとめ

 7月は、もう稲がかなりのびています。遠くからみてもわかるくらいです。だから、写真にすれば資料集にも出ているように、緑になるはずです。
 けれども、庄内平野の写真は、緑が濃い状態ではない。また、一面が水という状態にみえますから、かなり水をはった田と考えます。
 水をはって田植えに備えるとき、または、田植のあとすぐという状態です。だから、5月ごろがもっとも正しいのです。もちろん、4月でも、終わりごろともいえます。
 だから,5月と書いた人、10点。4月の人、9点。

2 庄内平野の米作りの写真で、背景にある山の名前と方角を問う(2時)

(1)  山の名前を考える。

発問5:

 庄内平野の写真の山は、何山でしょう。

指示9:

「これかな、これかな」と思う山を二つ書きなさい。

 子どもたちは、あれかな、これかなと思う山を、2つノートに書く。
 地図帳を見て書くわけだが、庄内平野の周りにはたくさん山がある。そのうちの2つを書きなさいということだから迷う。

 しかし、高い山を中心に子どもたちは、鳥海山,月山,の2つの山を書いていた。

説明3:

 写真の山は鳥海山、月山 このうちのどれかです。

 鳥海山 2230m
 月山  1980m
 地図帳をみただけでは、なかなか形を想像することは、むずかしい。

(立体模型を準備)
そこで、東北地方の立体模型を用意して置いた。その立体模型をグループごとに見せた。

指示10:

 鳥海山か月山か、写真の山だと思う方に○をしなさい。

 鳥海山 13人
 月山  16人

 鳥海山:すぐ麓に平野があるからです。
 鳥海山:写真を見るとすぐ麓に平野がつづいているから。
 月山:まわりがなだらかになっていると思ったからです。  

 私は、次のようにまとめた。

説明4:

 この写真の山は、鳥海山である。 
 それは、次のことからわかる。  
  ・山の形が富士山のようになっている。
  ・むこうに高い山が見えない。
  ・ラクダのこぶのように頂上(ピーク)が2つある。
 写真の山は富士山のように裾野が大変広い山である。
 地図を見てみると、東西に尾根が伸びているのは、鳥海山だ。

 また、月山は、後方に大朝日岳などの山があり、もし写真をとれば、後方にはこれらの山の一部が写るのではないか、少なくとも写真に写るのはひとつの独立峰ではなく山が重なったように写って見えるのではないかと考えられる。(*この一文は庄内平野から見るとまちがっているそうです。現在ならば,鳥海山と月山をインターネットで検索すれば結論がでますね。)

 鳥海山の後方には、大きな山がない。鳥海山を越えると秋田平野だ。
 以上のような理由で、写真の山は、鳥海山とであると決定した。

(2) どの位置から、どちら向きに撮った写真か。

 写真をみたとき、この写真はどの位置から撮ったものか、ということも注意してみるとおもしろい。

発問6:

 この写真は、どの方角からどの方角を向いて撮りましたか。

 もちろん庄内平野上空からどの方角を向いて撮ったのかである。
 山が鳥海山とわかったから、「南から北を向いてとったもの」とわかる。
 さらに庄内空港が写っていないから、空港より北側の位置から撮ったということもわかる。


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