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TOSSランドNo: 1216091 更新:2013年08月15日

高田典衛氏の「楽しさの四原則」


1.楽しさの四原則

 高田典衛氏は、体育授業の楽しさとして四つの原則を主張されていた。

 1.動く楽しさ
 2.集う楽しさ
 3.解かる楽しさ
 4.伸びる楽しさ
  高田典衛著「楽しい体育の授業入門」(1985、明治図書)

 体育の授業作りをするに当り、私が一番影響を受けた理論である。
 教材、子供の実態は把握できたが、実際の授業をどのように組み立てていったらよいのか分からなかった。
 その時出合ったのが、高田氏の「楽しさの四原則」であった。四原則の内容は、次のようである。

動く楽しさ  自ら体を動かそうとして運動を続け、一定量の運動量に達したときの爽快感

集う楽しさ  子供が仲間と親しく付き合い、生きる喜びを感じ取る楽しさ

解かる楽しさ  子供が学習を通して体育に関する何か新しい知識を発見したときの喜びや、体育の見方考え方に新たな方向を見いだしたときの驚き

伸びる楽しさ  自分が進歩しつつあり、授業毎に新しい自分、違った自分が出現する楽しさ

 大変分かりやすい考え方である。子供の頃の体育の授業を振り返ってみてもあてはまる内容であった。
 授業作りに手がかりのなかった私は、高田氏の「楽しさの四原則」にとびついた。
 最初から四原則は無理であったので、取り組みやすいところから実践した。
 すぐにできるのは、動く楽しさである。子供には活動の欲求がある。これを満たしていけばいいのであるから、力一杯動けるような教材の工夫、用具の工夫を行った。
 次は、集う楽しさである。体育は集団で行う種目が多い。仲間作りができる工夫をしていった。
 三番目は、解かる楽しさである。これは高学年の子供の時に多く見られた。教材によって、解かる楽しさの体験できるものとできないものとがあった。
 四番目は、伸びる楽しさである。特に、運動技能の伸びを重視した。記録がどれくらい伸びたのかは、目に見えるので評価しやすかった。

2.授業の感想を書かせる

 授業の後には、楽しさの四原則にてらして子供に感想をかかせた。
 「精一杯運動できたか、友達と仲良くできたか、力や技が伸びたか、発見があったか」などの観点で評価させるのである。
 子供は正直である。話し合いが多い時には、運動量が少なかったので楽しくなかったと書いた。
 「解かったことを書きなさい」という項目は、指導法の開発に役に立った。
 自分が出来るようになった時、あるいは友達が出来るようになった時、どうして出来るようになったのかを書かせていった。
 出来る方法が子供の言葉で書かれてあったので、分かり易く、他の子供が真似しやすかった。
 3年生で、鉄ぼう遊びをしていた時である。こうもり振りおりの練習をしていた。
 A君は、D君に教えていた。その様子を体育ノートに書いていた。どのようにしてD君が出来るようになったのかが、詳しく書かれていたのである。

 今日、D君とこうもり振りおりの練習をしました。なかなか大きく振ることができませんでした。
 そこで、僕は「木のてっぺんが見えるくらい大きく振ってごらん。それから足をはずしてごらん。」と言いました。
 そうしたらD君は、出来ました。

 こうもり振りおりのポイントは、大きく体を振ることである。それまでの私は「体を大きく振りなさい。もっと、高くまで振りなさい。」という指導しか出来なかった。
 A君の「木のてっぺんを見なさい。」という指示のほうが、具体的で子供の動きが変わったのである。
 この指示から、視線が動きを作っていくという原理を発見していった。子供から学んだのである。
 高田氏の「楽しさの四原則」に従って子供に感想を書かせていく中で、自分の授業が良かったのか、悪かったのかを評価していった。

3.TOSS体育の授業づくり三原則

 高田氏の「楽しさの四原則」は、私の授業づくりに大きな影響をもたらした。
 動く楽しさ、集う楽しさ、解かる楽しさ伸びる楽しさを保証していけば、楽しい体育の授業の出来ることが分かった。
 しかし、動く、集う、解かる、伸びるというのは抽象的である。もっと具体的に授業づくりができる原則はないかと考えた。
 誰もがすぐに追試できる内容である。そこで考えたのが、「TOSS体育の授業づくり三原則」である。

 1.場作り
 2.発問・指示
 3.テクニカルポイント

 練習の場を明確にしておけば、どのように子供が動くのかが分かる。
 高田氏の「楽しさの四原則」の動く楽しさを保証できる内容にしておくのである。
 それと集う楽しさが出来るように場を設定しておく。場が設定されているので、すぐに追試ができる。
 発問・指示は、授業の組立てが分かる。どんな順序で、どんな言葉がけをしていったらよいのかが明確にしてある。
 それと、解かる楽しさが得られるようになっている。
「どちらの動きがいいのか」
「視線は、どこがいいのか」
などと発問していくことによって、認識する力をつけることが出来る。
 知的な楽しさが体験出来るのである。これは、高田氏の解かる楽しさにつながる。
 テクニカルポイントは、一つの運動が出来るための勘所である。
 ポイントを押さえない指導では、子供は伸びない。子供が伸びていくためには、テクニカルポインをしっかり掴んでいくことが大事なのである。
 高田氏の伸びる楽しさにつながる。
 TOSS体育の授業づくり三原則は、高田氏の「楽しさの四原則」の理論を踏まえて出来てきたのである。
 自分の納得できる理論にぶつかったら、徹底的に実践してみることである。理論が正しいのかを実践を通して実証していく。
 その後は、もっとよりよい理論はないかを考えていく。自分の理論を作っていくのである。
 理論と実践の繰り返しの中で、授業づくりは深まっていく。どんな理論と出合うかは、問題意識によって変わってくる。
 問題意識を持ち続けることである。


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