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TOSSランドNo: 2130015 更新:2013年08月15日

恐怖のダイオキシンの授業


 ダイオキシンについて関心を持たせるために,5年生40名に以下のような授業を行った。
 新・「驚異の科学」シリーズ③「新・今『ゴミ』が危ない」のP13の写真を拡大カラーコピーして教室の4カ所に貼った。

指示1:

この写真を見て,わかったこと・思ったこと・考えたことをノートに書きなさい。時間は7分です。     

 発表は前に出て,黒板に貼った写真を使ってさせた。次のようなことが出た。
 ・白,茶,黒の煙が出ている。
 ・ここは工業地帯だ。
 ・工業地帯にしては近くに山があって変だ。
・大気がとても汚い。
 ・遠くが見えない。
 ・近くに民家がない。
 ・近くに住む人はどうしているのだろう。困らないのか。
 ・何を燃やしているのか。
 ・この煙には毒があると思う。
 ・長い煙突が2つ見える。
 ・近くに田圃のようなものが見える。

発問1:

ここはどこでしょう。 

 子どもからは,「工場」「工業地帯」が出た。
 私は2枚目の写真資料2(前掲書P39のミニ焼却炉の写真の拡大コピー)を提示した。(以下の資料はすべて前掲書)

発問2:

これは何ですか。 

「焼却炉」が出た。

発問3:

そうです。ミニ焼却炉です。見たことある人?(ほとんど挙手) 
どこで見ましたか。   

 「家」「学校」が出た。

発問4:

じゃ,1枚目のこの写真は何という建物だと思いますか。

 今度は出た。「清掃工場」である。子どもたちは4年の時に,清掃工場を見学していた。

発問5:

さて,この写真の煙には,物を燃やすと出てくる物で,ある怖い物が含まれています。その怖い物とは何でしょう。  

誰もわからなかったので,「ダイオキシン」と板書した。
 聞いたことがある子が数人いた。今,大変問題(平成10年2月)になっているのに,聞いたことがある子はわずかだった。
 子どもの世界はそんなもの。だから授業で扱うことが必要になってくる。

説明1:

実は,こんな小さな焼却炉で,ある物を燃やすと,ダイオキシンがたくさん出ます。ダイオキシンって何か見てみましょう。  

 前掲書p33の真ん中の図を描いた模造紙を黒板に貼った。

説明2:

焼却炉の中に塩素を含む物を入れて燃やすと,ダイオキシンが発生します。
ダイオキシンは塩素に炭素・水素・酸素が結びついてできます。
300度ぐらいの温度で一番発生します。だから家庭や学校のような小型の焼却炉ではあまり温度が上がらないので,一番発生しやすいと言えそうですね。 

発問6:

塩素を含む物って,どんな物がありますか。  

 プラスチック,ビニール袋が出た。意外と子どもたちは知らない。そこで 次の模造紙に描いた前掲書p32の図を提示した。
 この図を見るといろんなものに塩素が使われれていることがわかった。
 特に,サランラップはどこでも大量に使われているので,「使うのを減らそう」というつぶやきがあった。

発問7:

ダイオキシンは塩素を含む物を燃やせば出てくるのですが,ダイオキシンは煙に含まれるだけでしょうか。

子どもたちから次の考えが出た。
 ・雨が降るとダイオキシンが雨に混じって  落ちてくる。(「それは酸性雨と違う?」の声)
・雨に混じってたら,川や海にも降って,魚に被害が出る。
 ・魚を食べたら,水俣病みたいな病気になる。
 前掲書p32左上の資料を提示した。

説明3:

君たちのいうようにダイオキシンは,雨に含まれて地上や海に降りてきます。
それどころか,燃えた後のダイオキシンを含む灰を埋め立て地などに捨てれば,地下にしみ入って地下水に含まれ川から海へと流れていきます。
                       
しかもやっかいなことに,ダイオキシンは水に溶けたりとか形を変えたりしないので,なかなかなくなりません。

発問8:

この図を見ると食べ物にも影響がありそうだけど,私たちは健康ですね。
みんなは風やインフルエンザで休んだりするけど,ダイオキシンで休むという子はいません。

ということはダイオキシンが出ても私たちの体には害がないということですか?

 子どもたちの誰も答えられないと思っていたら,環境問題に詳しい一人の男の子が立って次のように言った。
「食物連鎖で,お母さんが食べた物の害はお母さんには出ないけど,子供の 赤ちゃんに出てくる。つまり生物濃縮。」
 これには驚いた。他の子は何を言っているのかわからないというような表情をしていた。
 前掲書p32下の図を提示した。

生物は,大きな物が小さな物を食べてバランスが保たれています。これを「食物連鎖」と言います。                  

この図のように,プランクトンを小さな魚が食べ,その魚を大きな魚が食べ,最後には人間がその大きな魚を食べています。  

植物も同じです。植物を食べている草食動物を私たちは,肉や卵,牛乳として食べています。                       

食物連鎖が進むに連れて,栄養がだんだん蓄積されていきます。
これを「生物濃縮」と言います。
害のある物も同じように,食物連鎖が進む,毒がだんだん蓄積されていきます。
大人は抵抗力があるので,大人には影響が出なくても,お母さんから生まれた赤ちゃんにその害が出てきたりします。  

この後,私は前掲書p31の上の折れ線グラフを提示した。

このグラフは,日本のある市の工場などでいらなくなった産業廃棄物を焼いた量です。

下が焼いた量です。上の折れ線は,新しく生まれた赤ちゃんの死亡した割合です。

これを見るとどんなことがわかりますか? 産業廃棄物が増えるにつれて,赤ちゃんの死亡率も増えているのがわかりますね。
もしこれが事実ならとても恐ろしいことです。                  

最後に,ベトナム戦争の時にアメリカ軍がまいた枯葉剤にはダイオキシンが含まれていたこと,ドクちゃんベトちゃんも,この被害を受けたことを話した。そして,ダイオキシンの被害で生まれた幼児の写真(前掲書p33の写真ー目の部分を黒く塗って提示)を見せて終わった。
 <授業を受けた子供の感想>
・私は今日勉強をしていて,ふだんすてているゴミが,そんなおそろしい物とは知らなかった。それに食物連鎖で新しく生まれた赤ちゃんを死なせてしまってとてもかわいそうです。
を傷つけているのと同じと思う。
 私はサランラップは燃えるゴミと思っていたので,これから気をつける。それと帰ったらお母さんやおばあちゃんに教えてあげようと思う。
・ダイオキシンは苦労して作った生命を簡単にうばってしまう。生きていくのに大切な食物連鎖によって,生物の体にダイオキシンがたまってしまう。・私はダイオキシンがこんなにこわい物とは思いませんでした。
 知っていたのは,「プラスチックは燃えにくく,燃やすと有毒物質が出るやっかいなゴミ!」としか知らなかった。
 今日の社会でとても勉強になったと思います。なんのつみもない赤ちゃんが死ぬ確率があるだけでなく,産まれた時にうでがなかったりするのは,この勉強でとてもかわいそうだと思いました。


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