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TOSSランドNo: 2655223 更新:2013年07月19日

【吹奏楽】合奏練習を指導する際の心構え


【吹奏楽】合奏練習を指導する際の心構え

1.この論文作成のねらい

 本団の合奏指導は、通常プロの講師の先生が行う。しかし、先生が事情により不在のため、団員の中から代表者がその任務を代行する場合がある。
 この時、その代表者の経験が未熟なため、単に時間の浪費で終わってしまうことがある。これは、特に多忙な中、遠方から参加する団員を多く含む本団では避けなければならない。以上のような苦情は、表出していなかったとしても、それは単に団員が大人であるために、口に出さないだけのことである。
 そこで、そのような者が指導を行わねばならぬとき、彼の指導の拠り所となる手引きとなり、団員へのサービスに格差が生じない事を、また、団員が指導者の力量格差によって不利益を被らない事を願いつつ、本稿を記すものとする。
 本稿は、さらに欠点・欠陥が、多くの有能な指導者(団員)によって、不断に検証、批判され、一定の力量のある指導者にも役立つようなよりよいものへと改訂されることを望む。
 実践には、唯一完成されたものというのは認められない。
 1つの実践に多種多様な実践が存在し、形を成した所ですぐに否定され、連続的に実践を重ねるものとする(連続性の原則)のが、健全な研究姿勢である。
 従って実践論文は、批判検証ができる科学実験の概念である「追試」が可能な論文を掲載する
 全体としては、次の内容が揃うようにしていく。

【吹奏楽団指導・基礎合奏の方法】
1.指導に当たっての心構え
2.「授業の腕をあげる法則」(向山洋一著・明治図書)を使用した合奏指導
3.パーツを使用した合奏を組み立てる方法
4.基礎合奏の実践論文(パーツ)
(1)チューニング
(2)音階練習
(3)低音域

【1.指導に当たっての心構え】

①言葉遣いを丁寧にする

子供であっても同じだが、大人のバンドという事を意識し、指示は必ず敬語を使用する(ユーモアである場合は例外)。
基本は、どんな事があっても興奮して怒鳴らず、「指示」をする。
プロの世界でさえ、『今では、昔風の権威主義的な指揮者は通用しない』という。
20世紀の大指揮者、故サー=ゲオルグ=ショルティの言葉である。
また相手を効果的に説得する原則である『おだやかに話す』《「人を動かす」(D.カーネギー著・創元社)p.193より引用》という原則も大切な思想である。

<例えば>
○「準備は宜しいですか?」←×「早くして!」
○「ピッチが合ってないのでもう1度、いきます。」←×「ダメ!そこもう1度やって。」

②余計な前置きはいらない

 よく見かけるが、「未熟な指導しかできませんが、宜しくお願いします。」云々という類の長々とした挨拶は、一切必要無い。
 時間の浪費というだけでなく、始めから指導者が、「今からツマラナくて無駄な練習をします。」と宣言しているようなものである。
 団員の意欲を不必要に削ぐ。私が団員ならイライラする。
 合奏指導に大切なリズムとテンポも崩してしまう。
 挨拶をするとしたら、ただ一言「よろしくお願いします。」とさえ言えば良い。
 さっさと練習を始め、貴重な練習時間を確保するべきである。

③指示ははっきり出す

 何を言っているのか分からない指示や、弱気になって「どうしましょう?」などとやるのは、団員をイラつかせる(学校の授業で教師がこれを行った場合、即座に「授業崩壊」である)。
 指示を出す時は、堂々と。
 臨時であっても指導しているときは、「今は、自分がこの集団を何が何でも統率する!」という気概で取り組む。

④その練習の評価はバンドの演奏表現や音がどの位変わったかで行う

 その練習によって以前と何も変わらなかった時、初めて「練習は無駄であった。」と定義する。
 よくもわるくも、何らかの変化をバンドに求めるのが指導者の使命である。
 そのため、1つ1つの練習のパーツは、薬でいう「効能」を狙って臨む。

⑤時間を守る

 特に終了時間を守る事である。
 いつまでもダラダラと続けると、団員が迷惑する。
 練習後、仕事があるのかも知れない。家でお子さんが待っているのかも知れない。
 それ以上の価値のある指導を自分はしているのか、謙虚に考えるべきである。
 それに、時間に厳しくしようとするからこそ、合奏に適度ないい緊張感が生じる。
 また、Aさんを待って合奏開始時間を遅らせるという事も避ける。
 開始時間というのは約束である。
 「○時×分に始めます。」と知らせたのなら、定刻に来た団員のために、これを守る。

⑥指導のリズムとテンポを心がける

 人の前に立ち、指導を行う者は、全体の進行のリズムとテンポを意識するべきである。
 基本は「待たない」「もたつかない」ことである。
例えば、「アルメニアンダンスをやります。」と言った時、
「まだ、準備が出来ていません。」などと言われても待ってはいけない。
「待ちません。」或いは「準備ができたら途中から入って下さい。」などときっぱり言って先に進め、全体の流れを優先させる。
「まず、全体に指示せよ、然る後に、個に対応せよ」という言葉が、教師の世界にはあるが、吹奏楽団の指導でも同様である。
これが結果的に奏者全体のやる気、緊張感を保つことになる。
指導者が待たないことが分かれば、奏者は次回からきちんと準備してくるようになる。
どうしても個別対応をしてやりたい時には、全体が演奏している時に、付いていけていない団員への個別対応をさり気なくしていく方がよい。
考え込んで空白の時間を作りだしてもいけない。
4秒の空白は命取りだ。一瞬で奏者はダレ、緊張感がなくなる。
分からないときは、「兎も角先にこっちをやってしまいましょう!」などと言って先に進め、次までに調べておく方がよい。

⑦入りの合図の前には指揮者が静止する

曲を始めようとして構える。
この時、指揮者が動きっぱなしでは、奏者は落ち着かないものだ。
アインザッツ(出だし)も合わない。構えたあと、一瞬静止する。
すると奏者は落ち着いて入ることができる。

⑧心から褒める

 指導者になると奏者に注文を付ける仕事柄、兎角奏者のミスや至らない点が気になるものだが、まず演奏の良かった点を探し出す事を習慣付けるようにする。
 良い演奏をした時は勿論、心から賞賛する。
 ミスをしても、必ず良かった点がある筈なので、まずそれを褒める。人は賞賛された後の忠告には自然と耳を傾けたくなるものなのだ。
 特に奏者が初心者の時は心しておく。
 初心者のうちにミスを指摘されてばかりいては、演奏の楽しさは永久に分からず、萎縮して演奏すらしようとしくなる。
 団員への厳しい非難は心してせよ。
「人を非難するのは、ちょうど天に向かってつばをするようなもので、必ずわが身にかえってくる。」(『人を動かす』p.19、D.カーネギー著・創元社より引用)という名言がある。

⑨まずは指導者自身の技量を上げよ

 指導者は自らの持ち楽器の研鑚を怠ってはならない。
 「ロングトーンができていない!」と団員を注意する指揮者が、楽器に戻った時、できていないのに、練習もしていないようでは、誰も信頼しないだろう。


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