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TOSSランドNo: 3084498 更新:2013年07月19日

【吹奏楽】チューニングの実践論文


【吹奏楽】チューニングの実践論文

【 目的 】

1.曲を演奏する前に、全員の音を合わせる。
2.全員の音を合わせる力を付ける
3.他の人の音に合わせる力を付ける

【 手順 】

1、個人チューニングを行う
2、全体チューニングを行う

【 留意点 】

1、奏者を音に集中させたいので、拍はメトロノームなどで叩かず指揮振りで示す
2、1回1回必ず「合っているか、いないか」評定を行う
3、テンポよく次々と進めて行く。待たない
4、打楽器奏者には空白の時間にしないよう、練習開始前に何か指示を与えておく

【 実践内容 】

指示1:

個人毎でチューニングしましたか?基準はA=442です。まだしてない方は、2分間待ちます。終えたら、音を出さずにこちらを向いて待機して下さい。

 合奏の事前のチューナーを使っての個人のチューニングなしでは、全体で合うはずもなく、無意味である。
 合奏前に必ずさせる。徹底させないと合奏中に何度も音合わせをしなければならず困ることになるので、習慣付けさせる。
 パートリーダーにパート毎に個人チューニングを徹底させる。より確認しやすくなる。

指示2:

 2分経ちました。合奏を始めます。チューニングをします。○○さん(ClかObの首席奏者の氏名)、Bbの音をお願いします。

 1人にBbの音を長く伸ばさせる。音が合わなかったり、揺れている場合はやり直させる。
 そのような音では基準の音として不適当だ。安定したのを確認して次の指示に入る。
 ハーモニーディレクターなどがある場合はそれを活用し、事前に音を示してから、全体に出させるようにしてもよい。

指示3:

 続けて全員入ります。よく聴いて合わせて下さい。
 さん、ハイ!

声を出さずに済むなら入りの指揮の合図だけで全員にBbを出させる。ブレスは指揮者も必ず取る。音の出だしを揃えるのに不可欠であり、奏者のブレスの取り方が、指揮者のこれにつられる事が多いため、手本となるような深い息(ベルカントモード)で取る。
 中々合わない時、「指示2」又は「指示3」からやり直しをしてもよい。但し、やり過ぎると飽きられる。1回1回を大切にする。集中力が無くなってはおしまいなので気を付ける。
 完璧には合っていなくても、
「まだ少し合ってませんが、聴きながら合わせて行ってください。」
と伝えて、音階練習などに進めた方が結果的に合うようになる。だが、あまりにひどく合わない時はこの限りではない。
(奏者自身が気持ち悪がる程の時)

【 移調楽器について 】

*実音Bbと言われて出す音は各楽器では、以下の通りである。

1.C管

楽器:ピッコロ、フルート、オーボエ、バスーン、トロンボーン、ユーフォ二アム、チューバ、鍵盤楽器他
出す音:シのフラット

2.Bb管

楽器:Bbクラリネット、バスクラリネット、テナーサキソフォン、トランペット、コルネット
出す音:ド

3.Eb管

楽器:Ebクラリネット、アルトクラリネット、アルトサキソフォン、バリトンサキソフォン、アルトホルン
出す音:ミ

4、F管

楽器:Fホルン、イングリッシュホルン
出す音:ファ

【 各楽器の記譜上のBb 】

Bb

【いただいたご意見】

北村憲昭先生(指揮者)

 大変に意欲的な論文を書こうと為さっておられる事をお見受けし、大変に心強く思います。
 私もマニュアルを書く事に思い至ったのも、中々このような音楽の指導などについての詳しい指導書が今まで存在しなかった事が原因でした。
 私共、演奏を生業としている者にとっては、このような論文を書く事は大変な負担で、出来ればしたくない事ですが、その努力をしなかった事が昨今の音楽の世界の荒廃につながっている様に思え、敢えて筆を(キーボドを)取っています。
 これからも頑張って良い物を作ってください。

 少し気になる所が有りましたので、意見を書かせて頂きます。

チューニングの章です。

 音程(ピッチ)に付いては、今ここで説明するにはあまりに問題が大きく、1度詳しい解説を書きたいと思っているところです。

 先ずはそれぞれの楽器の構造上の問題から、Bを基本にする難しさがある事です。
チューニングをBでするのも日本の吹奏楽だけですし、楽器の設計段階ではAが基本です。
その点は今は問題にしませんが、例えばFl.ではBはAより少し低く吹かなくては正しいBになりません。
それを判らずにチューニングすれば当然高くなり沢山抜いてしまう事と成ります。
他の楽器でも同じ事です。(私はもとはFlutistです)
 要するに楽器は有る程度の上下の余裕を持って音程が設定されていると考えるべきでしょう。
ではなぜチューニングが必要かは、最も大切な事は奏者の音程感覚(身体的な)を整える事です。
楽器は日によって長さが変わる訳では有りません。変わるのは人の肉体的感覚です。
温度によって波長が変わるのは大切なファクターですが、今は一定の条件としての事です。
(この問題もとても難しくなります。)
 その個々の感覚と楽器の条件(ピッチ)を合わす為に、前もって楽器のチューニング管の設定は別にしておいて、合奏前はその日の自分の音程感覚のフィッティングが目的になります。
すなわち今聞えた基準音に対応して自分の楽器で同じピッチの音が出せるかを確かめる事です。
普通はしませんが、声ではそれをしています。弦楽器のチューニングとは違いますが、指のポジションをいつも修正しなければ成らない事とは同じでしょう。

 実際に音楽の中では、Aはいつも442Hzが正しくは有りません。
 純正律で無くては整ったハーモニーは有りえないからです。
 当然調が変われば全ての音程は変わってきます。
 それの対処できる様に、音程のキャパシティーの真中にチューニングされている様にしておく事でしょう。
 別の言い方をすれば、チューニング管は規定程度にして、調子を見るだけで良いでしょう。

>留意点1奏者を音に集中させたいので、

拍はメトロノームなどで叩かず指揮振りで示すと、チューナーを使う(特にメーターを)は、問題が有ります。
心理学の「聴覚の視覚優位」の原則がありますので、奏者に視覚の刺激が強い時には音への集中は散漫に成ってしまいます。
あなたの意図とは矛盾してしまいます。
むしろあまり大きくないメトロノームの音、もっと良いのは鍵盤楽器の音(平均律ですが)を聞きながら合わせるのが良い事と思います。

>2、1回1回必ず「合っているか、いないか」評定を行う

 これも問題です。音程を合わせる仕事は奏者の仕事ですので、常に在っている事を判断しなくては行けないのは奏者自信です。
又有っているかいないかは単音であればどんなに初心者でも分かる事です。
 それが解らないのは、聴覚へ意識が行っていないか解っていても音程を変える技術が無いかです。

>1人にBbの音を長く伸ばさせる。音が合わなかったり、揺れている場合はやり直させる。

そのような音では基準の音として不適当だ。安定したのを確認して次の指示に入る。

 音は出した瞬間に合わなければ意味がありません。
特にハーモニは同時に音がして始めてハーモニーと認識できます。
(1度試しにずらして出したハーモニを聴いてください。分散和音の旋律のようになって、ハーモニーの塊は聞えないです。)
其の為にタンギングの技法は欠かせません。

>声を出さずに済むなら入りの指揮の合図だけで全員にBbを出させる。

「さん~し~」のカウントは以外に意味がありますし、指揮者として言うならば指揮の合図でそろわせるのはそんなに簡単な技術では有りません。やめておいた方が無難です。
 指揮の練習をしている事に成ってしまいます。

>ブレスは指揮者も必ず取る。音の出だしを揃えるのに不可欠であり、

奏者のブレスの取り方が、指揮者のこれにつられる事が多いため、
手本となるような深い息(ベルカントモード)で取る。

ブレスも中々奥の深い大きな問題を含んでいます。
「ベルカントモード」は多分日本語の造語でしょう。イタリアで聞いた事は有りませんし、息の事とは基本的に違います。
おっしゃりたい事は解ります。
 むしろ音程(チューニング)の問題の解決の為にも「ささえ」あるいは「フォーム」として深い息を考える方が良いでしょう。
 声を出すときに音程の高さ(オクターブ内)によって腹筋の緊張する場所が変わります。
なぜかCの時はどんな人でも「臍」のあたりで、Bはその5センチぐらい下。Aは「丹田」と言われるあたり、になります。
それを意識してそこの腹筋を緊張させて音を出せば、ほぼ完璧にピッチは合います。
チューニングの説明の『肉体的な感覚の調整』はこの事です。
すなわち音(ピッチ)が合わないのは、体がその音に適応していない為です。

>完璧には合っていなくても、

「まだ少し合ってませんが、聴きながら合わせて行ってください。」
と伝えて、音階練習などに進めた方が結果的に合うようになる。

 大賛成ですし、むしろ簡単なチューニングの後で先ず音階練習をし、再度曲に入る前にフォームを考えてもう1度チューニングするのが理想的と思います。
 体がウォームアップしてからでなければ本当にチューニングで来ていないのと同じ事に成ってしまうからです。

 長く成ってしまいました。
 まだまだ詳しく説明が必要と思いますが、音程については初めに述べた様にとても難しい問題です。しかし音楽家がそれを余り深く考えていないのも事実です。
 感覚の問題として『才能』で済ましてしまっているのは私は許せない事と思っています。

 一次是非とことん考える事をお勧めします。多分誰に聞かれてもまともな答えはないと思います。
 音楽家は感覚ですし、物理学者は許容範囲と言いますし、楽器屋は古典調律を持ち出すだけで煙に巻かれます。

 音階の周波数が対数で有る事ぐらいは解っていたいものです。


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