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TOSSランドNo: 1121288 更新:2013年07月11日

1年「9たしざん」(東京書籍)指導案


一.指導観 二.向山型算数指導法 三.単元の目標 四.指導計画 五.本時の目標 六.本時指導の考え方 

一.指導観
 ○ 1学年は,抽象数による計算が成立せずに,具体に即して計算の基礎を育てる時期である。

  数を使用する日常生活や,数を反復して使う遊びを通して,数が具体から抽象された観念であることの直覚が次第に明確になってくる。    

  また,数えることにともなって,数を読んだり,書いたりすることの練習が必要な時期である。
  これまでの学習で,大体の子どもたちが以下のような加法学習の基礎を身につけている。
 1 10以上の数を表すのに,「10といくつ」という考え方を用いること。
 2 一の位が10個になったら,十の位の1個に置き換えること。
 3 “15は10と5の和である”とか,“10と5で15になる”といった数の構成の理解。
 4 10の合成・分解。
 5 和が10以内の加法についての加法の意味の理解。
 6 和が10以内の加法についての加法が適用される場合の理解。
 7 加法の用語や記号の用い方についての理解。
   しかしながら,一部の子どもたちは,以上の加法学習の基礎を身につけているとはいえない。
 1 対象となる物の数が正しく数えられない。「5個だけ数える」とか「6個だけ数 える」とかができない。                                    1組 人   2組 人
 2 1対1対応ができない。           1組 人   2組 人
 3 10の合成・分解ができない。        1組 人   2組 人
 4 加法の意味や加法が適用される場合の理解ができない。   1組 人   2組 人
 5  教科書やスキルがさっと出せない。                1組 人   2組 人
 6 教科書やスキルのどこを学習しているのか分からなくなる。  1組 人   2組 人
 7 教科書やスキルの問題が読めない。               1組 人   2組 人
 8 ゲームのやり方が理解できない。                 1組 人   2組 人

 ○ この「たしざん」の単元では,1位数に1位数をたして繰り上がりのある加法計算の方法について学習する。

  繰り上がりのある計算はこれが初めてであり,加法計算の基礎として1学年の重要な内容である。
  ここで扱う計算は,被加数,加数ともに1位数であるが,繰り上がるところを「10といくつ」ととらえるところが要点とる。

  つまり,10に対する補数の見つけ方(10のつくり方)をどのようにしたらよいかという判断の仕方がポイントになる。

  これは,この時期の子どもたちにとってかなり難しいものである。
   繰り上がりのある加法計算の方法には,次の4つが考えられる。

 1 数えたす。

 2 被加数について10の補数を考える(加数分解)。

 3 加数について10の補数を考える。

 4 被加数,加数をそれぞれ「5といくつ」に分解する。

   この中から,子どもがやりやすい方法で「10のまとまり」をつくれればいいのであるが,子どもによっては思考の混乱をきたす場合も起こりうる。

 このような場合には,教科書で最初に扱っている加数分解の方法で考えさせるのが適当であると考えられる。

○ 本単元の指導にあたっては,まず加数分解の方法を導入する。

 ここでは,10に対する補数がつくりやすいように,被加数が9,8,7の場合を順に取り上げていく。   

 また,導入の段階では,立式の後に,10より大きくなるかの判断をさせる場を設け,それを手がかりにさせる。
  その後で,被加数分解の方法もあることを取り上げる。

 加数と被加数のどちらか小さい方を分解して10のまとまりをつくる方が合理的であるが,理解が難しい子には,自分の考えやすい方法で計算してよいことを知らせる。 
 さらに,百珠そろばんやカードによる練習を通して,ある程度反射的に答えが求められるようにする。

 また,1つの数を他の2つの数の和とみる見方も養う。
 1年生は,具体に即して考えさせることが大切であることから,具体的操作やゲーム活動などの算数的活動を仕組む。 また,加法学習の基礎が十分に身に付いていない子どもたちもいることから,より分かりやすい授業を展開するために,全時間を通して向山型算数指導法を行い,授業の中にシステムとして算数的活動を仕組む。
二.向山型算数指導法
 授業の一番初めから最後まで、それぞれのパーツが、子どもたちが教科書を中心として、授業を学んでいくという仕組みのことである。
 つまり,教科書を中心とした1時間の授業のシステムとして,それぞれの算数的活動(パーツ)を仕組んでいくわけである。
 さらに,向山型算数指導法は,算数が苦手な子への手だてを授業の中にこそ組み込む。時間外の補充学習には頼らない。

45分間(90分間)に仕組む算数的活動
1年生の算数では1時間に6種類の算数的活動(向山型算数指導法でいうパーツ)を入れる。
 ①百珠ソロバン ②フラッシュカード  ③教科書  ④ノート指導 ⑤児童板書 ⑥あかねこ計算スキル

向山型算数指導法からの1年生担任の主張
 1 分からない子には、「教える」。本当に分からない子に一人で考えさせるなんてとんでもない授業行為である。
 2 ときには,赤鉛筆でうすく書いてやりなぞらせる。こうすると,子どもが上から
  書くと赤鉛筆の線が目立たなくなる。だから,決して赤ペンでやってはいけない。
 3 授業のリズム・テンポ。「かなり早い」これが授業の命である。
  百珠ソロバン→教科書→ノート→ノートのチェック→ノートの○付け→発表→計算スキルこれだけを45分(または90分)で行う。
 4 百珠ソロバン,フラッシュカード,指での補数の学習など基礎基本の定着をはかる活動を毎時間5分程度入れる。
 5 ていねいで見やすいノートを書くよう日常的に指導する。
 6 補助計算を必ず書かせる。 
 7 黒板を広く使う。子どもが使う。
 8 算数は「教科書」をつかう。プリント学習では学力が付かない。
   算数の苦手な子にとって,一番優しく教えてくれるのは教科書である。
   カラーイラストつきである。ヒントの「しき」まで書いてある。
 9 隣同士でチェックさせる。
   算数が苦手な子は教科書を使いこなすことができない。教科書を素早く出す。
   ページを素早く開ける。問題番号やイラストを指さすなどの訓練が必要である。
   そこで,学習活動のなかで時折,隣同士でチェックさせる。
 10 教科書をつかって基本型の指導をする。
 11 授業の中でこそ,計算スキルを使う。朝自習や宿題にしない 
 12 チャイムと同時に終わる。または、前に終わる。必ずである。

 ※ 詳しくは,別紙の資料と授業展開の「向山型算数のポイント」参照

三.単元の目標
 1 数の構成や10の補数などの学習経験を生かして,1位数に1位数をたして繰り上がりのある計算の仕方を進んで考えようとする。
 2 20までの数の構成や10の補数に着目して計算の仕方を考える。
 3 1位数に1位数をたして繰り上がりのある計算ができる。
 4 1位数に1位数をたして繰り上がりのある計算の仕方を理解する。
四.指導計画
 第1・2時 9+何の計算
 第3・4時 8+何,7+何の計算
 第5・6時 3+9の計算(被加数分解の足し算)・・・本時5/11
 第7~11時 繰り上がりのある足し算の習熟(百珠そろばん・算数カード・算数カードを使ったゲーム・足し算道場等で楽しみながら習熟をはかる。)
五.本時の目標
 3+9,4+7等の1位数どうしの繰り上がりのある加法で,被加数を分解して計算 する方法について理解し,できるようになる。
六.本時指導の考え方
 繰り上がりのある足し算では,10のまとまりをつくることが不可欠である。

 そこで,毎時間の導入である百珠そろばんとフラッシュカードの練習に10の補数の練習を多く取り入れる。

 さらに指を使っての補数の学習も取り入れた。
 1年生の文章題には,文章と絵で構成されているものが多い。

 本時で取り扱うパンダマークの問題も文章だけでは意味が通らない。

 卵の絵を読みとらせる必要がある。そこで,卵の絵を数えさせる活動を入れた。

 次に,卵がブロックに置き換えてある。卵という具体物から,ブロックという半具体物への移行である。

 1年生には,ささいな変化も抵抗となる。

 そこで,一見わかりきっていると思われることでも,再びブロックの数を数えさせる。

 ここで数えるという活動を取り入れることは,まだ1対1対応ができていない一部の子にとっては,とても大切な活動である。
 本時は,初めて被加数分解による足し算が出てくる。

 ここで,宇宙人君の吹き出しが,重要なヒントとなっている。

 宇宙人君の「どちらを10にしようかな。」という吹き出しを読ませた直後に「左のブロックと右のブロックではどちらが10になりやすいですか。」と問うことで,加数である「9」の方が10のまとまりをつくりやすいことを容易に気づかせることができる。

 そこで,子どもたちの思考を混乱させることなく,被加数である「3」の方をさくらんぼに分ける方法にもっていく。
 すぐにさくらんぼを書かせての計算をさせるのではなく,まず,ブロック図で10のまとまりをつくらせる。

 ブロックを使っての操作活動は1時で行っているので,ここでは,教科書のブロック図を鉛筆で囲み10のまとまりをつくる活動を行わせる。
 次に,イチゴマークの問題4問を被加数分解で計算させる。

 被加数分解をすんなり理解できた子には,習熟をはかったほうがよいので,「小さい方の数をさくらんぼにわけてやりなさい。」と明確に指示する。

 しかし,それでも加数分解で計算してくる子があれば,それも認めていく。
 イチゴマークの(4)まで,できた子は,ノートを見せにこさせる。

 このときに,さくらんぼを書いていない子はやり直させる。

 さくらんぼが補助計算にあたるので,習熟するまではしつこくしつこく書かせる。補助計算を書かせることは,算数が得意な子の理解も確実にするし,算数が苦手な子にとっては確実に力をつけていく重要な手だてである。
 見せに来た子の(4)だけに○をつける。(1)~(3)はこのときは見ない。

 (4)が間違っている子には×をつける。ここで個人指導はしない。行列をつくらないためである。

 行列ができてしまうと授業が騒然となるので,できるだけ行列をつくらないように素早く○をつけていく。

 (4)が○の子8人に板書させる。9人目からは,「黒板と見比べていなさい。」と次の指示を出す。
 黒板に書いている子が大体書き終えたら,まだ見せにきていない子がいてもノートを見るのを締め切る。

 黒板に書いた子が発表しているあいだに,まだできていない子には仕上げさせる。

 このときは黒板を見ながらやってもかまわない。大事なことは,時間内に全員の子のノートにきちんと今日とりあつかった問題が書いてあることである。
 最後に,あかねこ計算スキルを行い,短時間に集中して計算に取り組ませることで,今日の学習の習熟をはかる。

《参 考》藤嶋茂:「向山型算数一年生全発問全指示教科書全記録」,インターネットランド№1121132 http://www.tos-land.net/


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